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第三章 半透明で過保護な彼との、上手な仕事の進め方
43.黒と赤の密会(2)【テオドール視点】
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「……あの男が、ララをそうさせたのか」
チェスター・カルマン。あの男が近くにいなければ、ララが自分を責め続けることはなかった。家族のとの関係が今ほど拗れることもなかったはずだ。
何度心無い言葉を浴びせられてきたのだろう。どれほど涙を流したのだろう。
「今すぐララを甘やかしたい」
「声出てるわよ」
「出してるんだ。もう遠慮するのはやめる」
別れが近いからとか、ララを困らせるとか。そんなことを気にしている場合ではなかった。
困れ。悲しめ。だが同時に、認めさせる。
彼女の体質が特別であることを。彼女が愛されていることを。
進むべき道が見えた。テオドールは小さく息を吐く。その間ジャスパーは、首元のゴーグルを触ったり離したりを繰り返していた。
「何年も一人で耐え続けてきたララの覚悟を無視して、あたしが手を貸すのは違うと思った。あの子の望みは普通になることで、最も恐れていたのは、カルマンに婚約破棄されることだった。……あたしにはあの子の望みを、壊せなかった」
ジャスパーは友として、ララの望みを叶えたかった。彼女に笑顔でいてほしかったのだろう。だからカルマンがいかにクズであったとしても、ララが望むならば黙って見守ろうと考えた。
ジャスパーは己の正義とララの間で、人知れず苦しんでいた。
「結局婚約破棄されたから、あたしの選択はララを傷つけるだけになっちゃった」
俯いたジャスパーが、片手でゴーグルを握りしめる。
「ララのこと黙ってて悪かったわ。……でも、これだけは信じて。あたしね」
――ずっとあの子の、助けになりたかったのよ。
聞きたかった答えが聞けた。テオドールは呆れたように笑い、ジャスパーの頭を小突く。
「それを最初に言え」
自分とジャスパーはどちらも選択を誤ったが、目的は同じだった。それならば、今後動きやすい。
「チェスター・カルマンを終わらせる」
簡潔に言えば、ジャスパーが目を輝かせた。数秒前の大人しさが嘘のように生き生きとしている。
「その言葉を待ってたのよ! やるわよ! 完膚なきまでに! 潰す!」
「お前、そんなに嫌いだったのか」
「あったりまえでしょ⁉︎ 何回あいつの抹殺計画立てたと思ってんのよ! あんたは知らないでしょうけどね、ララは顔を殴られたこともあるのよ? それなのにあの子、絶対にカルマンにやられたって言わないの。『転んじゃって』って笑うだけ。そんなはずねーだろって思いながら化粧で隠してあげたあたしを褒めたたえてくれても良いんじゃないの?」
「……カオヲ、ナグッタ……?」
「あ、やば。褒めてほしかったのに雷落とされそう。落ち着いて、ララの顔に怒られるのはきついから勘弁して」
「そうだ、呪い殺そう」
「名案みたいに言ってもダメよ。テオならできそうだけどさぁ。直接手を下したらララが困るでしょうよ」
「もう良いんじゃないか。ララの前から消せれば何でも」
ララを自分のこと以外で困らせるのは本意ではないが、発言自体は半分以上本気である。
「ララに関する噂も、どうせあの男が流したものだろ」
以前聞いた話だと、ララが霊と話をした現場を目撃したのはカルマンと数人の子供だけだったはずだ。当時のララが九歳だったということは、カルマンの歳は十七。いくらでも噂をコントロールできたわけだ。
「社会的に抹殺するには、証拠が必要か……」
ララの腕の痣はもうじき完治するし、証拠にはならない。
ジャスパーに腕の痣を見せると、「山にするか、海にするか……」と遺体の隠し場所を思案し始めたため、相当頭にきているようだ。
「あいつ絶対後ろ暗いことやってるでしょ。ララの件以外にもさ。調べればいくらでも出てくると思うし、仕立て上げてでも地獄に落としてやるわ。ぐふふ、腕が鳴るぅ」
並々ならぬやる気を出すジャスパー。心なしか肌ツヤが良くなった気さえする。気持ち悪いやつだ。
「ただ、情報を掴んでから動くとなると、テオが神の元に帰るまでには間に合わないわね。やるからには徹底的に調べ上げてからにしたいし。どうする?」
「あの男を完全に消すのは俺がいなくなってからでも構わないが、ララの件を解決するのは早めが良い。安心して離れられないからな」
「このまま残るって選択肢はないの? ララから聞いてると思うけど、霊って割と自由に残ってるらしいわよ」
「それは、――ないだろうな」
霊体では、ララを守れない。物理的にも立場的にも、盾になってやれない。
「ふーん。……ま、あたしは二度と会えないと思ってたテオとこうやって話ができたから。これ以上は望まないわ。希望通りカルマンは必ず潰す。手始めに、あいつがララから奪った他者との繋がりを奪い返してやるわ」
「やり方はお前に任せる」
「そう? じゃあ、『妖精の戯れ』ってところかしらね」
「悪魔の間違いじゃないのか」
「失礼ねぇ、最初は軽めにするわよ。一回で終わらせるなんてもったいないもの。……やっとララを、堂々と助けられるのに」
(お前が羨ましい、なんて思う日が来るとはな)
決して口には出さない。だから思うだけは許してほしい。
この先もララの隣に立つ権利のあるジャスパーが。……ヒューゴが、アルバートが、マックスが、フロイドが。
――ただひたすらに、羨ましい。
テオドールは何食わぬ顔でジャスパーと会話を続けた。カルマンに何体もの霊が憑いている話や、ララと親しい子供の霊がいた話を。
そうしているうちに、次第に夜が深くなってきた。
立ち上がって窓を開けると、夏の夜風が髪を揺らした。終わりの時が、近付いている。
今だけは、残された時間だけは。
彼女の隣を、譲らない。
「時期を見て動け、ジャスパー」
夜空からジャスパーに視線を移す。
弧を描いた親友の口元が、歌うように動いた。
「――了解」
チェスター・カルマン。あの男が近くにいなければ、ララが自分を責め続けることはなかった。家族のとの関係が今ほど拗れることもなかったはずだ。
何度心無い言葉を浴びせられてきたのだろう。どれほど涙を流したのだろう。
「今すぐララを甘やかしたい」
「声出てるわよ」
「出してるんだ。もう遠慮するのはやめる」
別れが近いからとか、ララを困らせるとか。そんなことを気にしている場合ではなかった。
困れ。悲しめ。だが同時に、認めさせる。
彼女の体質が特別であることを。彼女が愛されていることを。
進むべき道が見えた。テオドールは小さく息を吐く。その間ジャスパーは、首元のゴーグルを触ったり離したりを繰り返していた。
「何年も一人で耐え続けてきたララの覚悟を無視して、あたしが手を貸すのは違うと思った。あの子の望みは普通になることで、最も恐れていたのは、カルマンに婚約破棄されることだった。……あたしにはあの子の望みを、壊せなかった」
ジャスパーは友として、ララの望みを叶えたかった。彼女に笑顔でいてほしかったのだろう。だからカルマンがいかにクズであったとしても、ララが望むならば黙って見守ろうと考えた。
ジャスパーは己の正義とララの間で、人知れず苦しんでいた。
「結局婚約破棄されたから、あたしの選択はララを傷つけるだけになっちゃった」
俯いたジャスパーが、片手でゴーグルを握りしめる。
「ララのこと黙ってて悪かったわ。……でも、これだけは信じて。あたしね」
――ずっとあの子の、助けになりたかったのよ。
聞きたかった答えが聞けた。テオドールは呆れたように笑い、ジャスパーの頭を小突く。
「それを最初に言え」
自分とジャスパーはどちらも選択を誤ったが、目的は同じだった。それならば、今後動きやすい。
「チェスター・カルマンを終わらせる」
簡潔に言えば、ジャスパーが目を輝かせた。数秒前の大人しさが嘘のように生き生きとしている。
「その言葉を待ってたのよ! やるわよ! 完膚なきまでに! 潰す!」
「お前、そんなに嫌いだったのか」
「あったりまえでしょ⁉︎ 何回あいつの抹殺計画立てたと思ってんのよ! あんたは知らないでしょうけどね、ララは顔を殴られたこともあるのよ? それなのにあの子、絶対にカルマンにやられたって言わないの。『転んじゃって』って笑うだけ。そんなはずねーだろって思いながら化粧で隠してあげたあたしを褒めたたえてくれても良いんじゃないの?」
「……カオヲ、ナグッタ……?」
「あ、やば。褒めてほしかったのに雷落とされそう。落ち着いて、ララの顔に怒られるのはきついから勘弁して」
「そうだ、呪い殺そう」
「名案みたいに言ってもダメよ。テオならできそうだけどさぁ。直接手を下したらララが困るでしょうよ」
「もう良いんじゃないか。ララの前から消せれば何でも」
ララを自分のこと以外で困らせるのは本意ではないが、発言自体は半分以上本気である。
「ララに関する噂も、どうせあの男が流したものだろ」
以前聞いた話だと、ララが霊と話をした現場を目撃したのはカルマンと数人の子供だけだったはずだ。当時のララが九歳だったということは、カルマンの歳は十七。いくらでも噂をコントロールできたわけだ。
「社会的に抹殺するには、証拠が必要か……」
ララの腕の痣はもうじき完治するし、証拠にはならない。
ジャスパーに腕の痣を見せると、「山にするか、海にするか……」と遺体の隠し場所を思案し始めたため、相当頭にきているようだ。
「あいつ絶対後ろ暗いことやってるでしょ。ララの件以外にもさ。調べればいくらでも出てくると思うし、仕立て上げてでも地獄に落としてやるわ。ぐふふ、腕が鳴るぅ」
並々ならぬやる気を出すジャスパー。心なしか肌ツヤが良くなった気さえする。気持ち悪いやつだ。
「ただ、情報を掴んでから動くとなると、テオが神の元に帰るまでには間に合わないわね。やるからには徹底的に調べ上げてからにしたいし。どうする?」
「あの男を完全に消すのは俺がいなくなってからでも構わないが、ララの件を解決するのは早めが良い。安心して離れられないからな」
「このまま残るって選択肢はないの? ララから聞いてると思うけど、霊って割と自由に残ってるらしいわよ」
「それは、――ないだろうな」
霊体では、ララを守れない。物理的にも立場的にも、盾になってやれない。
「ふーん。……ま、あたしは二度と会えないと思ってたテオとこうやって話ができたから。これ以上は望まないわ。希望通りカルマンは必ず潰す。手始めに、あいつがララから奪った他者との繋がりを奪い返してやるわ」
「やり方はお前に任せる」
「そう? じゃあ、『妖精の戯れ』ってところかしらね」
「悪魔の間違いじゃないのか」
「失礼ねぇ、最初は軽めにするわよ。一回で終わらせるなんてもったいないもの。……やっとララを、堂々と助けられるのに」
(お前が羨ましい、なんて思う日が来るとはな)
決して口には出さない。だから思うだけは許してほしい。
この先もララの隣に立つ権利のあるジャスパーが。……ヒューゴが、アルバートが、マックスが、フロイドが。
――ただひたすらに、羨ましい。
テオドールは何食わぬ顔でジャスパーと会話を続けた。カルマンに何体もの霊が憑いている話や、ララと親しい子供の霊がいた話を。
そうしているうちに、次第に夜が深くなってきた。
立ち上がって窓を開けると、夏の夜風が髪を揺らした。終わりの時が、近付いている。
今だけは、残された時間だけは。
彼女の隣を、譲らない。
「時期を見て動け、ジャスパー」
夜空からジャスパーに視線を移す。
弧を描いた親友の口元が、歌うように動いた。
「――了解」
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