12 / 76
第二章 半透明な令息と、初めてだらけの二日間
12.ララ・オルティスの懺悔【テオドール視点】
しおりを挟む
「母上の涙を見た回数?」
ララに聞き返しながら、テオドールは母、――マリッサの顔を思い浮かべた。
「難しい質問だな。うちの母は涙腺が弱いから」
涙もろく穏やかで、家族からも患者からも好かれる人だ。
「場合によっては、暴れる患者を無理やり診療台に押さえつけるくらい勇ましいんだが」
「意外ですね」
「人命救助のためならなんでもする家なんだ。……母の秘密をバラしはしたが、君の質問には具体的な回数で答えられないな」
「充分です。夫人は感情豊かな方なんですね」
「オルティス伯爵夫人とはだいぶ違うか?」
先ほどの家族の会話からは、落ち着いた印象を受けた。快活なオルティス伯爵とは対照的だったように思う。
「昔はもっと笑う人だったんです。冷静で芯が強いところは今と全然変わっていませんが。……そんな母だから好きになったのだと、父はいつも言っていました」
過去を思い出しているのか、ララが瞼を伏せる。色素が薄く長いまつ毛が、儚げで、危うい。
目を離した途端、どこかに消えてしまいそうだ。
「父が愛した母を、私は奪ってしまいました」
ララのラベンダー色の瞳が、ただ寂しそうに揺れている。
彼女に向かって伸ばしそうになった手を、テオドールは膝の上で握りしめた。
(――なあ。どうしてそんなに、我慢するんだ?)
以前から気になっていた。自分の前では花が咲いたように笑う彼女が、ふとした瞬間に見せる、諦めた表情。
ララは家族を好きだと言った。あの目は本音を言っている目だった。それなのに、オルティス家はどこか歪だ。家族と話す彼女も、彼女と話す家族も、お互いにずっと、何かを堪えているように見える。
愛する相手からの婚約破棄にうな垂れていた昨日よりも、今の方が何倍も辛そうだ。
(吐き出してしまえ。君の手元に残るものは、幸福だけであってほしい。だから不安や苦しみが尽きるまで、吐き出してしまえ。全部あの世に、持っていってやるから)
テオドールが静かに見守っていると、やがてララは祈るように、心を削るように、つぶやいた。
「私が母を、……泣かせてしまった」
その声を聞いて理解した。
これはララ・オルティスの懺悔なのだと。
「話せることだけで構わない。君と夫人の間に何があったのか、教えてくれないか?」
彼女の心をすくい上げるように、慎重に話を促す。するとララが、不安そうにこちらを見た。
「……迷惑ではありませんか?」
「君の心を知ることが?」
「大した内容じゃないんです。私が弱いだけで。答えが出せる問題でもありません。呆れられてしまうかも」
「呆れたりしない。迷惑でもない。俺が知りたいから聞いてる」
テオドールは視線を逸らさずに告げる。
数秒の沈黙の後、ララはぽつりぽつりと話し始めた。
「……私、小さい頃は、霊と生きた人間の見分けがつかなくて」
「モルガン局長に言われてたな。誰もいないところに向かって手を振ってたって」
「はい。当時は領地にある本邸で過ごしていて、ほとんど霊を見なかったんです。だから両親も私の体質に気付きませんでした。初めて人前で霊と話をしてしまったのが、九歳の頃……父の仕事の関係で訪れた、カルマン伯爵家主催のお茶会でした」
最高に聞きたくない名前の登場に、テオドールは心中穏やかでなかった。
カルマンと自分の間には繋がりがない。ララの婚約者という理由で、テオドールは彼についての情報を遮断してきた。
繋がりがないにも関わらず、この世で最も嫌いな人間だ。理不尽だろうがなんだろうが、自分の心に嘘はつけない。存在と共にララの記憶から消えてくれないかな、とまで思っている。
「そこで体質が発覚して、噂が広まったのか」
「はい。霊と話す私を実際に見たのは、同い年くらいの子供数人とカルマン卿だけだったと思いますが、噂が広まるのはあっという間でした。あの日から、私は嫌われ者になったんです」
幼いララは、どんな気持ちで噂を受け止めたのだろう。今だって簡単に壊れてしまいそうなのに。
「呪いとか、他の噂に身に覚えがなくても、霊が見えるのは本当なので、完全に否定できなくて……。すぐに周りからの視線に耐えられなくなってしまいました。なので先ほどお話した、令嬢を失神させてしまったパーティー以外は、ほとんど社交の場に出たことがありません。お茶会に行くのは、いつも母一人でした」
「参加したいとは思わなかったのか?」
「少しも思わなかったと言うと嘘になりますが、両親がそばにいてくれれば、それで充分だったんです。私は自分だけが被害者だと思い込んで、閉じこもっていただけですから。……母はずっと、耐えてくれていたのに」
ララが一度言葉を止め、小さく息を吐いた。その息が震えていると気付き、続きを聞きたいのに、話すのをやめさせたいとも思ってしまう。
「辛かったら言わなくて良い」
「ありがとうございます。昔のことなので、今は大丈夫です」
口元だけで、ララが小さく笑ってみせた。
「……もう想像はついていると思いますが、母は私がいないところでも、辛い目にあっていました。守られていただけの私は、そんなことにも気付けなくて。ある日お茶会から帰ってきた母が私を見るなり泣き始めて、やっと気付きました。……私が母の涙を見たのは、あの一回だけなんです」
「その日だけ、夫人の中で何かが切れてしまったんだな」
「溜まりに溜まった負の感情が、溢れてしまったんだと思います。でもあの時も、母は私を抱きしめて、何度も『どうして』と言うだけでした」
「……そうか」
「一言も責めなかったんです。本当は言いたかったはずなのに。私に、『どうして普通に生まれてきてくれなかったのか』って」
人生で一度だけ見た母の涙が、鼻をすする音が、嗚咽混じりの声が、ララは忘れられないのだろう。
「私がいなければ、お母様を苦しめることもなかったのに――」
ララに聞き返しながら、テオドールは母、――マリッサの顔を思い浮かべた。
「難しい質問だな。うちの母は涙腺が弱いから」
涙もろく穏やかで、家族からも患者からも好かれる人だ。
「場合によっては、暴れる患者を無理やり診療台に押さえつけるくらい勇ましいんだが」
「意外ですね」
「人命救助のためならなんでもする家なんだ。……母の秘密をバラしはしたが、君の質問には具体的な回数で答えられないな」
「充分です。夫人は感情豊かな方なんですね」
「オルティス伯爵夫人とはだいぶ違うか?」
先ほどの家族の会話からは、落ち着いた印象を受けた。快活なオルティス伯爵とは対照的だったように思う。
「昔はもっと笑う人だったんです。冷静で芯が強いところは今と全然変わっていませんが。……そんな母だから好きになったのだと、父はいつも言っていました」
過去を思い出しているのか、ララが瞼を伏せる。色素が薄く長いまつ毛が、儚げで、危うい。
目を離した途端、どこかに消えてしまいそうだ。
「父が愛した母を、私は奪ってしまいました」
ララのラベンダー色の瞳が、ただ寂しそうに揺れている。
彼女に向かって伸ばしそうになった手を、テオドールは膝の上で握りしめた。
(――なあ。どうしてそんなに、我慢するんだ?)
以前から気になっていた。自分の前では花が咲いたように笑う彼女が、ふとした瞬間に見せる、諦めた表情。
ララは家族を好きだと言った。あの目は本音を言っている目だった。それなのに、オルティス家はどこか歪だ。家族と話す彼女も、彼女と話す家族も、お互いにずっと、何かを堪えているように見える。
愛する相手からの婚約破棄にうな垂れていた昨日よりも、今の方が何倍も辛そうだ。
(吐き出してしまえ。君の手元に残るものは、幸福だけであってほしい。だから不安や苦しみが尽きるまで、吐き出してしまえ。全部あの世に、持っていってやるから)
テオドールが静かに見守っていると、やがてララは祈るように、心を削るように、つぶやいた。
「私が母を、……泣かせてしまった」
その声を聞いて理解した。
これはララ・オルティスの懺悔なのだと。
「話せることだけで構わない。君と夫人の間に何があったのか、教えてくれないか?」
彼女の心をすくい上げるように、慎重に話を促す。するとララが、不安そうにこちらを見た。
「……迷惑ではありませんか?」
「君の心を知ることが?」
「大した内容じゃないんです。私が弱いだけで。答えが出せる問題でもありません。呆れられてしまうかも」
「呆れたりしない。迷惑でもない。俺が知りたいから聞いてる」
テオドールは視線を逸らさずに告げる。
数秒の沈黙の後、ララはぽつりぽつりと話し始めた。
「……私、小さい頃は、霊と生きた人間の見分けがつかなくて」
「モルガン局長に言われてたな。誰もいないところに向かって手を振ってたって」
「はい。当時は領地にある本邸で過ごしていて、ほとんど霊を見なかったんです。だから両親も私の体質に気付きませんでした。初めて人前で霊と話をしてしまったのが、九歳の頃……父の仕事の関係で訪れた、カルマン伯爵家主催のお茶会でした」
最高に聞きたくない名前の登場に、テオドールは心中穏やかでなかった。
カルマンと自分の間には繋がりがない。ララの婚約者という理由で、テオドールは彼についての情報を遮断してきた。
繋がりがないにも関わらず、この世で最も嫌いな人間だ。理不尽だろうがなんだろうが、自分の心に嘘はつけない。存在と共にララの記憶から消えてくれないかな、とまで思っている。
「そこで体質が発覚して、噂が広まったのか」
「はい。霊と話す私を実際に見たのは、同い年くらいの子供数人とカルマン卿だけだったと思いますが、噂が広まるのはあっという間でした。あの日から、私は嫌われ者になったんです」
幼いララは、どんな気持ちで噂を受け止めたのだろう。今だって簡単に壊れてしまいそうなのに。
「呪いとか、他の噂に身に覚えがなくても、霊が見えるのは本当なので、完全に否定できなくて……。すぐに周りからの視線に耐えられなくなってしまいました。なので先ほどお話した、令嬢を失神させてしまったパーティー以外は、ほとんど社交の場に出たことがありません。お茶会に行くのは、いつも母一人でした」
「参加したいとは思わなかったのか?」
「少しも思わなかったと言うと嘘になりますが、両親がそばにいてくれれば、それで充分だったんです。私は自分だけが被害者だと思い込んで、閉じこもっていただけですから。……母はずっと、耐えてくれていたのに」
ララが一度言葉を止め、小さく息を吐いた。その息が震えていると気付き、続きを聞きたいのに、話すのをやめさせたいとも思ってしまう。
「辛かったら言わなくて良い」
「ありがとうございます。昔のことなので、今は大丈夫です」
口元だけで、ララが小さく笑ってみせた。
「……もう想像はついていると思いますが、母は私がいないところでも、辛い目にあっていました。守られていただけの私は、そんなことにも気付けなくて。ある日お茶会から帰ってきた母が私を見るなり泣き始めて、やっと気付きました。……私が母の涙を見たのは、あの一回だけなんです」
「その日だけ、夫人の中で何かが切れてしまったんだな」
「溜まりに溜まった負の感情が、溢れてしまったんだと思います。でもあの時も、母は私を抱きしめて、何度も『どうして』と言うだけでした」
「……そうか」
「一言も責めなかったんです。本当は言いたかったはずなのに。私に、『どうして普通に生まれてきてくれなかったのか』って」
人生で一度だけ見た母の涙が、鼻をすする音が、嗚咽混じりの声が、ララは忘れられないのだろう。
「私がいなければ、お母様を苦しめることもなかったのに――」
1
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
大嫌いなんて言ってごめんと今さら言われても
はなまる
恋愛
シルベスタ・オリヴィエは学園に入った日に恋に落ちる。相手はフェリオ・マーカス侯爵令息。見目麗しい彼は女生徒から大人気でいつも彼の周りにはたくさんの令嬢がいた。彼を独占しないファンクラブまで存在すると言う人気ぶりで、そんな中でシルベスタはファンクアブに入り彼を応援するがシルベスタの行いがあまりに過激だったためついにフェリオから大っ嫌いだ。俺に近づくな!と言い渡された。
だが、思わぬことでフェリオはシルベスタに助けを求めることになるが、オリヴィエ伯爵家はシルベスタを目に入れても可愛がっており彼女を泣かせた男の家になどとけんもほろろで。
フェリオの甘い誘いや言葉も時すでに遅く…
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる