亜人族の超絶美形と傷心旅行中の僕とのエロエロ恋愛模様【R18BL/濃厚エッチ/一章完結】

藤屯

文字の大きさ
上 下
54 / 56

【54】

しおりを挟む
  *****

 ――甘い匂いがする。でもそれはヴィフレアから薫るいつもの花の匂いとは違っていた。

 ……いつの間に眠っていたのか?

 重い瞼を開けると霞む視界にラヴィーニがこちらに背を向け手もとの何かに向かって喋っている。意識が朦朧もうろうとしている。

 ……あれは蜂? …蜂が喋っている。

❝ラヴィーニさま、ヴィフレアさまは現在こちらに向かっているようでございます❞
「え~~? うッふゥン、もう? でも、迷っているでしょう?」
❝ええ❞
「うッふゥン、足止めトラップも掛けたからすぐには来ないとはおもうけどぉ~」

 暗い空間の中、ひゃ、ひゃ、ひゃ、と笑い声を上げるヴィフレア。声の響きから洞窟にいるのではと想像する。ポツーン、ポツーン、とどこからか水が滴る音も響いてくる。水溜まり? 池? …もあるのか、ポツーン、の他にポチャーン、という音も混じる。

「うッふゥン、『風の噂』で聞いて怒っているのかなあ?」
❝ええ、おそらくそう思われます。あの形相は……❞
「……。うッふゥン、変わったねえ、ヴィフレア。亜空間のゲートを、使っても年に一回ぐらいだったのにぃ。最近、その頻度があがっていると聞いて調べさせたら……たびたび亜空間と人間界を行ったり来たりして人間に会っているんだからビックリしたよねえ、そのメンタルに感心したよねえ。……だけどぉ~、ヴィフレアのあんな顔はひさしぶりに見たなあ」
❝それはよろしゅうございます❞
「それにしても自ら乗り出して尾行けた時は半露天風呂であんなことヤるから出るに出れなかったよねえ。済むまで待ってあげたボクって優しいよねえ?」
❝ええ、そう思います❞
「アリガト♪ それじゃあさっさと済ませよう」

 さっきから身体を動かそうと思うのに重くて動かない。感覚がない。目を開けるのがやっと。僕は今、立っている……?
 足元を見ると、どうやら宙に浮いているらしい。なのに、驚く力も声を発する力も出て来ない。なぜだ?

「キミに話があるんだぁ~♪」

 クルッと振り向いたラヴィーニが不敵に、ニッと笑いながら話かけてきた。

「……ッ」

 瞬間、グッと何かが僕の首と腕を絞めた。意識が朦朧とした中では感触がはっきりせず気付かなかったが僕はどうやら植物に絡まっているようだった。

「なに…これ……? 助け…て…」
「うッふゥン♪」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

処理中です...