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「うッふゥン、あるに決まっているじゃぁ~ん? 原始人じゃないんだから~。なぁに、人間のくせにボクをバカにするのぉ~ん?」
と、座卓を挟んで真正面の位置にいる僕の顔を見ながらにんまり顔で言ったきた。けど目が笑ってなかったので、慌ててすぐに、
「い、いえ、そんなつもりはないですッ」
と汗を掻きつつ首をぷるぷる横に振りながら答えた。
「ヴィフレアは飲んだ事なさそうだったから…てっきり……」
「……うッふゥン? キミ、バカなのかねえ? 『ヴィフレア……一人が飲んだ事ないなら、その人と同じ種族の人は全員それを飲んだ事ないだろう』って思うって事? えー、何その短絡思考~ボクにはできない発想だねえ~」
「す、すいません」
口が悪いけど言っていることは正論なのでおもわず謝った。
昔やっていたRPGゲームに出て来た異世界人の設定に慣れて思い込みをしてしまったと反省する。
実際に異世界の人に会うと僕が見ていた空想の創作作品が弊害になる事もあるんだな、と思った。
「そんな言いかたはないだろ、ラヴィーニ。風芽はバカにして訊いた訳じゃないのだから……そうだろう? 風芽」
「う、うん」
……ヴィフレアが庇ってくれた。優しい。
ラヴィーニは肩から胸に垂れた三つ編みの束の毛先をいじりながら微笑みを湛えつつ、
「うッふゥン、ボクは思った事を言っただけだよォぉ。ボクも別にキミを痛めつけようと思った訳じゃあないから。そこは間違えないでねえ~。ボクは悪い人じゃないからあ~」
「は、はあ」
「ボクはヴィフレアより年上だからねえ、経験する機会も多くてねえ。緑茶ぐらい飲んだ事あるわけだねえ」
「そ、そうですか。ヴィフレアより年上でいらっしゃるんですね」
すっかり萎縮してしまっている僕。初見からずっとラヴィーニに敬語で喋っている。
「そうだよぉ~。いくつに見える~?」
「え!?」
そんな女子がお遊びでよく聞いてくる年齢クイズをまさか亜人に言われるとは思ってなかったので咄嗟の事に頭が回らず、
「えー…? わからないです……」
「えー? わかんないのぉ~? うッふゥン、ヴィフレアより年上だよぉ、そこから想像すればあ? ヴィフレアの年齢は知っているんでしょぉう~?」
と、座卓を挟んで真正面の位置にいる僕の顔を見ながらにんまり顔で言ったきた。けど目が笑ってなかったので、慌ててすぐに、
「い、いえ、そんなつもりはないですッ」
と汗を掻きつつ首をぷるぷる横に振りながら答えた。
「ヴィフレアは飲んだ事なさそうだったから…てっきり……」
「……うッふゥン? キミ、バカなのかねえ? 『ヴィフレア……一人が飲んだ事ないなら、その人と同じ種族の人は全員それを飲んだ事ないだろう』って思うって事? えー、何その短絡思考~ボクにはできない発想だねえ~」
「す、すいません」
口が悪いけど言っていることは正論なのでおもわず謝った。
昔やっていたRPGゲームに出て来た異世界人の設定に慣れて思い込みをしてしまったと反省する。
実際に異世界の人に会うと僕が見ていた空想の創作作品が弊害になる事もあるんだな、と思った。
「そんな言いかたはないだろ、ラヴィーニ。風芽はバカにして訊いた訳じゃないのだから……そうだろう? 風芽」
「う、うん」
……ヴィフレアが庇ってくれた。優しい。
ラヴィーニは肩から胸に垂れた三つ編みの束の毛先をいじりながら微笑みを湛えつつ、
「うッふゥン、ボクは思った事を言っただけだよォぉ。ボクも別にキミを痛めつけようと思った訳じゃあないから。そこは間違えないでねえ~。ボクは悪い人じゃないからあ~」
「は、はあ」
「ボクはヴィフレアより年上だからねえ、経験する機会も多くてねえ。緑茶ぐらい飲んだ事あるわけだねえ」
「そ、そうですか。ヴィフレアより年上でいらっしゃるんですね」
すっかり萎縮してしまっている僕。初見からずっとラヴィーニに敬語で喋っている。
「そうだよぉ~。いくつに見える~?」
「え!?」
そんな女子がお遊びでよく聞いてくる年齢クイズをまさか亜人に言われるとは思ってなかったので咄嗟の事に頭が回らず、
「えー…? わからないです……」
「えー? わかんないのぉ~? うッふゥン、ヴィフレアより年上だよぉ、そこから想像すればあ? ヴィフレアの年齢は知っているんでしょぉう~?」
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