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そのタイミングで信号が青に変わり徐々に車が動き出した。
「ふむ。風芽にずっと見られたからだろう」
「確かに見てたけど!」――バレてた! 恥ずかしぃッ!
「で、でも、見られただけで勃起する!?」
「さあ? 風芽だからしたのかも?」
「そ、そそうですか!? 何かゴメンッ!?」
左にいるヴィフレアがどんな顔でそういうことを言っているのか正面を見ている僕にはわからない。耳心地の良い低音ボイスが僕の心をくすぐりハンドルを握る手がますます汗ばんできたことはわかる。
……これはヤバい。汗で滑ってハンドル操作が難しくなりそうだ。
「……あるいは、日本に来てから風芽があまり営みに付き合ってくれなかったのが原因かもしれない」
「え? そ、そう!? 何かゴメンッ!?」
……確かに、日本ではあまりヤッてない。
長めの有給休暇を取った分、仕事が溜まっていたから忙しかったのだ。給料は出ても仕事が減るわけではないから。かく言うヴィフレアもずっと日本にいた訳ではなくて折に触れて亜空間のゲートを開き異世界に行っていた気がする。サンタクロースの小人も仕事をすると聞いた事があるぐらいだから聞くまでもなくエアリ族も何か仕事をしているんだろうと勝手に思っている。その時は忙しくて訊けなかったけど。
「くっ……」
「ヴィフレア!? 何して…―」
「シートベルトだけでも窮屈なのにここも窮屈なのはなかなかに落ち着かないからな。ここはひとつ、風芽を見ながら抜いておこうかと」
「ぅうはぁ!? どういうこと? 何言ってんの!?」
「走行中はよそ見ができないだろう? 当然、『セックスながら運転』はできない」
「そうだねっ!?」
……『セックスながら運転』て何ィ? は、初めて聞く標語だなあ!?
「手間はかけない。風芽はただ運転していればいい」
助手席から布が擦れる音がする。待て待て待て。え? スラックスから出す気ですか、ペニスを?
絶賛走行中。左が見れない。や、サイドミラーをチラ見する感じで見るぐらいならできるかもだけど。今見て、ヴィフレアが性器を出していたら動揺で事故る自信がある(そんなのやだ)。
…ぅっ、と蜜のような甘い吐息が聞こえたような気がした。
「待ぁああぁあてッ、ヴィフレア! そこまでだよ! 今すぐ寄り道するから、それストップして待ってて」
……旅館にもう着く距離なんだけど。とはいえ、テント張っているヴィフレアをこのまま旅館にお届けするのもなあ。尖った耳はかくしても股間のほうはかくす気がなかったら……? それはそれで目立つ! 緊急事態! しょうがない。
走行中の二車線一般道からひと気のなさそうな所を目だけ動かし探す。
……どうしよう!? どこか車停めれそうな所、どこか。
車がかろうじて通れそうな脇道が見えた。入って進んで行くと『この先○○キャンプ場』という看板が見え細道を進むと木々のはびこった入口が出て来た。最近キャンプ人気だから人が多いかと思ったけど運よく人が見当たらなかった。
……郊外だから? や、それは関係ないな。天気のせい?
家を出た時は快晴ってほどでもないけど晴れてはいた。でも今は日が暮れかけ曇っている。
……コテージのないキャンプ場なら天気で人が少ないというのはあるのかも? まあ、ここがコテージのないキャンプ場かはわかんないけど。って、急げ。
今運転して走って来た道路からは見えそうにない所に入って車を停めた。
「ふむ。風芽にずっと見られたからだろう」
「確かに見てたけど!」――バレてた! 恥ずかしぃッ!
「で、でも、見られただけで勃起する!?」
「さあ? 風芽だからしたのかも?」
「そ、そそうですか!? 何かゴメンッ!?」
左にいるヴィフレアがどんな顔でそういうことを言っているのか正面を見ている僕にはわからない。耳心地の良い低音ボイスが僕の心をくすぐりハンドルを握る手がますます汗ばんできたことはわかる。
……これはヤバい。汗で滑ってハンドル操作が難しくなりそうだ。
「……あるいは、日本に来てから風芽があまり営みに付き合ってくれなかったのが原因かもしれない」
「え? そ、そう!? 何かゴメンッ!?」
……確かに、日本ではあまりヤッてない。
長めの有給休暇を取った分、仕事が溜まっていたから忙しかったのだ。給料は出ても仕事が減るわけではないから。かく言うヴィフレアもずっと日本にいた訳ではなくて折に触れて亜空間のゲートを開き異世界に行っていた気がする。サンタクロースの小人も仕事をすると聞いた事があるぐらいだから聞くまでもなくエアリ族も何か仕事をしているんだろうと勝手に思っている。その時は忙しくて訊けなかったけど。
「くっ……」
「ヴィフレア!? 何して…―」
「シートベルトだけでも窮屈なのにここも窮屈なのはなかなかに落ち着かないからな。ここはひとつ、風芽を見ながら抜いておこうかと」
「ぅうはぁ!? どういうこと? 何言ってんの!?」
「走行中はよそ見ができないだろう? 当然、『セックスながら運転』はできない」
「そうだねっ!?」
……『セックスながら運転』て何ィ? は、初めて聞く標語だなあ!?
「手間はかけない。風芽はただ運転していればいい」
助手席から布が擦れる音がする。待て待て待て。え? スラックスから出す気ですか、ペニスを?
絶賛走行中。左が見れない。や、サイドミラーをチラ見する感じで見るぐらいならできるかもだけど。今見て、ヴィフレアが性器を出していたら動揺で事故る自信がある(そんなのやだ)。
…ぅっ、と蜜のような甘い吐息が聞こえたような気がした。
「待ぁああぁあてッ、ヴィフレア! そこまでだよ! 今すぐ寄り道するから、それストップして待ってて」
……旅館にもう着く距離なんだけど。とはいえ、テント張っているヴィフレアをこのまま旅館にお届けするのもなあ。尖った耳はかくしても股間のほうはかくす気がなかったら……? それはそれで目立つ! 緊急事態! しょうがない。
走行中の二車線一般道からひと気のなさそうな所を目だけ動かし探す。
……どうしよう!? どこか車停めれそうな所、どこか。
車がかろうじて通れそうな脇道が見えた。入って進んで行くと『この先○○キャンプ場』という看板が見え細道を進むと木々のはびこった入口が出て来た。最近キャンプ人気だから人が多いかと思ったけど運よく人が見当たらなかった。
……郊外だから? や、それは関係ないな。天気のせい?
家を出た時は快晴ってほどでもないけど晴れてはいた。でも今は日が暮れかけ曇っている。
……コテージのないキャンプ場なら天気で人が少ないというのはあるのかも? まあ、ここがコテージのないキャンプ場かはわかんないけど。って、急げ。
今運転して走って来た道路からは見えそうにない所に入って車を停めた。
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