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エピローグ 憧れの家庭教師との官能小説プレイ

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 こうして僕は、栞さんと恋人になった。

 もちろん栞さんは家庭教師を続けてくれている。
 恋人になったばかりのころは危うく成績を落ちかけた。
 恋人としての栞さんは互いの体を弄り合う方が楽しくて、会う度に互いの体を貪り合っている。
  互いを気持ち良くさせるのが二人とも好きで、一日のうちに何度も交わった。
 
 そうしているうちに勉強が疎かになって、小テストで赤点間近の点数を取ると、家庭教師としての栞さんは「気を引き締めましょう」といってより一層熱心に勉強を教えてくれるようになった。
 僕もそれに応えていた。

 ただ授業が終わりかける手前の時間になると集中力が落ちてきて、どうしても次の時間に期待してしまう。
 恋人と二人きり。
 しかもそれが栞さんなのだ。
 栞さんをそんな期待混じりな目で見ると

「だめですよ。相坂さん。今は勉強の時間です」
 家庭教師モードの時の栞さんは取り合ってくれない。
「じゃあ終わったら」
「ええ。終わったら、いくらでも」
 
 恋人モードの栞さんはむしろ僕よりもずっと貪欲でえっちな人だ。
 僕だって相当だと思うけれど、栞さんはそういう小説を書いているだけあって知識も多いし、資料としてえっちなおもちゃも持っている(僕もその資料を使ったことがある……案の上、栞さんは乱れに乱れた)。

 授業後のことを考えると、時間は瞬く間に過ぎていくから不思議だ。
 あっという間に授業の時間は終わって、栞さんは家庭教師の時の真面目な空気を崩して、僕にもたれかかってくる。

「お待たせしました。それじゃあしましょうか?」
「今日はしたいことがあるんですが」
「なんでしょうか?」
「その、これなんですけど」
 
 僕は机の引き出しから、用意していたものを取り出す。
 それは。
「相坂さん、まさか……それ読んだんですか?」
「読みました」
「えぇぇええええっ!」

 栞さんが悲鳴を上げたそれは、『家庭教師先の生徒が可愛すぎて、えっちしまくった件について』という栞さんが書いた小説だ。

「相坂さん。やっぱり私、家庭教師やめます。っていうか人生も。ああ。恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしいです。ほんとに、ほんとに読んだんですか?」
「おもしろかったですよ」

 大学一年生の家庭教師高坂が教え子の女学生伊織と恋人になって、いろんなプレイを試していくという内容だ。
 とにかく描写が気持ち良さそうなのと、二人の甘い関係が読んでいて心地いい。
 でも、この小説の一番のポイントは。

「栞さんの欲望全開って感じもしました。女の子がドMで……」
「相坂さんの馬鹿。鬼畜、彼氏」
「最後のは罵倒じゃないような。それはそれとして、この小説、すごいえっちぃなと思いまして」
「それは若気の至りです、妄想全開の。しかも、その、相坂さんとの……えっちを想像して」
「この伊織って女の子、生徒ですけど、栞さんにすごい似ていますものね。だから、この本に書いてある感じでしてみませんか? 栞さんが読みながらする感じで」
「やっぱり鬼畜です。相坂さん」
「嫌ですか?」
「私はえっちなことに関しては嫌なこと、ないです。その変態なので」
「じゃあ、決まりですね」

 栞さんはクッションに顔をうずめがら「恥ずかしいぃぃい」と何度も呟くのがおかしかった。

 栞さんの小説の中にはいろんなプレイがあったけれど、その中でも僕がやりたかったのが・・・。
『高坂先生、約束覚えていますか? わたしがテストで今度のテストで一番だったらご褒美をくださいっていう約束』
『もちろん』
『高坂先生、わたしそのえっちなご褒美が欲しくて。伊織のえっちでふしだらなおっぱいを高坂先生に弄って欲しいです』
 
 とまあそんな感じで、テストの褒美にえっちな褒美をねだる伊織……という設定だ。
 栞さんはベッドの上で本を片手に、自分の書いた文章を赤面しながら読み上げている。
 
 ここからはアドリブも多くなると思うけれどできるかぎり、本の流れに沿ってというのはさっき話しておいた。

「相坂さん、これ恥ずかしいなんてものじゃないです」
「だめですよ。今は伊織でしょ、栞さん」
 僕は素に戻ってそれから、

『伊織、そしたら自分でその破廉恥なおっぱいさらけだせ』

 栞さんは着ていたカットソーの上だけを脱いで、ブラジャーを外す。
 もう何度も見せているのにそれでも恥ずかしいのか、胸を片手で隠す。

『それじゃあ。自分で弄ってみろ』

 栞さんは命令されるのが好きだ。
 強引にされるのも。
 だからえっちの時だけは多少僕はそういう感じになる。

『先生、恥ずかしいです』
『だめだ。早く弄れ』
 
 僕が命令すると、栞さんは自分の胸を弄り始める。
 自分の胸を揉みしだくように動かす。
 その手の動きは艶めかしい。
 いやらしく上下する動き乳房に自分でも感じるのか、栞さんの乳首が勃起しているのがはっきりとわかった。

『そんなすぐに乳首勃起させて、見られながら胸を弄るのがそんなに気持ちいいのか』
『違います』
『だったらなんで勃ってんだ。そんなに乳首を勃たせて。本当に伊織は淫乱だな』
『ああん。言わないでください。先生。そのわたしに先生に弄って欲しくて』
 
 切なそうに言うそれが伊織の台詞なのか、栞さんの言葉なのか一瞬わからなかった。

『淫乱なえろおっぱいを先生に弄って欲しくて、いじめて欲しくて。お願いします、先生。伊織にご褒美をください』
『わかった』
 
 僕は栞さんの後ろに回り込んで抱きかかえる。
 栞さんに足を広げて座らせて、僕はその後ろから栞さんを抱き抱えるように座る。
 後ろから両の手で栞さんの胸を鷲づかみにして、荒々しく弄り始める。

「あああぁぁぁん。ぁぁん」
「なんだ始めたばかりなのに」
「だって、ああん。いつもの相坂さんよりずっと強引で。あぁぁああん。ぁん」
「こういう方が好きなんでしょ、栞さん」
「うんっ。好きです。ぁぁあん」
 
 もう何度揉んだかわからない栞さんのおっぱいだけれど、その度に手が幸福になる。
 飽き足りるなんて絶対しないだろう感触。
 ふわふわでそれでいて弾力のある触り心地。
 指先が、手のひらがまるでその場所に吸い込まれるように求めていく。
 本能的が求めているような。

『伊織。ほら。おっぱいをいじめてやるから、代わりにお前はオナニーしろ』

 ためらいを見せながらも栞さんはゆっくりと下着の中に手を伸ばし、自らの秘所へ入れていく。
 後ろから胸をいじられながらオナニーをするという、シチュエーションはそれだけでエロい。
 僕の股間のものもズボン越しでもはっきりとわかるぐらいに勃起している。

『濡れてるか?』
「はい。もうすごく濡れてます」
 
 そう応えたのは伊織ではなく、栞さんだとわかった。
 もう本は必要ないようだ。
 役になりきらなくても、栞さんはもう伊織と同じように快感を覚えていた。
 さすが著者。
 というか本当にえっちな欲望には忠実な人だ。
 僕がその胸を上下左右に揺らし、乳首の周辺を弄る度に短い喘ぎ声が響く。
 甘くて色のあるその声にはためらいがなくて、心の底から気持ちいいのが伝わってくる。
 
 僕はもっと気持ちよくなって欲しくて、栞さんの耳に口づける。
 栞さんは全体的に感じやすいけれど、特に耳が弱い。
 囁くように「気持ちいいですか?」と言ってみると、こくこくと頷いた。
 目を閉じていて、自らの気持ちいいところを動かす指の動きが快感の限界を求めていた。

「ぁぁん。ぁあああん。いく。いきます。先生。ああぁぁああん。もうだめ、ああん。気落ちぃぃ」
 
 栞さんはその意識を一瞬手放して、達したのがはっきりとわかる。
 僕は後ろからぎゅっと抱きしめる。
 栞さんは体をひねって首をこちらに向けて僕の唇に自らの唇を押し当てる。
 互いの舌を絡めながら、僕は先ほどまで栞さん指が入っていた秘所を探り当てて、そこに指をやる。
 愛液で湿った下着を感じながら、人差し指と中指の二本がすっぽりと入る。
 膣の中、淫靡な音が栞さんを快楽へと導いたのか、

「もっと。もっとして、ほしいです」

 切なそうに僕の耳元で言葉にした。
 僕はそれに応えるように用意していたベッドの下からローションを取り出す。
 体勢を正常位に変えて、栞さんのスカートと下着をおろす。
 足を開かせてその間に入る。

「少し冷たいかもしれませんけど」

 と素になってしまいながらもローションを栞さんに胸にたっぷりと垂らす。
 ぬちゅりという艶めかしい音を立てながら、ローションでつやつやになったおっぱいがより加虐心をそそる。
 乳首の周囲を撫でまわす。
 揉みしだき、揉み回す。
 ローションの感触が気持ちいいのか、栞さんは快感が我慢できなくなっている。

「ぁぁん。気持ちいい。気持ちいいよ。先生ああん。もっともっとおっぱい、いじめて」
「ほんとに淫乱おっぱいだな。こんな乳首をおっ勃てて自分でおまんこいじりながら、もっといじってなんて普通は言わないぞ。栞はほんとにドMだな」
「はい。栞はドMです。先生の愛玩ペットになりたい、エロ生徒です」

 僕はおっぱいを軽くはたく。
 栞さんは「ひゃぁん」と切なそうな喘ぎ声を上げる。
 何度か繰り返して、またその胸を揉みしだく。
 栞さんはもう快感の奴隷になっていて、秘所を弄る指が激しくなっていた。

 もう何度か達したのか、時々体を震わせてその度に顔がゆるゆるに蕩けていった。
 えっちなことしか考えられない、欲望を求めるだけの顔。
 こんな顔、真面目な家庭講師モードの栞さんしか知らない人が見たら驚くだろうな。
 僕はどっちの栞さんもすごく好きで、恋人になってからは好きが何倍にもなった
 僕は栞さんの耳元に口をやって、栞さんにして欲しいことを告げた。
 栞さんはこくりと頷いて。

「先生のおちんぽ、栞のえろえろおっぱいおまんこにください」

 パイズリってやつだ。
 男の子の憧れ。
 相手の胸に自らの欲望そのものを押しつけるような気がして、そう言うのには少し勇気がいる。
 僕は服を脱いで、できるだけ体重を乗せないように仰向けの栞さんにまたがる。
 そうしてローションまみれの栞さんの両胸の間に肉棒を入れ込んでいく。
 栞さんが自分の胸を両脇から抑えて寄せる。
 ふわふわした感触とローションのぬるぬるが合わさって、さらにそこに乳圧が加わる。
 
 僕は思わず声が漏らして、栞さんがそれを嬉しそうに指摘する。
 だってこれ、ほんとに気持ちいい。
 しかも感触だけじゃない。
 視覚的にもやばい。
 ローションで塗れた艶だらけの双丘に自分の欲望を全部包み込ませているのだ。
 征服感や独占感がすさまじく、快感がたぎってくる。
 僕はその乳の中を行き来させるように腰を振る。

「すごいえっちぃです相坂さん。それにこれ、ああん。私もその、ああん気持ちいい」
「僕も気持ちいいです」

 腰をふる度に互いに快感に溺れていくのがわかる。
 我慢汁が絞られるように出て、それが栞さんの胸に汚す。  
 汗と欲望が互いに混じり合う。
 二人の体は別々なのに、こうして交わっていると、互いの快感を互いに感じているじゃないかと思う。
 互いの欲望がぶつかって溶けていく。
 僕はこの感覚が好きだ。
 きっと栞さんもそうなのだろう。
 これが相性がいいってことだと思う。
 
 僕は栞さんの胸を弄り、栞さんは悦びに浸っていく。
 僕も栞さんの動きで、快感が増していく。
 互いに顔を見やる。
 たぶんお互いに他の人には見せられないぐらい蕩けきっている。
 声も顔も体の動きも、こんなのはお互いにしか見せられない。
 もう自分と相手の欲望のことしか考えられなくなっている。
 互いの快感の声が混ざっていく。
 互いを悦ばせようとして、それをさらに高めていく。
 何度も何度もいきそうになりながら、僕はなんとかこらえていた。
 栞さんもきっとそれがわかったんだと思う。

「相坂さん、おちんぽ、栞のお口で咥えさせてください。もっと、もっと気持ち良くなってください」

 そう言って体勢を変える。
 僕が仰向けになって、栞さんがその胸で僕のものを挟み込んで、竿の先をぐっと口で咥え込む。

「ぁああぁ。気持ちいい」

 栞さんは僕の竿の先を舐め、それから深くまで咥え込み、またその肉棒の先を舐めた。
 舌と口と胸で同時に受ける奉仕は先ほどにもまして快感が強い。
 僕はその快感に声を上げながら、栞さんが咥え込むのに合わせて腰をゆっくりと上下させる。
 奉仕させているっていう征服感で、僕は頭がおかしくなりそうな快感が押し寄せる。
 ほんとに気持ちいい。
 全身全部がもういきたいって叫んでいて。
 栞さんはそれを察したように、僕の方を見て。

「栞のお口に出してください。先生」
 
 それに誘われるように、僕は腰を振って乳圧を味わいながらその口に自分の精を解き放った。

 数秒の間、本当に天国のいるんじゃないかってぐらいの快感が体中を満たした。
 気持ちいいなんてものじゃない。
 この快感の中にずっといたら多分帰ってこれなくなりそうだった。
 僕はその余韻を味わうように栞さんを抱きしめると、同じように考えていたのか栞さんも僕のことを抱き締めてきた。

「あぁ、恥ずかしかった。でも私もすごく気持ちよかったです」
「途中から栞さん素でしたよね。あんなことも言うんですね、栞さん。すっごくえっちな言葉遣いでしたよ」
「違います。伊織の台詞ですよ」

 棒読みでそう言いながら、身を寄せてくっつけてくる。

「ねえ、栞さん僕はこんなに幸せでいいのかって思います」
「私も同じです。こんなにはしたないのにって。家庭教師なのにって。教え子の部屋でこんなことをして……いいのかなって」
「それはむしろ魅力です」
「そう言ってもらえると嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね、相坂さん」
「これからってこういうことですか」

 僕は栞さんの秘所の探りながら、もう硬くなっている肉棒を膣の中に入れる。

「そういう意味じゃなかったですけど」

 栞さんは僕をぎゅっと抱きしめてくる。

「そういう意味の方が嬉しいです」

 このえっちな家庭教師な恋人が、大好きだと僕は改めて思った。
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