雪梛の一閃

雪梛

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魔王討伐編

あの子がキレるなんて

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翌日、雪梛せつなたちはとりあえず草原で懐かしのメンバーと会うようだ。
五人が草原に着くとすでに全員揃っていたようだ。
「久しぶりだな。初雪はつゆきのことは会長かいちょーから全員聞いているぞ」
「初めまして、初雪というよ。いくら聞いていたからとはいえ自己紹介なしは流石に礼儀知らずだからね。一応勇者をやっていてそれなりに強いって感じかな。よろしくね」
初雪からの自己紹介を聞いてから深雪みゆき熱無あつな光奈こうなの順で自己紹介を終えた。
「今回はなんでまたこっちにきたんだ?戻るんだったら原初の方でもよかったんじゃじゃねーのかよ」
熱無に聞かれた雪梛はこっちを選んだ理由が明確だったからかすぐに答えた。
「原初の方も確かに懐かしいのがいっぱいいるけど単純に私たちは今魔王討伐編という世界にいてそこで呪文を取得したからこっちで試しに来たってこと。試しにくらってみる?」
「嫌だわ。多分死んじまうだろうが」
前に雪梛と戦った時のことを思い出したのか流石の熱無もそれは遠慮した。
「それは残念だね。ちなみに今の私ならいつもの街をここから半壊させる威力の剣を放てるんだけどどう?」
「それは世界が滅亡するだろ…まじでできるの?」
「それ以上はよしなさい熱無。この子は本気でやりかねないわよ」
香澄かすみに忠告されて熱無はそれ以上は喋らなかった。
「そしたら私の闇魔法にそれをぶつけてみてくれないか?闇魔法ならば多分その威力もギリギリかき消せるだろうしな」
「会長どう?」
雪梛は静樹に判断を任せた。
「そうねー多分いけると思うわよー。闇魔法は未知すぎて私の理解の領域を超えているわー」
雪梛は朝月をみたが朝月は頷いてくれたので雪梛はやることに決めた。
「会長と深雪は闇魔法を全力で発動して。私がぶった斬ってあげるよ」
雪梛の何かに火をつけたのか雪梛は抜刀して構えた。
静樹と深雪はかなり大きいこの世界で多分最大級の闇球体を生成した。
「斬ってみなさいー。やれるものならね」
静樹にそう言われた瞬間に雪梛は全力で練りながら詠唱を開始した。
「この世界に潜在的に存在する氷の粒子よ。膨大なる量を気にせず我に与えよ。時はきた。今こそ黒を超えた黒に新たなる光を与える時だ。闇よりも深いあの球体に休暇を与えるときが来たのだ。集まり、圧縮し、現れよ!もはやこの世界すらも凍らせてはみまいか?宿れ!チェンジングアイス」
雪梛が詠唱を終えた瞬間に今までよりも冷気が格段に増した氷の剣ができた。
雪梛は納刀せずに居合いの構えをしてその状態で今までで一番練った炎熱系統魔法を刀に纏わせた。
雪梛の刀が真っ白に神秘的に輝き刀身が普段の2倍以上になった。
「複数の次元をその身に刻め。マイ モウティッドメンショナル ブレイク ソード」
雪梛は刀を闇球体に向かって一振りした。
シュン ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
今までよりもはるかに高威力のブレイクにふさわしい威力であった。
闇球体を中心点として爆音が鳴り響いた。
一帯が真っ白に光って誰もが終わったと思いながら光が止む時を待った。
光は少し経つとやんで全員は闇球体があった場所を見た。
「は?」
雪梛は思わず声を出してしまった。
なんと闇球体が防ぎきってしまったのだ。
「流石は未知の物体ねー。死んだかとおm」
「時はきた。今こそ破壊してやろう」
珍しく雪梛が少しキレ気味に言った。
「なんかちょっとやばくない?」
光奈が現状をすぐに把握して全員を少し離れに避難させるように立ち回った。
雪梛は流体で闇球体に接近しながら潜在能力を解放させてミカエルを発動して中に入っていった。
「面白すぎるわね。これは見ものだわ」
香澄がそういうと闇球体から大量のしかし静かな刃の音が聞こえた。
パパパパパパ…
「観察眼で中が見えるわよ。流石にこの動きは私たちの理解を超えているけれども」
香澄は苦笑いしながら言った。
静樹と朝月は観察眼で観たが訳がわからないと言った様子であった。
そして雪梛がキレてから5分後、闇球体が破壊されて中から雪梛が出てきた。
「お疲れさんね。そういえば潜在能力解放状態は数十秒が限界じゃないのかしら?」
「今の一瞬でかなり成長したからね解放率をどんどん下げていっただけだよ」
雪梛はスッキリしたようで満足そうに戻ってきた。
「闇魔法をは未知だったんだっけ?もう内部構造がわかったよ」
まあ闇魔法は全てを無にからこそ未知であったのにその中に5分もいて更には破壊もしてきたのだから雪梛なら十分すぎる情報源となったのだろう。
「面倒だからここで解説でもしようかな。聞きたい人はこっちにきて」
少し離れた場所にいた集団が雪梛の元へ行った。
「じゃあ闇魔法の内部構造について話すね。あの闇魔法は触れたものを全て無に帰すと言われていたのだろうけどあながちそれは間違いではなかったね。中に入った瞬間に全方位からのすごく小さい物質に攻撃を仕掛けられてんだよね。つまり中に入ったものを何かで大破させてそれで無に帰していたという訳だね。ちなみに中にいた何かはそれほど強くはなかったかな。でも継続的にかなりのペースで攻撃をしてきていたから私みたいな変な技じゃなきゃまず破壊は不可能かと考えるのが妥当だね。そしてなぜさっきの私のマイ モウティッドメンショナル ブレイク ソードで破壊ができなかったかに関しては爆発の開始地点を闇球体内部にしてしまったことが原因と考えられるね。内部から爆発を開始しようとすると最初の一番弱いところで相殺されてそれで最高火力まで持っていけなかったから破壊が不可だったと考えられるね。まあ普通に外を開始地点にすれば破壊は可能かもしれないけどこの星が壊れちゃ意味ないからね。そんなところかな」
「なるほどね。つまり内部にはちっちゃいそれなりに強いのがめちゃめちゃいてそいつに破壊されていたというわけね」
流石は香澄だ。すぐに要約してくれたようだ。
「これは素晴らしい発見ねー。私もこればかりは動かないといけなさそうねー」
静樹がどこか面倒そうに言った。
「何か仕事があるのかしら?」
香澄と雪梛は知らないが他の全員は知っているようだ。
「会長が会長と呼ばれいる理由だな。この世界には魔法協会というものがあってそこで日々魔法の危険性や新しい実用性についてやっているんだけどそこで会長をやっているからだな。魔法には複数の系統があるだろ?その系統の研究責任者には会長という役割が当てられているんだ。そこで会長は闇系統魔法の責任者となっているわけだ。雪梛はこれから本部の方に行って会長と共に闇魔法について話さないといけないというわけだ」
深雪がわかりやすく教えてくれた。
つまりこの世界で魔法に対して進展があったらそこの会長と共に本部に行って報告せねばならないというわけだ。
まあ急に転移魔法が暴発でもしたらたまったもんじゃないからその機構は納得のいくものであったようだ。
というわけで静樹と雪梛と香澄は本部へ行くこととなってしまった。
「また会おうね」
「いつでも待ってるぜ」
別れの挨拶を軽く済ませて三人は本部へと向かった。
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