雪梛の一閃

雪梛

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魔王討伐編

ブーメランはまたも忘れられてる

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初雪はつゆきに案内された場所はただの広い草原であった。
「この世界にもこんな場所があるんだね。なんか毎回あるから因果でもあるのかな」
「ここで何をするのかしら?もしかして呪文?」
見事に香澄かすみに言い当てられてしまったようだ。
「その通りだよ。まあここで呪文の練習をするというのは簡単な考察から出せるんだけどね。まあそこは一旦おいておいて、大技をやろうと思おうよ」
ついにロマン技を練習する時が来た。
とりあえず今回は初雪が先導してやってくれるようだ。
「本当は詠唱を考えたいところなんだけど前に話した通り無詠唱でも使えるからとりあえずそれでやってみて。雪梛は氷、香澄は炎かな」
二人は適度に離れてまずは雪梛せつなからやるようだ。
雪梛は手を目先の地面に向けて発動を開始した。
「…………………死ね」
ピキーン
かなり広範囲が凍った。
「怖ー。めちゃめちゃ怖かったよ今の声色。なんか恐怖とも殺気とも捉えられない怖すぎる雰囲気を出していたよ」
初雪が少しだけ顔を青くしながら言った。
「じゃあ次は私ね。炎の粒子よ。我が呼び声に応えよ。騒騒しいほど熱く応えよ!目の前の有機物、無機物、どんなものすらも焼き尽くせ!回れ、回れ、回れ。我が望むは熱き呪文。地をも溶かすほどの熱き呪文よ!この赤で貴方の視界と心を染めるわ。燃え上がれ!フレアチックファイアァァ!」
香澄の叫びと共に手から極大の熱球体を生成して銃弾のように発射した。
ピューン ドカーーーーン!
爆音と爆風を起こしながら香澄のフレアチックファイアは地面に激突した。
音が鳴りやんで着弾点を確認するとなんかでっかい穴が空いていた。
「すっごい威力だね。もう私と同等じゃないかな?」
「最高ね。これは是非とも極めたいわ」
あんな大技を発動したにも関わらず二人は全く疲労感をかんじていなさそうだ。
「どうしたらそんなに詠唱文言がスラスラ出てくるの?もしかして中二病?」
「たまたまよ。それにもはや中二病の域を超えているわ。なぜならそいつらが考えているようなことを私たちは実際にやっているんだもの」
なんだかうまく言いくるめられて気がしたが雪梛はいったん言及をやめた。
「そしたら勝負しようよ。私は氷の塊を生成するから」
「いいわね。そういえば魔法使い編では魔法勝負をしなかったからちょうどいいわ」
二人はそういうと向かい合ってお互いに手を向けて詠唱し始めた。
「膨張し続ける宇宙の寒さよ。我が願いにより今ここに顕現せよ。熱源との対戦には不服のなき支援をせよ!集まり、留まり、停まれ。我が望むは限界を超えた冷気。我の器に収まる限りの冷気をここに収めよ。この透き通った氷の後には 貴方は何をみているかな。通れ。グレストアイス」
「燃え続けるコアよ。その熱さを我に与えよ。保たれたる温度を我に与えよ!終末は来たれり。我が望むは万物をも溶かす熱。上がり続けるこの高揚感をも燃やす温度をここに示せ!この赤より赤い気体の後には 貴方は何をみているかな。防げ!フィビアスウォォォル!」
二人の詠唱が終わると同時に雪梛の頭上からは巨大な透き通った綺麗な氷が香澄に向かって放たれ、香澄は目の前に超分厚く熱い壁を生成して氷との対峙を開始した。
ドカーーーーン!
あまりの温度差に巨大なエネルギーを発生させてぶつかり合った。
雪梛の氷が炎の壁をだんだんと侵食していってるようだ。
香澄は炎熱系統魔法を発動させて援護に入った。
雪梛は流体無焦点で氷に飛び乗り流体拳で氷を急速に加速させた。
香澄は冷や汗をかきながらミカエルを発動して炎の壁を突破してきてしまった氷に対して空破斬を発動させた。
しかし氷の勢いは止まることなく未だ香澄に向かってきている。
香澄は思い出したかのように、ブーメランを取り出して炎呪文を可能な限りかけて流体無焦点で投げた。
ブーン シャキーン
「え?」「は?」
2人は想定外の威力に思わず声を出してしまった。
何と香澄の投げたブーメランがいくらかなり消耗していたとは言え雪梛の氷を破壊してしまった。
「こんな力が出るなんてさすがにヤバすぎないかしら?」
「本当に1回検証してみないとね」
2人は今回の戦いでかなりの収穫を得られたので初雪とともにとりあえず一旦帰ることにした。
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