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第一部
《第一章》気になる噂話
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龍の形をしたサン・ドラーグナ大陸には、変わった部分がある。
ちょうど龍の前足に位置する場所にある、円形の島だ。
その様子はまるで、龍が大事そうに宝玉を抱えているかのように見えた。
「ーーあるいは、そこに邪神を封じ込めたのかもしれない。長い年月の間、この島に立ち入ることは禁忌とされていた。それを破ったのが、僕の先祖さ」
アイオニアン王国は、緑豊かな島国である。森林が多く、ラフォルテ王家の城の裏手にも深い森がある。
一方で、表通りは城下町らしい賑わいを見せていた。
そんな町の一角にある酒場で、一人の若者が熱弁を振るっていた。
「だから、あいつは呪われてる。でなきゃ、あんな醜い姿のはずがないよ。あれで僕と同じ血が流れてるだなんて、全くおぞましくって考えたくもないね」
もう何度目かの台詞を繰り返し、若者はよく冷えたカナ酒を一気に飲み干す。
栗色の髪に、碧眼という、アイオニアンにはごくありふれた容姿である。
刺繍をふんだんにあしらった上等そうな服に身を包んでいるが、気品はあまり感じられない。
若者は酔い潰れたのか、テーブルに突っ伏して眠ってしまった。
少し離れたテーブルにいたファイン・スレーブは、カウンターにいる酒場の主人を呼んだ。
「あれと同じ赤色の酒を一杯くれないか?」
若者のいたテーブルを指さしながら言うと、主人はすぐにカウンターへ引き返した。
ファインは葉巻を吸いながら、酒が来るのを待った。肩の辺りまで伸ばした髪に、顎にはうっすらと不精ひげ。
それは面倒臭いからというだけでなく、三十歳半ばの妻子持ちというふうには到底見えない童顔をごまかすためでもあった。
「どうぞ」
差し出された酒を一口飲み、ファインは思わず顔をしかめた。
「何だ、やけに甘い酒だなあ」
冷やしてなかったら、とても飲めた味ではないだろう。主人はファインの様子を見て、にやりと笑った。
「旦那、この辺りの人じゃないね。これはカナの実から作った酒でね。酸っぱいカナの実も、発酵させると甘みが出るんでさあ」
「へーえ」
ファインは改めて、グラスに注がれたカナ酒を眺めた。暗い照明の下で、カナ酒は血のように濃い赤色をしていた。
ふと、先ほどの若者の話を思い出す。
「呪われた血がどうのって、いったい何の話だ?」
思わず呟いたファインに、主人はぎょっとした顔をした。慌てたように、さっきの若者の方を見る。若者はまだぐっすりと眠っていた。声をひそめながら、主人は尋ねる。
「旦那、本当にこの辺りをご存じでないんですか?」
ファインは苦笑しながら頷いた。栗色の髪に同系色の瞳という容姿は、異国へ行ってもほとんど目立たない。
ファインにとっては好都合だったが、ここまで違和感を持たれないというのも、何だか空しかった。
「あの御仁はラフォルテ王家のアルペジオ王子でねえ。たまにこの酒場に来ては、ああやって弟のオルタード王子の悪口を言うんです。まあ確かに、オルタード様には人と異なる特徴がおありだが・・・・・・」
主人は最後の方の言葉を濁した。あれが王子ねえ、とファインは呆れたように笑う。
主人が、弟王子にだけ敬語を使うのも、少し分かる気がした。
主人はファインの顔をじろじろと眺め、大きくため息をつく。
「その様子じゃ、オルタード様の話も知らないのかねえ」
「さっきの--アルペジオ王子ってのも、おぞましいだの醜い姿だのって言ってたな。原因は呪いがどうとかって」
「オルタード様のお姿が、この島に入ったご先祖の過ちのせいだってんなら、あっしらだって同罪ですぜ。それをオルタ-ド様が一人で罪を被ることになられたんじゃ、あんまりってもんだ。まだ十代半ばのお若さだってのに」
主人の言葉に、ファインは苦笑する。
ファインの祖国・パルシブは、大陸の中で最も科学文明の発達した国である。
聖龍に対する信仰も他国に比べて極端に浅い。主人やアルペジオの言う罪や呪いの話は、ファインにとって迷信としか思えなかった。
実を言うと、オルタード王子の噂は他の町でも聞いたことがあった。
しかし、呪われているという話を聞いたのは、初めてだった。ラフォルテ城に近づくほど、噂の内容は微妙に変化していったのだ。
ーーオルタードに対する人々の心情も。
「同情、畏怖、畏敬ーーどれも、あまりいい気はしねえな」
酒場の主人に聞こえないようにそう呟き、ファインは血の色をしたカナ酒をあおった。
◇
「なるほど、例の噂は順調に広まっているようですねえ」
眼鏡の縁を指で押し上げながら、彼は薄く笑った。アルペジオの教育係だという、ファインより少し若い三十歳くらいの男だ。
けれど眼鏡の奥の瞳には、全く生気が感じられない。じっと見ていると吸い込まれそうな、深い闇色だ。
「まだ城の周辺程度だがな。それに、言っちゃ悪いが、あんたの王子様はすこぶる評判悪いぜ?」
ファインは男の手引きでラフォルテ城の一室に入り込んでいた。不審に思われないよう、 世話係の衣装を借りている。
顎の不精ひげまで剃られたため、ファインの機嫌はかなり悪い。ひげのないファインは、とても三十代には見えなかった。
「これから良くなりますよ。貴方さえちゃんと仕事をこなして下さればねえ」
男は冷ややかな笑みを浮かべた。ファインに今回の仕事を依頼してきたのは、この男である。
契約とはいえ、とうてい好感を持てそうな相手ではないことを、二人は互いに自覚していた。
「継承権から遠い弟王子をわざわざ殺すってのには、何の意味があるわけ?」
契約内容は、先ほど初めて聞かされた。暗殺の依頼だと予想していたが、腑に落ちない点はある。
そもそも依頼相手が、何を考えているのか分からない狡猾そうな男なのだ。
「貴方、町で噂を聞いたのではなかったですか? オルタード王子の、人と異なる姿」
「まあ、何となくは」
「それを聖龍の生まれ変わりだと本気で信じる輩もいるのですよ。不安の芽は早いうちに摘み取らないとねえ」
アルペジオ・ラフォルテには二人の兄と二人の弟がいる。他にも腹違いの姉や妹も何人かいるが、王位継承権はない。王位にもっとも近い第一王子は、武勇の誉れが高かった。それ故に自ら戦場に赴くが多く、不運にも若くして戦死した。第二王子は英知に長けていたが、ある日突然重い病にかかり、とても王位につける状態ではなくなった。つまり、今やアルペジオは継承権に最も近い人間であった。
彼が王位に就くのに、障害はないかのように見えた。―すぐ下の弟・オルタードという存在を除いては。
「あくまでも自然にお願いしますよ。もし失敗した場合、貴方自身の命の保証も出来かねます」
「自然に、ねえ。偶然も三度重なれば、かえって不自然だっての」
部屋を出たファインは、思わずため息をついた。
国王が亡くなってから、すでに半月が経つ。しかし王位は未だ、宙に浮いていた。
それというのも、王位継承者として有望だった王子二人が、相次いで不運に見舞われたからだ。アルペジオを王位に就けようとする一派の差し金ではないかと、疑わずにはいられない。
「まあ、他国出身の俺が口を出す問題じゃねえが」
脳裏に浮かぶのは、祖国に残してきた妻と子供。今度の仕事が成功すれば、一生養っていけるだけの報酬が手に入る。もう離れて過ごすこともない。ファインは懐に忍ばせた拳銃にそっと手を触れた。
今度のことで他国出身のファインが雇われたのには、理由があった。
ファインの祖国・パルシブは攻められればひとたまりもない、小さな都市国家である。大陸で唯一、科学文明を持つパルシブは、拳銃などの武器が国外に流出するのを極端に恐れた。製造方法はもちろん、使用方法すら他国の人間には教えない。
ただし、科学技術を欲している周辺の国に攻め入られないように契約を結び、保護を受ける見返りに、その国で拳銃が必要になれば、パルシブの人間を派遣していた。
今回のオルタード暗殺には、拳銃がいるのだという。ーーしかし、その理由までは聞かされなかった。
ちょうど龍の前足に位置する場所にある、円形の島だ。
その様子はまるで、龍が大事そうに宝玉を抱えているかのように見えた。
「ーーあるいは、そこに邪神を封じ込めたのかもしれない。長い年月の間、この島に立ち入ることは禁忌とされていた。それを破ったのが、僕の先祖さ」
アイオニアン王国は、緑豊かな島国である。森林が多く、ラフォルテ王家の城の裏手にも深い森がある。
一方で、表通りは城下町らしい賑わいを見せていた。
そんな町の一角にある酒場で、一人の若者が熱弁を振るっていた。
「だから、あいつは呪われてる。でなきゃ、あんな醜い姿のはずがないよ。あれで僕と同じ血が流れてるだなんて、全くおぞましくって考えたくもないね」
もう何度目かの台詞を繰り返し、若者はよく冷えたカナ酒を一気に飲み干す。
栗色の髪に、碧眼という、アイオニアンにはごくありふれた容姿である。
刺繍をふんだんにあしらった上等そうな服に身を包んでいるが、気品はあまり感じられない。
若者は酔い潰れたのか、テーブルに突っ伏して眠ってしまった。
少し離れたテーブルにいたファイン・スレーブは、カウンターにいる酒場の主人を呼んだ。
「あれと同じ赤色の酒を一杯くれないか?」
若者のいたテーブルを指さしながら言うと、主人はすぐにカウンターへ引き返した。
ファインは葉巻を吸いながら、酒が来るのを待った。肩の辺りまで伸ばした髪に、顎にはうっすらと不精ひげ。
それは面倒臭いからというだけでなく、三十歳半ばの妻子持ちというふうには到底見えない童顔をごまかすためでもあった。
「どうぞ」
差し出された酒を一口飲み、ファインは思わず顔をしかめた。
「何だ、やけに甘い酒だなあ」
冷やしてなかったら、とても飲めた味ではないだろう。主人はファインの様子を見て、にやりと笑った。
「旦那、この辺りの人じゃないね。これはカナの実から作った酒でね。酸っぱいカナの実も、発酵させると甘みが出るんでさあ」
「へーえ」
ファインは改めて、グラスに注がれたカナ酒を眺めた。暗い照明の下で、カナ酒は血のように濃い赤色をしていた。
ふと、先ほどの若者の話を思い出す。
「呪われた血がどうのって、いったい何の話だ?」
思わず呟いたファインに、主人はぎょっとした顔をした。慌てたように、さっきの若者の方を見る。若者はまだぐっすりと眠っていた。声をひそめながら、主人は尋ねる。
「旦那、本当にこの辺りをご存じでないんですか?」
ファインは苦笑しながら頷いた。栗色の髪に同系色の瞳という容姿は、異国へ行ってもほとんど目立たない。
ファインにとっては好都合だったが、ここまで違和感を持たれないというのも、何だか空しかった。
「あの御仁はラフォルテ王家のアルペジオ王子でねえ。たまにこの酒場に来ては、ああやって弟のオルタード王子の悪口を言うんです。まあ確かに、オルタード様には人と異なる特徴がおありだが・・・・・・」
主人は最後の方の言葉を濁した。あれが王子ねえ、とファインは呆れたように笑う。
主人が、弟王子にだけ敬語を使うのも、少し分かる気がした。
主人はファインの顔をじろじろと眺め、大きくため息をつく。
「その様子じゃ、オルタード様の話も知らないのかねえ」
「さっきの--アルペジオ王子ってのも、おぞましいだの醜い姿だのって言ってたな。原因は呪いがどうとかって」
「オルタード様のお姿が、この島に入ったご先祖の過ちのせいだってんなら、あっしらだって同罪ですぜ。それをオルタ-ド様が一人で罪を被ることになられたんじゃ、あんまりってもんだ。まだ十代半ばのお若さだってのに」
主人の言葉に、ファインは苦笑する。
ファインの祖国・パルシブは、大陸の中で最も科学文明の発達した国である。
聖龍に対する信仰も他国に比べて極端に浅い。主人やアルペジオの言う罪や呪いの話は、ファインにとって迷信としか思えなかった。
実を言うと、オルタード王子の噂は他の町でも聞いたことがあった。
しかし、呪われているという話を聞いたのは、初めてだった。ラフォルテ城に近づくほど、噂の内容は微妙に変化していったのだ。
ーーオルタードに対する人々の心情も。
「同情、畏怖、畏敬ーーどれも、あまりいい気はしねえな」
酒場の主人に聞こえないようにそう呟き、ファインは血の色をしたカナ酒をあおった。
◇
「なるほど、例の噂は順調に広まっているようですねえ」
眼鏡の縁を指で押し上げながら、彼は薄く笑った。アルペジオの教育係だという、ファインより少し若い三十歳くらいの男だ。
けれど眼鏡の奥の瞳には、全く生気が感じられない。じっと見ていると吸い込まれそうな、深い闇色だ。
「まだ城の周辺程度だがな。それに、言っちゃ悪いが、あんたの王子様はすこぶる評判悪いぜ?」
ファインは男の手引きでラフォルテ城の一室に入り込んでいた。不審に思われないよう、 世話係の衣装を借りている。
顎の不精ひげまで剃られたため、ファインの機嫌はかなり悪い。ひげのないファインは、とても三十代には見えなかった。
「これから良くなりますよ。貴方さえちゃんと仕事をこなして下さればねえ」
男は冷ややかな笑みを浮かべた。ファインに今回の仕事を依頼してきたのは、この男である。
契約とはいえ、とうてい好感を持てそうな相手ではないことを、二人は互いに自覚していた。
「継承権から遠い弟王子をわざわざ殺すってのには、何の意味があるわけ?」
契約内容は、先ほど初めて聞かされた。暗殺の依頼だと予想していたが、腑に落ちない点はある。
そもそも依頼相手が、何を考えているのか分からない狡猾そうな男なのだ。
「貴方、町で噂を聞いたのではなかったですか? オルタード王子の、人と異なる姿」
「まあ、何となくは」
「それを聖龍の生まれ変わりだと本気で信じる輩もいるのですよ。不安の芽は早いうちに摘み取らないとねえ」
アルペジオ・ラフォルテには二人の兄と二人の弟がいる。他にも腹違いの姉や妹も何人かいるが、王位継承権はない。王位にもっとも近い第一王子は、武勇の誉れが高かった。それ故に自ら戦場に赴くが多く、不運にも若くして戦死した。第二王子は英知に長けていたが、ある日突然重い病にかかり、とても王位につける状態ではなくなった。つまり、今やアルペジオは継承権に最も近い人間であった。
彼が王位に就くのに、障害はないかのように見えた。―すぐ下の弟・オルタードという存在を除いては。
「あくまでも自然にお願いしますよ。もし失敗した場合、貴方自身の命の保証も出来かねます」
「自然に、ねえ。偶然も三度重なれば、かえって不自然だっての」
部屋を出たファインは、思わずため息をついた。
国王が亡くなってから、すでに半月が経つ。しかし王位は未だ、宙に浮いていた。
それというのも、王位継承者として有望だった王子二人が、相次いで不運に見舞われたからだ。アルペジオを王位に就けようとする一派の差し金ではないかと、疑わずにはいられない。
「まあ、他国出身の俺が口を出す問題じゃねえが」
脳裏に浮かぶのは、祖国に残してきた妻と子供。今度の仕事が成功すれば、一生養っていけるだけの報酬が手に入る。もう離れて過ごすこともない。ファインは懐に忍ばせた拳銃にそっと手を触れた。
今度のことで他国出身のファインが雇われたのには、理由があった。
ファインの祖国・パルシブは攻められればひとたまりもない、小さな都市国家である。大陸で唯一、科学文明を持つパルシブは、拳銃などの武器が国外に流出するのを極端に恐れた。製造方法はもちろん、使用方法すら他国の人間には教えない。
ただし、科学技術を欲している周辺の国に攻め入られないように契約を結び、保護を受ける見返りに、その国で拳銃が必要になれば、パルシブの人間を派遣していた。
今回のオルタード暗殺には、拳銃がいるのだという。ーーしかし、その理由までは聞かされなかった。
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