覗かれて

覗かれて

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「言いにくいのですが」と前置きをしてから「部屋を盗撮したのも、動画を送りつけているのも、文雄君です」と言った。
普通に考えればそうなる。
文雄も俺も別の者に脅されているとは考えない。
俺は少し考えて、「そうなんだ」と言った。
勇樹はその答えに驚いていた。
「年下の恋人が盗撮して動画を送りつけているのに、なんで落ち着いてられるんですか？」
俺は考えながら、そして、狼狽えながら言葉を一つ一つ口に出した。
「文雄は恋人ではない」
「俺は文雄に脅されてる」
「昨日の行為も脅されてした」
と語った。
勇樹は呆気に取られていた。
「昨日も勇樹が眠ったので、体を要求された。弱味を握られているから従うしかないんだ」と困ったように話した。
(これで俺の性の対象が男だとバレた事が覆ったか？文雄に脅されて仕方がなくのことだった。と言える)
これだとこれまで通りの関係を続ける上で、少し格好がつく。
頭の中が混乱した。(いやいや、あくまで性の対象は男だが、文雄は恋人ではない。好きなのは勇樹、お前だ。とすべきなのか？)