覗かれて

ザボン

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勇樹は暗い部屋にはいると収録装置の電源を入れた。窓は常に隙間程度開いている。小型モニタが薄暗く光るが、周りが暗いので良く見える。
「今日のオカズも僕かな」と呟きながら様子を見た。
いつも通りオナニーが始まりそうなのでRECを始めた。
晴彦のぺニスは既に最大限に勃起していた。
それをシゴきながら、トロンとした顔をしている。ぺニスは長めで、亀頭が大きい。濃い陰毛がヘソや太ももまで拡がっている。
なかなかヤラしい股間である。
そこまで鮮明に確認できるのは、僕の勤め先であるタカヤマ電機は、AV機器を製造しているメーカーなので、小型カメラに高倍率レンズをつけて、さらに高性能マイクで音を拾うなどは簡単なことだからだ。
しかも、機材も安く集められた。
カスタマー課の営業に配属されたが、ようは修理品受付対応で、クレーム客の対応がメインだ。もともとソフトウェアの開発がしたくて入った会社だったが、ソフトウェアを開発する上での僕の思想が、会社の方針と食い違っていた。
さっさと転職しようと思っていたときに、トイレの小窓から何気なく外を見た。
隣のマンションのお兄さんが、テレビの前でオナニーを始めたことに気づいた僕は、機材を揃えて、収録をはじめた。ほぼ毎日している。冬の間は窓は締め切られていた(それでも透明なので良く見える)が、良い気候になると、窓を開けてやってくれた。
二階だし、窓から見える景色は隣のマンションの壁だから油断しているようだ。隣のマンションの壁についている小さな窓が、少しだけ開いていても気にならないだろう。そこから目立たないようにレンズとマイクがその部屋をとらえていた。
もう半年も続けており、ようやく準備が整ったのでコーヒーショップで接触をしてみたのだ。こんなにうまくいくとは。
この半年で、佐藤晴彦という名前とアサカ電器に勤めていることは既に突き止めていた。ターゲットとして調べ始めたとき、僕は有給をとって、朝、尾行したのだ。その時コーヒーショップに寄ることも、アサカ電器のビルに入っていくのも確認できた。
大学の同級生でアサカ電器に就職したやつを探した。そして友達を伝い、そいつに接近した。
同じ業種の営業だったので、意気投合し二人でのみに行くまでになった。
「今度会社の女の子誘うから、お前の会社のやつらを誘って飲まないか?」昔流行った合コンというものだ。
会社の女子には根回し済みだ。
合コンは盛り上がり、そのグループで休日に遊びに行くようになった。そして何気ない話から佐藤晴彦は営業で、27才というところまでは把握していた。

映像を見ながらヘッドフォンで聞いている。
あえぎ声とともに「あぁ、勇樹。そんなところ触るなよ。気持ちいいじゃないか。そんな俺のペニスを、あっ、勇樹、勇樹のもしゃぶらせろ」と、ハッキリと聞き取れる。また、「やっぱりこのモデル、勇樹に似てるよな」と言いながら、一時停止をして画面を触ったり自分のペニスを押し付けたりしている。「こんなところ人に見られたら、俺なら二度と外を歩けないな」と僕はマイクを気にしながら呟いた。

(覗き)をしていると、オナニーだけではなく、いろんな情報がはいる。
チームエルバのファンで、試合に行かれず悔しがっていた事も知っていた。
なので、ネットで1万円もする限定キーホルダーを買ったのだ。チームエルバの事も話ができるように調べた。

ここまで準備をしてるので、絶対に晴彦をモノにしたい。
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