Men's Island

ザボン

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しばらく宇佐美は動かなかった。
木にしがみついている手が限界に達していた。誰も来るようすがないことを確認してから俺は木から降りていって、「宇佐美君」と声をかけた。
「ゴメン、助けてあげられなくて」と俺は謝った。「いいんです、どうせ昨日、田中と兵藤にほ、掘られたし、1度も2度もか、かわ、かわらな、クッー」宇佐美はそこで我慢しきれずに泣き出した。
俺は肩を抱いて、「ロッジが見下ろせる場所を探しに行こうぜ、多分神藤と河井君とも会えるよ」そういって坂を登り始めた。
ロッジを見下ろせる方角は決まっていたので、それを気にしながら上って場所を探してると、「ガサッ」となにかが動く音がした。
(敵か?猿か?)俺は身構えたが、そこには体育座りをして膝に顔を埋めている神藤がいた。
神藤の背中には③とマジックで書かれていた。

俺は神藤に駆け寄り「大丈夫か?」と聞いた。
すると、「やられたよ、ケツの穴、痛てーな。辛いカレー食ったあととは全然違うよ」と涙をためた目で俺を見た。
俺たちは3人で小声で情報交換をした。
「これはなんかのゲームなんだろうか?俺たち4人が標的で」と神藤がボソッと言った。自分が標的として参加させられている事をまだ信じたくない。と思っているようだ。
「このゲームは日韓合同のようだな、日本語と多分韓国語が入り乱れてた」と俺は言った。宇佐美からは「夕方の6時までにあと2人捕まえられるかって言ってた」と言う情報だ。
「じゃあ6時まで逃げ切れば良いのかな?」時間は分からないが太陽が西に傾き出す頃だろう。「いや、俺が聞いたのは3人とも種付すんだら、そのあとは捕獲する、と言っていた」
敵は3人組で、三人とも別の獲物に種付して、それが終わったら次からは獲物を捕獲するというゲームらしかった。
「でも、あいつら3人組で、こっちも今3人だ。俺たちがまとまって居れば対等に戦えるし、河井が合流できれば4人対3人で俺たちの方が有利じゃないか?」と俺は言った。
宇佐美は「それはそうですね。でも多分使えるのは1度だけで、俺らがまとまって抵抗したら、奴等も別の組と手を組みますよ、二組の6人で来られて、俺たちは全員、その中の2人に種付されます」と冷静に分析した。するとまた「ガサガサ」と藪が揺れた。
俺たちが身構えると藪の中からハァハァ言いながら河井が這いながら出てきた。
河井の背中には③と②の数字が書かれていた。
河井は顔を見ると、宇佐美に抱きついて泣いた。
「ご、ゴメンよ。昨日の夜、犯されたって言う宇佐美を信じなくって」と言った。
自分が犯されてその辛さ、悔しさを実感したのだろう。
「もういいよ、昨日は自分でも夢だったんだろうって最後は納得してたんだから」宇佐美は唇を噛みながら言っていた。
神藤も「俺も、ゴメンな」と俺に謝った。
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