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結局、3人と合流出来たのは一時間もしてからだ。
俺たちは急いで坂を下った。
途中で船着き場が見えたが、船はすでにいなかった。
途中で上がってくる二階堂と合った。
「急いで船着き場に行ったが、すでに船はいなかった」と二階堂が俺に言った。
「クッソー、でも誰かがこの島に来たって事だよね、その人を探せば本土に連絡取れるよね」と田中が言った。
「でもさ」宇佐美が考えながら話し出した。
「この島は貸し切りなんでしょ、トリケラ田嶋に。今まで服や荷物全部とられて手拭いも溶けてロッジにも入れないのだから、その船では俺たちのように騙されて来た人か、敵が来たって考えるべきじゃないですか?」
なかなか冷静だ。
俺は考えて「宇佐美君の言う通りかもしれない。まずは敵と考えた方が良いな」と言った。
そして「見た船は俺たちが乗ってきた船よりかなり大きかった。人数も多いかもしれない」と報告した。
「どちらにしろ今頃、しきたりに従って露天に入っている頃だ。そしてロッジの物置に居るのは危ない」となって急いで物置に戻り、少しだけ残っていた缶詰をもって、藪の中へ入って行った。
30分も進むと少し開けた場所に出て「とりあえずここで休もう」と俺は言った。しかし二階堂、三郷、田中、兵藤の4人はどこにもいなかった。
「まじか、年上チームとはぐれた」神藤が言った。
「もしも上陸したのが敵なら、8人でまとまっていた方が良いのにな」と宇佐美が言った。
もっともだ。
そして「あっ、残ってた缶詰も、三郷が持ってたじゃん」と河井が真っ赤な顔をして言った。
すると「⚪×△×⚪×△×」と、何語か分からない言葉を怒鳴りあっている人の気配がした。
俺たちは「しぃっ」と言って藪に身を潜めた。
じっとしていると、そのわからない言語は段々と遠ざかって行った。
「なんだ、あいつら!」俺は小声で言った。
「おれ達を探してるのかな?」と神藤も怯えながら言うと「韓国語ですね」と河井が言った。
「え、韓国語なの?言ってる意味わかるの?」と俺は河井に聞くと、「俺、韓流ドラマ見るので少しわかるくらいなんですけど、゙日本人どこ行った"と言いながら多分卑猥な言葉を叫んでいたと思います」と答えた。
「ひ、卑猥なことば?」と俺はちょっと意外だったので聞き返すと「こいつ、韓流ドラマじゃなくて“韓国のエロサイトは無修正だっ”て、しょっちゅう見てるんです」と宇佐美が暴露した。
河井は宇佐美に文句を言っている。あいつら俺たちを見つけてなにする気だ?
少し怖くなった。
「二階堂さん達、大丈夫だったかなぁ?」と神藤が言うと、「その事なんですけど」と宇佐美がオズオズと喋りだした。
「今朝、河井には言ったけど」と前置きすると、「あの夢見た話か」と河井が茶々をいれた。
「なんだよ、宇佐美君に話させろよ」と俺が文句を言うと、宇佐美は続けた「俺、夜中に田中さんと兵藤さんに犯されたかもしれない」
俺と神藤は顔を見合わせた。
「お前、だから夢だって。さすがにそんなこと無いだろ」と河井が言うのを遮り「俺も二階堂と三郷に犯された、と思う」と言った。
そして「ケツの穴が痛いって朝訴えたが昨日のカレーのせいだろって、笑われた。3人に」そういって俺は神藤をみた。
神藤は「え、お、俺?」と狼狽えていた。
もう一人狼狽えていたのが河井だ。「昨日のカレーだろって、確か田中が言い出した」とボソッと言った。
「こっちは三郷だ」俺は放心状態で、しかし確実に思い出して言った。
「物置では二階堂が水を配ってたよな。缶詰と水の夕飯が終わったら、急に眠気がさしたんだ。腹一杯になったからかとも思っていたが、夜中異変で目が覚めたら、、」と言うと、宇佐美が「目が覚めたら手足が痺れて動けなかった」とその続きを話し、俺の方を見たのでうなずき「俺はてっきり板の床に寝てたので手足が痺れてるのかと思い込んでいた」と言った。
「韓国人が卑猥な事を言いながら俺らを探してる。俺らはゲイの獲物なんじゃないか?あの4人もグルで」と神藤が言い出した。
「でも、あいつらも服や荷物隠されて全裸だよ、自分で好き好んで全裸で過ごすかなぁ」と河井は言った。
「露出狂」
俺は頭に浮かんだ単語を言葉にしていた。
その言葉に3人とも納得をして同調した。
「そう言えば、脱衣場から温泉に向かうとき、最後に出てきたのは二階堂と田中だった」と宇佐美が言った。「そうか、最後にでるとき鍵の細工をして、自分達がでて閉めると鍵が掛かるようにしたんだ」と河井は言って悔しがっている。
「クソッ、田中が規格外のぺニスを恥ずかしがってなかなかパンツを下ろさなかったのは、二階堂と最後まで脱衣場にいる芝居だったんだ!」と、俺もそのあとは躊躇せずにブランブラン見せびらかしていた(訳ではないが)田中の行動を理解した。
「これからの事を考えよう。ミステリーツアーだから、これがイベントの内容だっ、と言われてしまえば、言い返せないが、2泊3日はちゃんと案内に書いてある。だから明日迎えの船は来るはずだ」と宇佐美が言った。こいつはやっぱり頭が良いかもしれない。
「じゃあその時のために船着き場の近くに隠れてた方がいいな」と神藤が言ったが、「いや、あいつらはロッジが本拠地のはずだ。それより上でロッジが見下ろせる場所を探した方が」と言ったとき、「⚪×△×△×⚪×」と声がして、俺たちは見つかった。
俺たちは急いで坂を下った。
途中で船着き場が見えたが、船はすでにいなかった。
途中で上がってくる二階堂と合った。
「急いで船着き場に行ったが、すでに船はいなかった」と二階堂が俺に言った。
「クッソー、でも誰かがこの島に来たって事だよね、その人を探せば本土に連絡取れるよね」と田中が言った。
「でもさ」宇佐美が考えながら話し出した。
「この島は貸し切りなんでしょ、トリケラ田嶋に。今まで服や荷物全部とられて手拭いも溶けてロッジにも入れないのだから、その船では俺たちのように騙されて来た人か、敵が来たって考えるべきじゃないですか?」
なかなか冷静だ。
俺は考えて「宇佐美君の言う通りかもしれない。まずは敵と考えた方が良いな」と言った。
そして「見た船は俺たちが乗ってきた船よりかなり大きかった。人数も多いかもしれない」と報告した。
「どちらにしろ今頃、しきたりに従って露天に入っている頃だ。そしてロッジの物置に居るのは危ない」となって急いで物置に戻り、少しだけ残っていた缶詰をもって、藪の中へ入って行った。
30分も進むと少し開けた場所に出て「とりあえずここで休もう」と俺は言った。しかし二階堂、三郷、田中、兵藤の4人はどこにもいなかった。
「まじか、年上チームとはぐれた」神藤が言った。
「もしも上陸したのが敵なら、8人でまとまっていた方が良いのにな」と宇佐美が言った。
もっともだ。
そして「あっ、残ってた缶詰も、三郷が持ってたじゃん」と河井が真っ赤な顔をして言った。
すると「⚪×△×⚪×△×」と、何語か分からない言葉を怒鳴りあっている人の気配がした。
俺たちは「しぃっ」と言って藪に身を潜めた。
じっとしていると、そのわからない言語は段々と遠ざかって行った。
「なんだ、あいつら!」俺は小声で言った。
「おれ達を探してるのかな?」と神藤も怯えながら言うと「韓国語ですね」と河井が言った。
「え、韓国語なの?言ってる意味わかるの?」と俺は河井に聞くと、「俺、韓流ドラマ見るので少しわかるくらいなんですけど、゙日本人どこ行った"と言いながら多分卑猥な言葉を叫んでいたと思います」と答えた。
「ひ、卑猥なことば?」と俺はちょっと意外だったので聞き返すと「こいつ、韓流ドラマじゃなくて“韓国のエロサイトは無修正だっ”て、しょっちゅう見てるんです」と宇佐美が暴露した。
河井は宇佐美に文句を言っている。あいつら俺たちを見つけてなにする気だ?
少し怖くなった。
「二階堂さん達、大丈夫だったかなぁ?」と神藤が言うと、「その事なんですけど」と宇佐美がオズオズと喋りだした。
「今朝、河井には言ったけど」と前置きすると、「あの夢見た話か」と河井が茶々をいれた。
「なんだよ、宇佐美君に話させろよ」と俺が文句を言うと、宇佐美は続けた「俺、夜中に田中さんと兵藤さんに犯されたかもしれない」
俺と神藤は顔を見合わせた。
「お前、だから夢だって。さすがにそんなこと無いだろ」と河井が言うのを遮り「俺も二階堂と三郷に犯された、と思う」と言った。
そして「ケツの穴が痛いって朝訴えたが昨日のカレーのせいだろって、笑われた。3人に」そういって俺は神藤をみた。
神藤は「え、お、俺?」と狼狽えていた。
もう一人狼狽えていたのが河井だ。「昨日のカレーだろって、確か田中が言い出した」とボソッと言った。
「こっちは三郷だ」俺は放心状態で、しかし確実に思い出して言った。
「物置では二階堂が水を配ってたよな。缶詰と水の夕飯が終わったら、急に眠気がさしたんだ。腹一杯になったからかとも思っていたが、夜中異変で目が覚めたら、、」と言うと、宇佐美が「目が覚めたら手足が痺れて動けなかった」とその続きを話し、俺の方を見たのでうなずき「俺はてっきり板の床に寝てたので手足が痺れてるのかと思い込んでいた」と言った。
「韓国人が卑猥な事を言いながら俺らを探してる。俺らはゲイの獲物なんじゃないか?あの4人もグルで」と神藤が言い出した。
「でも、あいつらも服や荷物隠されて全裸だよ、自分で好き好んで全裸で過ごすかなぁ」と河井は言った。
「露出狂」
俺は頭に浮かんだ単語を言葉にしていた。
その言葉に3人とも納得をして同調した。
「そう言えば、脱衣場から温泉に向かうとき、最後に出てきたのは二階堂と田中だった」と宇佐美が言った。「そうか、最後にでるとき鍵の細工をして、自分達がでて閉めると鍵が掛かるようにしたんだ」と河井は言って悔しがっている。
「クソッ、田中が規格外のぺニスを恥ずかしがってなかなかパンツを下ろさなかったのは、二階堂と最後まで脱衣場にいる芝居だったんだ!」と、俺もそのあとは躊躇せずにブランブラン見せびらかしていた(訳ではないが)田中の行動を理解した。
「これからの事を考えよう。ミステリーツアーだから、これがイベントの内容だっ、と言われてしまえば、言い返せないが、2泊3日はちゃんと案内に書いてある。だから明日迎えの船は来るはずだ」と宇佐美が言った。こいつはやっぱり頭が良いかもしれない。
「じゃあその時のために船着き場の近くに隠れてた方がいいな」と神藤が言ったが、「いや、あいつらはロッジが本拠地のはずだ。それより上でロッジが見下ろせる場所を探した方が」と言ったとき、「⚪×△×△×⚪×」と声がして、俺たちは見つかった。
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