あたしのマリオネット

ザボン

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45話

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テントに戻ると、バーベキューの片付けば大体終わっていた。
秋山は「暗くなる前に風呂行こうぜ」と言った。
管理棟と反対方向に温泉施設があるのだ。
荷物をテントにいれ、鍵をかけて、6人で温泉に向かった。
今日は男湯を覗けない。
このタイミングで伊丹に入ると、行動を知っているあたしと好美が疑われてしまう!
じっと我慢して女湯に浸かった。
温泉施設の売店であたしは酒を買った。
未成年だけど、こんなところの売店はチェックされない。
着替えが入った鞄に忍ばせて、男たちを待った。
一緒にテントに戻ると、「じゃああたしたち、寝るね」と言ってテントの明かりを消した。
電気を消すと「じゃあ、報告よろしく」と好美に言われ、あたしも「あたしの体、よろしく」と言って伊丹に入っていった。
「“また来たのかよ”」頭のなかで伊丹が言った。その言い方は、来てほしくない友達が無理に遊びに来たときの言い方だ。
あたし(伊丹)はテントの外に出ると、隣のテントから「伊丹」と小声で呼ぶ声がする。
目を凝らすと好美が顔をだしている。
「これ、差し入れ。先に寝るから男性陣で飲んで」と渡された。袋を覗き込むと酒だった。さっきあたしが買った物だ。「皆で飲もうと思って持ってきたんだけど、久仁子体調悪いからあたしも付き合って先寝るんで」と言った。「あっ、ありがとう」あたし(伊丹)は言ってテントに戻った。
「これ、好美からの差し入れ」と差し出すと、バーベキューの時からテンションが高い五十嵐と高木は「おお、飲もう飲もう」とプラコップとスナック菓子を引っ張り出していた。「俺たち未成年だからやめようぜ」と秋山が言って一瞬五十嵐と高木の動きが止まったが、すぐに「冗談だよ、飲もうぜ」と言った。あたしは少し考え、伊丹のスマホに“お前らたまに飲んでるな!”と打ち込んだ。すると「“2、3回しか飲んでない。秋山はすぐ潰れるので要注意だ”」と頭のなかで伊丹が言った。頭の中での伊丹と会話が成立した。
あたし(伊丹)は、集中的に秋山に飲ませた。
五十嵐と高木も秋山に酒をすすめ潰した。
イビキをかいて寝だすと、五十嵐と高木が二人でキスをしだした。
イケメン同士の甘いキスにあたしはうっとりしていると、「伊丹も来いよ」と誘われた。
「“ちょっと待て、行くな”」と頭のなかで伊丹が叫ぶがあたしは二人に近づいた。
五十嵐が伊丹(あたし)にキスをしてきた。「“まだ心の準備か、、”」伊丹が頭のなかで叫んだが、諦めたのかその後はなにも言わなくなった。

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