二軍バスケ部寮性活

３年の個別ご指導 春田 １

41 KYO

翌朝１年の皆が春田が起きるのを待っていた。
当然、昨夜のご指導でどんなことをされたのか、聞きたい。
また、２階の様子もどんななのか。
仲間の中で唯一２階に上がった春田が、１年の間では“時の人”なのだ。
当然、昨夜食堂で聞いた声は共有しており、また、１年の部屋で聞いたやつは居ないので、ご指導される部屋は食堂の上辺りだ。と推測しているが、それが合っているのかも聞きたい。
しかし、なかなか起きる気配がない。朝飯の時間もあるので「そろそろ起こそうぜ」と秋山が言って体を揺すった。
春田はやっと目を開き「まだ眠いんだ」とグタグタ言っている。
「春田ってこんなに寝起き悪かったか？」と俺は勇治に聞いたが、首をかしげていた。
こいつらを“自分”と思うほど親密にならないといけないのだが、実はまだ付き合いは浅いのだ。
「時間だから朝飯行こ」と言って勇治が促すので、食堂に向かった。
俺たちが朝飯を食い終わる時間ギリギリに「ヤベエ寝過ごした」と言って春田が食堂に来て、朝飯をかっこんでいた。
俺と勇治は顔を見合わせた。
「あれは絶対に俺たちと話す機会を持たないようにして昨日の事を言わないつもりだ」
俺と勇治は同じ見解だ。
普通ならひとが言いたくないことを無理に知ろうとするのは憚られるが、それは自分の事だ。知る権利も、知る義務もある。
他の１年も同意見だった。