若者たち

ザボン

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第0章◆◆◆本郷物語

#11

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チャイムがなり5時間目が始まった。
僕はまた教室の前の方で、はだか躍りをさせられていた。全裸でノートを両手にもって、股間を隠して踊るのだ。初めはクラスの半分くらいの男女が眺めていた。
そろそろこれも目新しくなくなった。最初の頃は集まったギャラリーも囃し立てていたが、みんなチラ見してスマホなどの画面に目を移動するか、友達と他の話題で盛り上がっていた。ノートをサンダルやポケットティッシュに変えたが、あまり効果がなかった。
俺のお腹がゴロゴロ鳴っている。
(やばい、腹が下る)
チラッとみたやつが「なんか今日の躍りはケツも隠して内股で、いつもよりイビツだな」と村上に言ってから「おら、しっかり踊れ」と俺に罵声を浴びさせた。すると、村上が笑いながら「あれは、さっき飲ました下剤が効いている証拠だ」と言った。
俺は「はっ」とした。ドクターペッパーだ。
元々薬臭い飲み物だが、今日のよけい臭かったきがする。
肛門を締めて、冷や汗をかきながら、もじもじ踊った。
すると、リーダー格の女子から「富永、お前保健の授業でなんか白い液体だしたんだって?ここで出してみろよ」と言われた。そのグループの女子たちは「そーだそーだ、出すとこ見せてみろ」と囃し立てた。村上はその女子グループに向かって「白い液は出せって言われて“はい。そうですか”と言って出せるもんじゃねーんだよ、こいつを興奮させなきゃ」と言った。その女子グループは断然張りきりだして「よし、富永を興奮させて白液をだそう」と盛り上がり、後ろから富永を押さえつけ、ホウキでぺニスをつつき出した。
「や、やめろ」富永は言ったが、村上や男子たちも協力して全裸の富永を床に押さえつけ、ぺニスを露にした。
「このぺニスは見飽きたから、形を変えるぞ」と言って富永の鉛筆やノートで刺激した。村上ははじめから俺を射精させるつもりだったようだ。「おれ、いいもの持ってきたんだ」と言ってマッサージ器を出してきた。スーパーでもらえる薄いビニールを被せ、コンセントをつなぎ、俺のぺニスに振動しているそれをあてた。
「あっ、あっ、やめ、やめて」俺のぺニスはみるみる大きくなった。
今はその場にいるクラス全員が注目している。囃し立てる者はひとりもいない。みんな富永のぺニスに注目している。中山さんも口を隠して、目を爛々とさせて見ている。
「あっーーっ、、」僕は声と一緒に精液をぶちまけた。
男たちからは「あーあ、出しちまった」「女子の前で、そこまでやるかねー富永くん」「男の恥だな」など声がかけられ、女子からも「きゃー卑猥」「これ見せるのって、富永セクハラでしょ」と騒がれていた。
しかし、「なんか臭くない?」と誰かが言い出し「あっ、こいつクソ漏らしてる」
「クセー」「サイテー」「窓開けろ、臭すぎる」、、騒然となった。
僕はパンツをはき、自分の糞をかたずけて、服をもって泣きながら学校をでた。

マサさんが「さすがにこの騒ぎは知ってましたか?」と俺に聞くが、「昨日は風邪気味だったので学校休んだんです」と答え、続けて
富永に「それで最初にスマホを見た僕のせいだって言うのか?」と聞いた。
富永は「そうだ」と答え俺をにらんだ。
「どう考えても、僕よりも村上の方が罪が重いだろ」と聞いてみると、「アイツに逆らったら動画をバラ撒かれる」と言う。ここまで醜態を晒せば、あとひとつやふたつ増えても変わらない気もするが、そこはあえて聞くのは止めた。

マサさんが「経緯はわかったが、明人くんを刺しても、なんの解決にもならないな。それにあまりにも逆恨みすぎる」とマトモなことを言った。「だって、だって、、」富永は更に泣き出した。
マサさんは「どうします、明人くんを刺そうとした奴ですよ」と言ったが、「まあ、pin番号覗いて、スマホを解除したのは確かに僕だからなあ」と言って少し考えた。「助けてやってもいいが、お前は僕に何してくれる?」と聞いていた。
俺は最低な人間だ。こんなに苦しんでる友達を助けるのに見返りを求めている。だがそれが社会と言うものだ。
「助けてくれるって、どうやってだよ」俺を疑うので、俺は下部の一人をLINEで呼んだ。
10分後には全裸の吉田先輩が俺の前にひれ伏せていた。
さすがに富永は目を丸くしていた。
「吉田先輩、急にお呼び立てしてすみません」と俺が言うと、「いえいえ、めっそうもございません」と大袈裟にひれ伏した。
「僕のクラスの富永が、いじめにあってるようなんだ。クラス全員なんだけど中心は村上、あと、隣のクラスの紺野、川村。みな水泳部だ。なんか恥ずかしい動画を押さえられてるらしい。うまく処理しといてくれ」俺がそういうと、「かしこまりました、作戦ができましたら報告します」と言って、扉から出ていった。
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