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新たなメンバー
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◇◇◇4月
俺はバスケ部二軍の部室に入っていった。
話し声が止まり、そこにいる全員(5人)が、俺をジロッと見た。
「や、やぁ!俺は田辺恭。よろしくな」
と、皆に向かって挨拶をした。
すると、一人がオズオズと「あ、あの。倉田正彦です。よろしく」と言った。
そのあと、自己紹介が続くかと思ったが、残りの四人は元々話していた話題を続けてしまった。
この5人の構図がわからない。
俺は1年前を思い出した。
まず声をかけたのは勇治だった。
それから何となく勇治と一緒に行動した。
今回もこの状況だと倉田正彦とまずは仲良くなるか!
そう思い倉田の横に座り「どこの高校出身?」と話し出した。
先月の寮でのミーティングで聞いた通り、今年もタイプは違うがイケメン揃いだ。
それはバスケ部二軍は意図的にイケメンが集められるという事だった。これも寮での指導を円滑に行うためだそうだ。
すると、ドアが開き本郷コーチが入ってきた。
「コーチの本郷だ。並べ」と言うと、しゃべってた俺と倉田と、4人もぞろぞろと並んだ。
「名前と出身校を言え、お前から」そういって一番端の背の高いやつを指名した。
「赤井です。山岸1高出身です」
「白崎です。山岸1高です」
「羽黒です。山岸1高です」
「青山です。東南高出身です」
「倉田です。村町高です」
俺も自己紹介をしたが、驚いた。同じ高校出身が6人中3人もいる!
「先に言っておく。田辺は去年
体を壊して入院したため、2度目の1年だ。バスケ部のルールがわからなければ先輩に聞いても良いが、田辺でもわかることが多いから」
すると5人は一斉に俺を見た。
まあ、そうなるよな。
「よし、じゃあ練習着に着替えて体育館にこい」
と言って本郷コーチは出ていった。
倉田が「田辺さんは先輩だったのですね」と言うので、「いや、田辺でいいよ、同じ1年だ」と答えると、「そーだよな
田辺、同じ1年チームだもんな」と声をかけられた。
そちらを向くと山岸1高出身の3人がこちらを見てニヤニヤしていた。
俺も怯まず「おう!よろしくな」と言って3人を見渡した。
(こいつらとチームになれるのか、自分と思えるようになれるのか・・・)不安がよぎった。
3月の寮でのミーティングで、今年の1年は俺を入れて6人しかいないことを聞いていた。
元々10人の予定だったが昨年度やめた一軍のやつらが、高校の全国大会決勝戦に来て目白台学園大学バスケ部の悪口を触れ回ったらしい。一軍の枠はなんとか埋めたが、そのぶん二軍枠は5人しか埋まらなかったようだ。
ちなみに2年のチームも俺が抜けて5人になったため、大学内で募集しているが、なかなか決まらなかった。(三軍からの昇格は、、断られたようだ!)
「集合」
本郷コーチが練習していた2年3年を集めた。
「1年のメンバーだ。もう一度自己紹介しろ」と言われ、先程と同じ順番で始めた。
やはり山岸1高から三人来ていることにざわついていた。
そして、3年、2年の教育係として紹介されたのは、引き続きとなる後藤センパイ、本多センパイ、そして2年は春田と勇治だった。
「くそっ、春田と勇治を“先輩”って呼ぶのか!」
俺は苦笑いをした。
後藤センパイから「1年の前では、2年と馴れ馴れしくするな、この一年間は、お前は1年の仲間とチームになることを優先させろ」ときつく言われている。春田と勇治も言われたらしい。確かに言う通りだ。
1年のメンバーとの信頼関係ができるまでは2年との交流は控えよう。
練習が始り、昨年と同じように腹筋と腕立ての回数をカウントされた。
この回数によって、まず最初に辱しめを受けることは誰にも言わなかった。が、また去年に続き俺が最下位だ!
1年のメンバーを見渡し、(まず最初にコイツらに、俺がすべてを曝すことになるな)と覚悟を決めた。
練習が終わりシャワーを浴びた。
去年はここでワイワイと騒いで仲良くなった。しかし山岸1高の3人と青山で盛り上がり、俺と倉田は無視されてるような感じだ。
寮へ移動中も4人と2人で何となく別れていた。
俺は「山岸1高の3人と青山は、仲良いんだな」と倉田に聞くと「あっ、そうか!田辺は高校で1学年上だったからあまり知らないんだね」と言い教えてくれた。
「僕らの代では山岸1高のイケメン三銃士と言われてて有名なんだよ。そして山岸1高のライバルが東南高で、そのキャプテンが青山だ。頭角を現したのは3年になってからだ」と説明をしてくれた。
「そして僕は村町高の副キャプテン、あいつらから見れば自分等より下の高校の副キャプテンだから、少し見下されてるんだと思う」と言った。
「へぇー」と俺は言った。構図がわかってきた!
寮に着くと勇治が待っていた。今回の寮の説明係だ。
「1年の部屋は1階だ、誰がどのベッドを使うか決めろ」と言われた。「えっと、俺このベッドで良い?」とメンバーに聞いた。元々使っていた場所だ。
特に異論はでず、その後も各自のベッドが決まった。
すぐに夕飯の時間になった。
ここでも4人は高校時代の対戦した試合の話で盛り上がっていた。俺と倉田は会話に入るキッカケもなく、モグモグとひたすら食った。
2年と3年の先輩達も、唖然として盛り上る4人を眺めていた。圧倒されている、と言った感じだ。
春田は勇治をつつき、席をたたせた。
「おい、お前ら。今日は3年の先輩からのご指導があるから、風呂入って8時には部屋で並んでおけ」と命じた。
「すみませーん、俺たち4人は予定があるのでパスしまーす」
と、赤井が言った。
「えっ、あっ、何言ってんだお前、えーと、赤井だったな」と勇治が言うと「今日はこのあと自分の実家に4人で行くんです」と青山が言った。
「前に試合の遠征で来たときに、交通トラブルで俺ら3人青山の家に泊めてもらった事があるので、まずは挨拶に行こうと決めていたんです」と白崎が言った。「そういえばお婆ちゃんは元気か?」と羽黒が青山に聞くと「おう、ばあちゃん足が悪くなって出掛けられないから、今日3人が来るの楽しみにしてるってお袋が言ってたよ。もちろんお袋も親父も楽しみに待ってるって。どうせなら泊まっていけと言ってたよ」
そう言うと青山は「門限の10時には帰るつもりですが、初日から外泊許可って、もらえるものですか?」と勇治に聞いていた。
俺はバスケ部二軍の部室に入っていった。
話し声が止まり、そこにいる全員(5人)が、俺をジロッと見た。
「や、やぁ!俺は田辺恭。よろしくな」
と、皆に向かって挨拶をした。
すると、一人がオズオズと「あ、あの。倉田正彦です。よろしく」と言った。
そのあと、自己紹介が続くかと思ったが、残りの四人は元々話していた話題を続けてしまった。
この5人の構図がわからない。
俺は1年前を思い出した。
まず声をかけたのは勇治だった。
それから何となく勇治と一緒に行動した。
今回もこの状況だと倉田正彦とまずは仲良くなるか!
そう思い倉田の横に座り「どこの高校出身?」と話し出した。
先月の寮でのミーティングで聞いた通り、今年もタイプは違うがイケメン揃いだ。
それはバスケ部二軍は意図的にイケメンが集められるという事だった。これも寮での指導を円滑に行うためだそうだ。
すると、ドアが開き本郷コーチが入ってきた。
「コーチの本郷だ。並べ」と言うと、しゃべってた俺と倉田と、4人もぞろぞろと並んだ。
「名前と出身校を言え、お前から」そういって一番端の背の高いやつを指名した。
「赤井です。山岸1高出身です」
「白崎です。山岸1高です」
「羽黒です。山岸1高です」
「青山です。東南高出身です」
「倉田です。村町高です」
俺も自己紹介をしたが、驚いた。同じ高校出身が6人中3人もいる!
「先に言っておく。田辺は去年
体を壊して入院したため、2度目の1年だ。バスケ部のルールがわからなければ先輩に聞いても良いが、田辺でもわかることが多いから」
すると5人は一斉に俺を見た。
まあ、そうなるよな。
「よし、じゃあ練習着に着替えて体育館にこい」
と言って本郷コーチは出ていった。
倉田が「田辺さんは先輩だったのですね」と言うので、「いや、田辺でいいよ、同じ1年だ」と答えると、「そーだよな
田辺、同じ1年チームだもんな」と声をかけられた。
そちらを向くと山岸1高出身の3人がこちらを見てニヤニヤしていた。
俺も怯まず「おう!よろしくな」と言って3人を見渡した。
(こいつらとチームになれるのか、自分と思えるようになれるのか・・・)不安がよぎった。
3月の寮でのミーティングで、今年の1年は俺を入れて6人しかいないことを聞いていた。
元々10人の予定だったが昨年度やめた一軍のやつらが、高校の全国大会決勝戦に来て目白台学園大学バスケ部の悪口を触れ回ったらしい。一軍の枠はなんとか埋めたが、そのぶん二軍枠は5人しか埋まらなかったようだ。
ちなみに2年のチームも俺が抜けて5人になったため、大学内で募集しているが、なかなか決まらなかった。(三軍からの昇格は、、断られたようだ!)
「集合」
本郷コーチが練習していた2年3年を集めた。
「1年のメンバーだ。もう一度自己紹介しろ」と言われ、先程と同じ順番で始めた。
やはり山岸1高から三人来ていることにざわついていた。
そして、3年、2年の教育係として紹介されたのは、引き続きとなる後藤センパイ、本多センパイ、そして2年は春田と勇治だった。
「くそっ、春田と勇治を“先輩”って呼ぶのか!」
俺は苦笑いをした。
後藤センパイから「1年の前では、2年と馴れ馴れしくするな、この一年間は、お前は1年の仲間とチームになることを優先させろ」ときつく言われている。春田と勇治も言われたらしい。確かに言う通りだ。
1年のメンバーとの信頼関係ができるまでは2年との交流は控えよう。
練習が始り、昨年と同じように腹筋と腕立ての回数をカウントされた。
この回数によって、まず最初に辱しめを受けることは誰にも言わなかった。が、また去年に続き俺が最下位だ!
1年のメンバーを見渡し、(まず最初にコイツらに、俺がすべてを曝すことになるな)と覚悟を決めた。
練習が終わりシャワーを浴びた。
去年はここでワイワイと騒いで仲良くなった。しかし山岸1高の3人と青山で盛り上がり、俺と倉田は無視されてるような感じだ。
寮へ移動中も4人と2人で何となく別れていた。
俺は「山岸1高の3人と青山は、仲良いんだな」と倉田に聞くと「あっ、そうか!田辺は高校で1学年上だったからあまり知らないんだね」と言い教えてくれた。
「僕らの代では山岸1高のイケメン三銃士と言われてて有名なんだよ。そして山岸1高のライバルが東南高で、そのキャプテンが青山だ。頭角を現したのは3年になってからだ」と説明をしてくれた。
「そして僕は村町高の副キャプテン、あいつらから見れば自分等より下の高校の副キャプテンだから、少し見下されてるんだと思う」と言った。
「へぇー」と俺は言った。構図がわかってきた!
寮に着くと勇治が待っていた。今回の寮の説明係だ。
「1年の部屋は1階だ、誰がどのベッドを使うか決めろ」と言われた。「えっと、俺このベッドで良い?」とメンバーに聞いた。元々使っていた場所だ。
特に異論はでず、その後も各自のベッドが決まった。
すぐに夕飯の時間になった。
ここでも4人は高校時代の対戦した試合の話で盛り上がっていた。俺と倉田は会話に入るキッカケもなく、モグモグとひたすら食った。
2年と3年の先輩達も、唖然として盛り上る4人を眺めていた。圧倒されている、と言った感じだ。
春田は勇治をつつき、席をたたせた。
「おい、お前ら。今日は3年の先輩からのご指導があるから、風呂入って8時には部屋で並んでおけ」と命じた。
「すみませーん、俺たち4人は予定があるのでパスしまーす」
と、赤井が言った。
「えっ、あっ、何言ってんだお前、えーと、赤井だったな」と勇治が言うと「今日はこのあと自分の実家に4人で行くんです」と青山が言った。
「前に試合の遠征で来たときに、交通トラブルで俺ら3人青山の家に泊めてもらった事があるので、まずは挨拶に行こうと決めていたんです」と白崎が言った。「そういえばお婆ちゃんは元気か?」と羽黒が青山に聞くと「おう、ばあちゃん足が悪くなって出掛けられないから、今日3人が来るの楽しみにしてるってお袋が言ってたよ。もちろんお袋も親父も楽しみに待ってるって。どうせなら泊まっていけと言ってたよ」
そう言うと青山は「門限の10時には帰るつもりですが、初日から外泊許可って、もらえるものですか?」と勇治に聞いていた。
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