Daruma

ザボン

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Daruma

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その二日後、その二人の死体が見つかった。
山中の物置小屋の影で、乱暴され首を絞められて殺された遺体が発見されたようだ。
そんなことは全然知らずに俺は寝ていると警察が来て任意同行を求められた。
警察の話によると、光一の別荘と車から被害者の血痕が出たとのことだった。
そんなことは、あり得ない。
夜中の3時頃までは隣同士の部屋でお互いの相手と楽しく激しく愛し合っていたし、その気配も感じていた。
そして、朝の八時過ぎに光一が俺の寝ている部屋に入ってきて「彼女たち帰っちゃったみたいだ」と俺を起こしたのだ。

(こんな誤認逮捕、すぐに間違えだと判明するさ)
俺は楽観的に考えていたが、警察が証拠を探し出す度に俺たちが犯人と断定されていった。
決定的だったのは明け方4時30分に光一の車で4人が犯行現場の近くのコンビニのカメラに映っていたことと、二人の体内から俺らの精液が検出されたことだ。
体内から検出された精液については、合意の上でセックスをして、確実にコンドームを使っていた。
それを主張したが「自宅から採取したお前の髪の毛とDNAが一致した」と告げられた。
そして、そのコンビニカメラに映っている映像は前日の夕方だと何度も説明したが、映像の下にテロップされている日付は推定犯行日時の1時間前だった。
更に殺された二人は17才と16才の未成年姉妹だった。
俺たちは「まじめでおしとやかな姉妹を襲った極悪大学生コンビ」として、週刊紙やワイドショーが騒ぎたてたらしい。
俺は拘置所にいたので弁護士から聞いた話だった。

その後、俺より先に起訴されていた中田光一に死刑判決が出た。と弁護士から伝えられた。
その弁護士は「私は多胡さんの無実を信じてますが、これだけ証拠が出てきてしまうと覆すのは困難だ。死刑を避けるため罪を認めて反省している事を強調した方が得策だ」と言われた。そして罪を認めた結果、「死刑」と下されたのだ。

俺は無実だ。しかし証拠があまりにも多すぎた!「もしかしたら本当に俺がやったのか」と考えてしまうほど追い詰められていた。
弁護士からは「再審請求されますか」と、聞かれた。
そして、「このまま刑を確定させて、模範囚となって減刑を狙うのも1つのやり方ですよ」と言われた。この弁護士は父さんが「若いがやり手なんだ」と探してきた。
その弁護士はけっこう有名人で「若くてイケメンの敏腕弁護士」としては週刊誌に載っていたのを見たことがあった。確か年齢も30才そこそこのはずだ。名前は最初に聞いた気がするが思い出せない。しかし負けと決まった裁判からは「自分の経歴の汚点だ」と言わんばかりに早く手を引きたがってる。
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