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アキとハル
おめでとう
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「ハル選手、A代表選出おめでとうございます」
「アキ選手こそ、おめでとうございます」
二人揃って、年齢制限のない最高峰の選手だけが集う日本代表に選ばれ、その合宿に向かう日、スーツに着替えてリビングに出てきたハルと笑い合う。
「一緒にピッチ立てるといいな」
「アキは一回、立ってるもんな」
「あれは……ちょっと……」
「でも、アキのロングフィードから得点が生まれたんだろ」
欧州遠征をしていたA代表のディフェンダーが次々と怪我に見舞われ、緊急召集されてそのまま初めてA代表のピッチに立った俺は、緊張からミスを連発した。
焦れば焦る程判断は遅れ、厳しい局面を何度となく作ってしまった。
帰国した俺にハルは何も言わなかったけど、いつものように笑顔で俺の隣にいてくれて、繋がれた暖温かい掌が、前を見て進んでいこうって引っ張ってくれている気がした。
「あっ、ネクタイずれてるぞ」
俺のネクタイを直してくれるハルの、切ったばかりの髪から甘い香りがする。
「同じ部屋だといいな」
「さぁ、どうだろうな」
「やっぱさ、合宿中にしちゃまずいかな?」
「は? なに抜かしてるんだ」
真っ赤な顔で、俺を見上げるハル。
「絶対に駄目だからな。見つかったらA代表はおろか、もう年齢別代表にも呼んでもらえなくなるぞ」
「俺、何をするかなんて言ってないよ。ハル、なにを想像してるの? エッチだなー」
「なっ……」
俺を睨んでいるハルの額に人差し指当てると、頬を膨らませたハルは背中を向けてしまった。
「ごめん、ごめん」
その背中をぎゅっと抱きしめるも、体を振って嫌がるハル。
「ハルが嫌がる事はしないからさ。まだ集合時間まで時間あるし、合宿中に我慢出来るように今からやりません?」
「なに言ってんだ。スーツを着たばっかだろ」
「俺が責任もって、ちゃんと着せてあげるから」
「ちょっ……」
振り返って何かを言おうとしたハルの唇を塞ぐ。
深く絡め合って唇を離すと、息を整えながらハルが、
「仕方ねぇなー。合宿中しないって誓うか?」
「はい、誓います」
マジだな?、と聞いてくるハルにキスで答える。
今日のハルは一段と艶やかで、同室になったら本当に我慢出来るか不安になった。
だけど、これからもハルと一緒に代表に選ばれたいし、ハルを困らせたくないから、ちゃんと我慢しようって心に誓ったのだった。
「アキ選手こそ、おめでとうございます」
二人揃って、年齢制限のない最高峰の選手だけが集う日本代表に選ばれ、その合宿に向かう日、スーツに着替えてリビングに出てきたハルと笑い合う。
「一緒にピッチ立てるといいな」
「アキは一回、立ってるもんな」
「あれは……ちょっと……」
「でも、アキのロングフィードから得点が生まれたんだろ」
欧州遠征をしていたA代表のディフェンダーが次々と怪我に見舞われ、緊急召集されてそのまま初めてA代表のピッチに立った俺は、緊張からミスを連発した。
焦れば焦る程判断は遅れ、厳しい局面を何度となく作ってしまった。
帰国した俺にハルは何も言わなかったけど、いつものように笑顔で俺の隣にいてくれて、繋がれた暖温かい掌が、前を見て進んでいこうって引っ張ってくれている気がした。
「あっ、ネクタイずれてるぞ」
俺のネクタイを直してくれるハルの、切ったばかりの髪から甘い香りがする。
「同じ部屋だといいな」
「さぁ、どうだろうな」
「やっぱさ、合宿中にしちゃまずいかな?」
「は? なに抜かしてるんだ」
真っ赤な顔で、俺を見上げるハル。
「絶対に駄目だからな。見つかったらA代表はおろか、もう年齢別代表にも呼んでもらえなくなるぞ」
「俺、何をするかなんて言ってないよ。ハル、なにを想像してるの? エッチだなー」
「なっ……」
俺を睨んでいるハルの額に人差し指当てると、頬を膨らませたハルは背中を向けてしまった。
「ごめん、ごめん」
その背中をぎゅっと抱きしめるも、体を振って嫌がるハル。
「ハルが嫌がる事はしないからさ。まだ集合時間まで時間あるし、合宿中に我慢出来るように今からやりません?」
「なに言ってんだ。スーツを着たばっかだろ」
「俺が責任もって、ちゃんと着せてあげるから」
「ちょっ……」
振り返って何かを言おうとしたハルの唇を塞ぐ。
深く絡め合って唇を離すと、息を整えながらハルが、
「仕方ねぇなー。合宿中しないって誓うか?」
「はい、誓います」
マジだな?、と聞いてくるハルにキスで答える。
今日のハルは一段と艶やかで、同室になったら本当に我慢出来るか不安になった。
だけど、これからもハルと一緒に代表に選ばれたいし、ハルを困らせたくないから、ちゃんと我慢しようって心に誓ったのだった。
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