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神無月
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「一緒にイけましたね」
嬉しそうに破顔した男が、三度爆ぜてぐったりしている俺の首に両腕を絡めてきて、半開きの唇に優しいキスを落としてくる。
「変なことを言うな」
下半身だけではなく心も満たされるような、柔らかな陽射しのようなキスに、胸の奥がこそばゆくなってしまい、それがバレないように素っ気なく返す。
「気持ちいいですか?」
顔も下半身もビチョビチョに濡れた俺を見つめる男が、意地悪な笑みを浮かべて聞いてくる。
「見れば分かるだろ。いちいち聞くな」
薬がだいぶ抜けてきたのか、煮えたぎるような熱さはなくなったが、まだ体の芯は熱を持っているようだ。
もっと気持ちよくしてあげましょうか、と言うような男の視線に、下腹部がザワザワしだしてきた。
「上着を捲ってもらってもいいですか?」
「なんでだよ」
「腐った蜜柑に触れられた感覚を上塗りしたいんです」
「好きにしろ」
柚木を阻止できなかったのを悔やんでいるのか、辛そうな顔をした男の要望通り、体操服を捲って胸を突き出す。
ありがとうございます、とにこやかに微笑んだ男は、俺の前に膝立ちして胸に顔を近付けてくる。
「何するんだよ」
「上塗りですよ」
チロッと蛇のように尖らせた舌先を覗かせた男が、それを乳首に当ててコリコリと転がしてきた。
「あっ……」
薬を飲まされた直後に柚木に触られた感覚よりも、三度爆ぜた後に触れられる男の感覚の方が比べ物にならないくらいに勝っていて、柚木の時には我慢出来た声が漏れてしまう。
乳首に伝わる痺れは下半身に直結しているようで、またムクムクと立ち上がってしまった。
チュウッと吸いあげられて舌先で捏ねくり回され、もう一方の乳首は指で摘ままれて緩急をつけて弄られ、頭が可笑しくなりそうな快楽に腰が砕け、男の頭を掴んで力が入らない体を支える。
柔らかそうに見えた男の茶髪は、想像よりも柔らかな猫の毛のような手触りで、性的なものとは違う穏やかな気持ちよさが掌から伝わってくる。
「上塗り出来ましたか?」
上目遣いで聞いてくる男は刺激を与える側なのに、刺激された側のような蕩けた表情をしている。
俺がこんな顔をさせているんだと思うと、なんとも言えない充実感が心を満たしていく。
「まだだ」
疾うに柚木の感覚など消えていたが、もっと男を感じたくて、もっと俺を感じて欲しくて、男の後頭部を掴んで胸に押し当てる。
「あぁっ……」
甘噛みされチュウッと強く吸われて、その余りに強烈な刺激に背中を反らして魚のように体が跳ねてしまう。
ブルンと揺れた屹立から、先走りの蜜が床に落ちる。
「こんな姿、誰にも見せてはいけませんよ」
右手で乳首を弄りながら左手を俺の頬に当ててきた男が、いつもの上から目線の命令口調とは違い懇願するように言ってくる。
「アンタも見せるなよ」
俺しかいらないって言うなら、俺だけに感じてろ。
俺だけを見るんなら、アンタにしか見せない。
「僕は拓也だけのものですよ」
嬉しそうに目を細め、ふっと口許を弛ませた男の唇が、誓いの口付けをするように俺の唇を塞いできた。
優しく温かい口付けに、何故か目の奥が熱くなってくる。
頬に触れていた男の掌が、首筋、鎖骨、肩、と俺の存在を確認するように下に下りていき、濡れそぼつ屹立を握った。
俺も男の屹立を握ると、張り裂けそうなくらいガチガチに硬くなっていた。
男の興奮が更に俺を興奮させて、体は劣情に支配されていく。
口内に刺激が欲しくて舌で男の唇をノックすると、すぐに俺の要求に応えて口内を愛撫してくれた。
口内に広がる快感を伝えるように男の屹立を扱くと、男は屹立の快感を伝えるように俺の屹立を扱き返してくる。
口内、乳首、屹立、と三箇所から刺激を与えられて、腰は砕けて膝はガクガク震え、崩れ落ちそうになるのを空いている左手で男の背中にしがみついて堪える。
射精感が迫り上がってきて放ちたいけれど、まだこのギリギリの快楽を味わっていたい。
「我慢しなくてもいいですよ。何度でも一緒にイきましょう」
一旦唇を離した男が耳許で甘く囁いてきて、再び唇を塞いで俺の口内に入ってくる。
口内も、乳首も、屹立も、射精を促すような激しい動きに変わり、俺も迫り上がってきている感覚を伝えるように、男の屹立を扱くスピードを上げる。
「んっ……」
爆ぜた精が、ピシャッと床に落ちる。
ぐったりと男の体にもたれかかると、男も力尽きたように俺に体を預けてきた。
互いの体に体重をかけて、微妙なバランスで抱き合い体勢を保つ。
「何度放っても勃ち上がってしまう僕は可笑しいですかね?」
暫し抱き合って息を整えていると、何かを思い出したようにクスクスと笑った男が口を開いた。
「薬も飲んでないのに可笑しいだろ」
「拓也という媚薬が僕を狂わせるんです」
「媚薬を飲まされた俺が、じゃないのか?」
自嘲するように笑うと、俺の肩口に埋めていた額を俺の額に合わせてきた男が、心配するように見つめてきた。
「もう薬は抜けましたか?」
「まだ熱くなるってことは抜けきってないんじゃないか?」
男の美しく整った顔が目の前にあって、この唇が口内と乳首にあの得も言われぬ甘い痺れを与えるんだと思ったら、ザワザワと下半身が疼きだした。
「抜けきるまで僕にお手伝いさせてください」
ニヤリと妖艶に笑う男が、立ち上がり始めた俺のモノを握ってくる。
「さっさと全部出せよ」
俺も男のモノを握ると既に完勃ちしていて、掌から伝わってくる男の興奮に反応して、ドクンと俺のモノが脈打って男と同じ状態になった。
クチュクチュと舌を絡め合い、互いの甘い吐息を飲み込み合い、興奮を高めていく屹立を扱き合う。
「拓也……」
「んっ……」
快楽の泉を初めて知った俺は、なかなかそこから出ることが出来ず、男と共に溺れて沈んでいった。
その後三回精を放ち、最後は白濁ではなく透明な汁を吐き出して、俺を侵していた熱は治まった。
嬉しそうに破顔した男が、三度爆ぜてぐったりしている俺の首に両腕を絡めてきて、半開きの唇に優しいキスを落としてくる。
「変なことを言うな」
下半身だけではなく心も満たされるような、柔らかな陽射しのようなキスに、胸の奥がこそばゆくなってしまい、それがバレないように素っ気なく返す。
「気持ちいいですか?」
顔も下半身もビチョビチョに濡れた俺を見つめる男が、意地悪な笑みを浮かべて聞いてくる。
「見れば分かるだろ。いちいち聞くな」
薬がだいぶ抜けてきたのか、煮えたぎるような熱さはなくなったが、まだ体の芯は熱を持っているようだ。
もっと気持ちよくしてあげましょうか、と言うような男の視線に、下腹部がザワザワしだしてきた。
「上着を捲ってもらってもいいですか?」
「なんでだよ」
「腐った蜜柑に触れられた感覚を上塗りしたいんです」
「好きにしろ」
柚木を阻止できなかったのを悔やんでいるのか、辛そうな顔をした男の要望通り、体操服を捲って胸を突き出す。
ありがとうございます、とにこやかに微笑んだ男は、俺の前に膝立ちして胸に顔を近付けてくる。
「何するんだよ」
「上塗りですよ」
チロッと蛇のように尖らせた舌先を覗かせた男が、それを乳首に当ててコリコリと転がしてきた。
「あっ……」
薬を飲まされた直後に柚木に触られた感覚よりも、三度爆ぜた後に触れられる男の感覚の方が比べ物にならないくらいに勝っていて、柚木の時には我慢出来た声が漏れてしまう。
乳首に伝わる痺れは下半身に直結しているようで、またムクムクと立ち上がってしまった。
チュウッと吸いあげられて舌先で捏ねくり回され、もう一方の乳首は指で摘ままれて緩急をつけて弄られ、頭が可笑しくなりそうな快楽に腰が砕け、男の頭を掴んで力が入らない体を支える。
柔らかそうに見えた男の茶髪は、想像よりも柔らかな猫の毛のような手触りで、性的なものとは違う穏やかな気持ちよさが掌から伝わってくる。
「上塗り出来ましたか?」
上目遣いで聞いてくる男は刺激を与える側なのに、刺激された側のような蕩けた表情をしている。
俺がこんな顔をさせているんだと思うと、なんとも言えない充実感が心を満たしていく。
「まだだ」
疾うに柚木の感覚など消えていたが、もっと男を感じたくて、もっと俺を感じて欲しくて、男の後頭部を掴んで胸に押し当てる。
「あぁっ……」
甘噛みされチュウッと強く吸われて、その余りに強烈な刺激に背中を反らして魚のように体が跳ねてしまう。
ブルンと揺れた屹立から、先走りの蜜が床に落ちる。
「こんな姿、誰にも見せてはいけませんよ」
右手で乳首を弄りながら左手を俺の頬に当ててきた男が、いつもの上から目線の命令口調とは違い懇願するように言ってくる。
「アンタも見せるなよ」
俺しかいらないって言うなら、俺だけに感じてろ。
俺だけを見るんなら、アンタにしか見せない。
「僕は拓也だけのものですよ」
嬉しそうに目を細め、ふっと口許を弛ませた男の唇が、誓いの口付けをするように俺の唇を塞いできた。
優しく温かい口付けに、何故か目の奥が熱くなってくる。
頬に触れていた男の掌が、首筋、鎖骨、肩、と俺の存在を確認するように下に下りていき、濡れそぼつ屹立を握った。
俺も男の屹立を握ると、張り裂けそうなくらいガチガチに硬くなっていた。
男の興奮が更に俺を興奮させて、体は劣情に支配されていく。
口内に刺激が欲しくて舌で男の唇をノックすると、すぐに俺の要求に応えて口内を愛撫してくれた。
口内に広がる快感を伝えるように男の屹立を扱くと、男は屹立の快感を伝えるように俺の屹立を扱き返してくる。
口内、乳首、屹立、と三箇所から刺激を与えられて、腰は砕けて膝はガクガク震え、崩れ落ちそうになるのを空いている左手で男の背中にしがみついて堪える。
射精感が迫り上がってきて放ちたいけれど、まだこのギリギリの快楽を味わっていたい。
「我慢しなくてもいいですよ。何度でも一緒にイきましょう」
一旦唇を離した男が耳許で甘く囁いてきて、再び唇を塞いで俺の口内に入ってくる。
口内も、乳首も、屹立も、射精を促すような激しい動きに変わり、俺も迫り上がってきている感覚を伝えるように、男の屹立を扱くスピードを上げる。
「んっ……」
爆ぜた精が、ピシャッと床に落ちる。
ぐったりと男の体にもたれかかると、男も力尽きたように俺に体を預けてきた。
互いの体に体重をかけて、微妙なバランスで抱き合い体勢を保つ。
「何度放っても勃ち上がってしまう僕は可笑しいですかね?」
暫し抱き合って息を整えていると、何かを思い出したようにクスクスと笑った男が口を開いた。
「薬も飲んでないのに可笑しいだろ」
「拓也という媚薬が僕を狂わせるんです」
「媚薬を飲まされた俺が、じゃないのか?」
自嘲するように笑うと、俺の肩口に埋めていた額を俺の額に合わせてきた男が、心配するように見つめてきた。
「もう薬は抜けましたか?」
「まだ熱くなるってことは抜けきってないんじゃないか?」
男の美しく整った顔が目の前にあって、この唇が口内と乳首にあの得も言われぬ甘い痺れを与えるんだと思ったら、ザワザワと下半身が疼きだした。
「抜けきるまで僕にお手伝いさせてください」
ニヤリと妖艶に笑う男が、立ち上がり始めた俺のモノを握ってくる。
「さっさと全部出せよ」
俺も男のモノを握ると既に完勃ちしていて、掌から伝わってくる男の興奮に反応して、ドクンと俺のモノが脈打って男と同じ状態になった。
クチュクチュと舌を絡め合い、互いの甘い吐息を飲み込み合い、興奮を高めていく屹立を扱き合う。
「拓也……」
「んっ……」
快楽の泉を初めて知った俺は、なかなかそこから出ることが出来ず、男と共に溺れて沈んでいった。
その後三回精を放ち、最後は白濁ではなく透明な汁を吐き出して、俺を侵していた熱は治まった。
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