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3章 魔法講師
錬金術
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魔法の勉学に明け暮れる日々。
アネシアルテの魔法の才能は凄まじく、布が零れた水を吸うかのように、様々な技術、魔法を覚えていった。
その知識への貪欲さは留まることを知らず、ルインは、彼女が今開いている本を見て驚く。
「アネシアルテ様……それって錬金術の本ですよね?」
アネシアルテは、関係のない本を持ち出したことを咎められると思ったのか、開いていたページを手で隠した。
『錬金術』とは魔法と似て非なる物。
どちらもよく知らぬ者からすれば、どちらも同じ奇跡を起こす技術、という認識になるだろう。
だが目的が全く異なり、魔法は世界の理を紐解く為に作られた技術である。
対して錬金術とは、卑金属を貴金属に変えるために創造され、最終的には『究極の物質』を作り出すことを目的としていた。
究極の物質は銅や鉄から黄金を作りだし、人間に不死の命を与えるとされている。
されている、という言葉通り、それは机上の空論であり、想像の産物。
実際に作り出されたという話は古今東西ありはしない。
かつては選りすぐられた神童にのみ、専門知識を与え伝えられる秘匿技術だったが、今ではそれも公知され、様々なものに利用されている。
例えば……傷を癒す治癒薬や、武具の製作、最近では修道院での治療等々。
ここまで周知されれば、もはや生活とは切り離すことも難しい。
ルインに指摘されたアネシアルテは、誤魔化すように笑った。
「ちょっと気になることがあってね」
聡い少年は、彼女には安易に話すことの出来ない理由があることを察する。
それきり話を止め、自らの魔導書を眺めた。
そんな少年の気遣いを知ってか知らずか、アネシアルテは本を読み耽るルインの横顔を見つめる。
日が暮れ始め勉強会が終わる頃、アネシアルテは、後片付けをするルインに声をかけた。
「ルイン……この後ちょっと時間取れるかしら」
何時もは問答無用に振り回すような彼女だが、何ともしおらしい態度にルインは少々心配になる。
「どうかしましたか?」
「一緒に行って欲しいところがあるの」
そういうと彼女は魔導書を棚に戻し、書斎から出ていく。
ルインは首を傾げ、同じく魔導書を棚に戻すと、直ぐにアネシアルテ後を追った。
辺りは夕闇に染まり、もう少しすれば夜がやってくる。
だというのにアネシアルテは、真っすぐ館の外に出て行ってしまった。
困惑の中ルインは後を付いていく。
セイムセインの館がある町は相当大きく、治安は他より大分良い。
だが完全に安全とは言いえず、巷では野党の話も良く流れ、窃盗も少なくない。
(彼女に何かあった時は、僕が……!)
少年は何があっても対応できるように、気を引き締め強く拳を握った。
アネシアルテが向かった先は、館から少し歩く『離れ』だった。
離れといっても館に見劣りするわけでは無い。
装飾も手が込んでいるし、ルインの住んでいた家と同じくらいの大きさはあるだろう。
何時も遠巻きで見ているだけの建物へ向かうアネシアルテに、ルインは大きな声をかける。
「アネシアルテ様!いけません!」
彼女はルインの叫びを無視し、離れの中に入っていった。
この離れは、カルタネシアより立ち入り禁止、また近づくのも禁止とされていたのだ。
アネシアルテは家族だから問題ないのかもしれないが、いくら奴隷の身分から魔法講師になったからといって、ルインが入ったことがばれてしまっては、どうなるか分かったものでは無い。
後に待ち構える恐怖と、彼女を守ろうとする使命感の狭間で、散々悩んだ挙句、少年は離れへの戸を開いた。
中ではアネシアルテが、戸の方を向いて少年が来るのを待っていた。
建物の中に入ってくるか不安だったようで、ルインの姿を見た彼女は安堵し、険しかった顔を緩める。
「良かった。こっち……」
彼女はルインの手を取ると、先導して歩き出した。
少年は、初めて彼女からの接触に胸を高鳴らせながら、引かれるままに歩き出す。
廊下を歩き、階段を上り、幾つかある部屋の一つの戸を叩いた。
コンコン
小気味良い音と共に、彼女は戸に向かって口を開く。
「母様。入るよ?」
その声音は、ルインが少女と生活していた日々で、終ぞ聞いたことのない程、優しいものだった。
部屋の中からは微かな女性の声が入室の許可を出す。
アネシアルテは一つ深呼吸をすると、把手を捻り部屋に入っていった。
廊下に一人残されたルインも、自身の身嗜みを確認し続いて部屋に入る。
部屋の中は白を基調とした、あまり派手ではない作りだった。
机と椅子、化粧棚、そして大きめの寝台。
生活に困ることは無さそうだ。
その寝台の上で、毛布を足にかけた女性が、優しい笑顔を向けていた。
言動から察するに彼女の母親なのだろう。
「母様!」
アネシアルテは母親の姿を確認するや否や、母親に向かって駆け出す。
「あらあら、アネシアは甘えん坊さんね」
微笑む女性は駆け寄る娘を抱きしめると、頭を優しく撫でた。
ルインが部屋に入り、暫くその微笑ましい光景を眺めていると、女性の声がかかる。
「あら、そちらは?」
「!初めまして。僕はアネシアルテ様の魔法講師をさせて頂いています。ルイン・フォルトと申します」
自分でも驚く程に、言葉が引っかからず出たのは、カルタネシアのような貴族特有の空気を纏っていないからだろうか。
彼女はいかにも……平民のように見えた。
ルインの名前を聞き、女性は驚きの表情を見せ、空いた口を手で覆う。
「貴方が……噂は娘から聞いています。凄い魔法使いなんですってね」
その言葉を聞いたアネシアルテは、恥ずかしそうに母親の言葉を遮った。
アネシアルテの魔法の才能は凄まじく、布が零れた水を吸うかのように、様々な技術、魔法を覚えていった。
その知識への貪欲さは留まることを知らず、ルインは、彼女が今開いている本を見て驚く。
「アネシアルテ様……それって錬金術の本ですよね?」
アネシアルテは、関係のない本を持ち出したことを咎められると思ったのか、開いていたページを手で隠した。
『錬金術』とは魔法と似て非なる物。
どちらもよく知らぬ者からすれば、どちらも同じ奇跡を起こす技術、という認識になるだろう。
だが目的が全く異なり、魔法は世界の理を紐解く為に作られた技術である。
対して錬金術とは、卑金属を貴金属に変えるために創造され、最終的には『究極の物質』を作り出すことを目的としていた。
究極の物質は銅や鉄から黄金を作りだし、人間に不死の命を与えるとされている。
されている、という言葉通り、それは机上の空論であり、想像の産物。
実際に作り出されたという話は古今東西ありはしない。
かつては選りすぐられた神童にのみ、専門知識を与え伝えられる秘匿技術だったが、今ではそれも公知され、様々なものに利用されている。
例えば……傷を癒す治癒薬や、武具の製作、最近では修道院での治療等々。
ここまで周知されれば、もはや生活とは切り離すことも難しい。
ルインに指摘されたアネシアルテは、誤魔化すように笑った。
「ちょっと気になることがあってね」
聡い少年は、彼女には安易に話すことの出来ない理由があることを察する。
それきり話を止め、自らの魔導書を眺めた。
そんな少年の気遣いを知ってか知らずか、アネシアルテは本を読み耽るルインの横顔を見つめる。
日が暮れ始め勉強会が終わる頃、アネシアルテは、後片付けをするルインに声をかけた。
「ルイン……この後ちょっと時間取れるかしら」
何時もは問答無用に振り回すような彼女だが、何ともしおらしい態度にルインは少々心配になる。
「どうかしましたか?」
「一緒に行って欲しいところがあるの」
そういうと彼女は魔導書を棚に戻し、書斎から出ていく。
ルインは首を傾げ、同じく魔導書を棚に戻すと、直ぐにアネシアルテ後を追った。
辺りは夕闇に染まり、もう少しすれば夜がやってくる。
だというのにアネシアルテは、真っすぐ館の外に出て行ってしまった。
困惑の中ルインは後を付いていく。
セイムセインの館がある町は相当大きく、治安は他より大分良い。
だが完全に安全とは言いえず、巷では野党の話も良く流れ、窃盗も少なくない。
(彼女に何かあった時は、僕が……!)
少年は何があっても対応できるように、気を引き締め強く拳を握った。
アネシアルテが向かった先は、館から少し歩く『離れ』だった。
離れといっても館に見劣りするわけでは無い。
装飾も手が込んでいるし、ルインの住んでいた家と同じくらいの大きさはあるだろう。
何時も遠巻きで見ているだけの建物へ向かうアネシアルテに、ルインは大きな声をかける。
「アネシアルテ様!いけません!」
彼女はルインの叫びを無視し、離れの中に入っていった。
この離れは、カルタネシアより立ち入り禁止、また近づくのも禁止とされていたのだ。
アネシアルテは家族だから問題ないのかもしれないが、いくら奴隷の身分から魔法講師になったからといって、ルインが入ったことがばれてしまっては、どうなるか分かったものでは無い。
後に待ち構える恐怖と、彼女を守ろうとする使命感の狭間で、散々悩んだ挙句、少年は離れへの戸を開いた。
中ではアネシアルテが、戸の方を向いて少年が来るのを待っていた。
建物の中に入ってくるか不安だったようで、ルインの姿を見た彼女は安堵し、険しかった顔を緩める。
「良かった。こっち……」
彼女はルインの手を取ると、先導して歩き出した。
少年は、初めて彼女からの接触に胸を高鳴らせながら、引かれるままに歩き出す。
廊下を歩き、階段を上り、幾つかある部屋の一つの戸を叩いた。
コンコン
小気味良い音と共に、彼女は戸に向かって口を開く。
「母様。入るよ?」
その声音は、ルインが少女と生活していた日々で、終ぞ聞いたことのない程、優しいものだった。
部屋の中からは微かな女性の声が入室の許可を出す。
アネシアルテは一つ深呼吸をすると、把手を捻り部屋に入っていった。
廊下に一人残されたルインも、自身の身嗜みを確認し続いて部屋に入る。
部屋の中は白を基調とした、あまり派手ではない作りだった。
机と椅子、化粧棚、そして大きめの寝台。
生活に困ることは無さそうだ。
その寝台の上で、毛布を足にかけた女性が、優しい笑顔を向けていた。
言動から察するに彼女の母親なのだろう。
「母様!」
アネシアルテは母親の姿を確認するや否や、母親に向かって駆け出す。
「あらあら、アネシアは甘えん坊さんね」
微笑む女性は駆け寄る娘を抱きしめると、頭を優しく撫でた。
ルインが部屋に入り、暫くその微笑ましい光景を眺めていると、女性の声がかかる。
「あら、そちらは?」
「!初めまして。僕はアネシアルテ様の魔法講師をさせて頂いています。ルイン・フォルトと申します」
自分でも驚く程に、言葉が引っかからず出たのは、カルタネシアのような貴族特有の空気を纏っていないからだろうか。
彼女はいかにも……平民のように見えた。
ルインの名前を聞き、女性は驚きの表情を見せ、空いた口を手で覆う。
「貴方が……噂は娘から聞いています。凄い魔法使いなんですってね」
その言葉を聞いたアネシアルテは、恥ずかしそうに母親の言葉を遮った。
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