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12章 世界の法則
それぞれの役割 4
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大雨が降りしきる中、革命軍は、エルフの軍勢と合流を果たす。
エルフの軍勢は、数は然程多くはないが、誰もが精巧な鎧を身に着け、業物と言える武器を携えていた。
また種族柄か、雨でぬかるんだ森の中を、何事も無かったように駆け抜けるその姿を見て、革命軍の面々は、敵でなかったことを喜んだ。
エルフの戦士団を指揮する司祭スキニアスは、革命軍の中で佇まいが最も立派だと感じた男、ガンフに近寄り声をかける。
「よく無事だった。見たところ……被害どころか怪我人の類もなさそうだが」
周囲を見渡せば、木の洞に入って身を寄せ合う兵士の姿。
誰もが鳴り響く雷に腰を抜かし、安全と悟りつつも這い出てこれないようだ。
バルドリンガ軍が逃げたことを知るスキニアスは、ガタガタと震える人間を見ると揚々と笑って見せた。
「ははは!そんなに怖がるな!あの雷は、決して味方には落ちない。この雨もいずれ慣れるさ」
それを態度で表すように、彼は両手を広げ空を仰ぐ。
スキニアスは、努めて明るく振舞った。
例え戦闘に至らなくとも、どれだけ精神を磨耗するか知っている。
バルドリンガ軍は勿論のこと、敵か味方かも分からぬ、初めて体験する雷雨の存在が、革命軍を疲弊させたのは事実。恐れるなという方が無理なことだ。
だがスキニアスがそういった態度をとっていたにも関わらず、眼前にいるガンフの顔は優れなかった。
「……何かあったのか?」
スキニアスは、ガンフが雷雨に怯えてるわけではないと看破する。
そして、その痛々しい表情が何なのかを知っていた。争いの中で、よく見た事のある表情だ。
革命軍を介抱する戦士団。
その戦士団の後方から、鉄の人形と共に一人の少女が走りぬける。
同行していたもう一人の少女は、遥か後方に置き去りだ。
真っ赤なドレスに真っ赤な髪は降りしきる雨でずぶ濡れで、走る度に泥が跳ねドレスの裾を汚していく。
だが、少女にそれを気にかける余裕はなかった。
(嘘だ……嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!)
彼女の下に届けられた凶報。兄アルストロイの死に、ローゼリエッタは必死に願いながら走る。
少女が辿り着いたのは、立ち並ぶ樹木の中でも一番大きな樹の下だ。
そこにはセリアを初め、革命軍の主要人物とエルフの司祭たちが揃っていた。
皆が立ち並ぶ中心で、少女はその姿を見つける。
血の気の引いた白い顔。太い糸で縫合された首の傷で、頭が断ち切られたのだとわかる。
左腕は折れ曲がり、胸の心臓がある位置にも、剣で刺された傷が一つあった。
「嘘……嘘よ……眠っているんでしょう?兄さん!」
ローゼリエッタは、変わり果てた兄の腕に縋りつく。
堪え切れずに吹き出し、笑いながら起き上がって、優しく抱きしめてくれるのだと信じ。
絶えず指を通していた、傀儡人形を操る指輪を投げ捨てた妹は、冷たくなった兄の腕に触れる。
「に、いさん……」
振れた手にある筈の温もりが感じられない。瞑った目が開く様子はなく、妹の呼びかけに答える声も無い。
「いや……いやぁぁああ!!」
少女は横たわる兄に覆いかぶさった。
全身に冷たい感触が伝わり、残酷な真実を伝え続ける。
泣き叫ぶローゼリエッタ。その場の誰も、少女に声を掛けられなかった。
暫くの間、泣きじゃくったローゼリエッタは、目を手で拭うと徐に立ち上がった。
涙の跡は雨で流れ、真っ赤な瞳が一同を見渡す。
「失礼しました。直ぐにみんなを集めて。これからの事を話し合いましょう」
そこにいたのは兄の死を気丈に堪える一人の女。頭を一つ下げると、ガンフに向かって皆を集めるように指示を出した。
誰もが、少女の心を心配していた。
心にできた傷は、ちょっとやそっとで癒えることはない。むしろ許容範囲を超えた傷は、そのまま心を砕いてしまう。気丈に振舞えば振舞う程に、その傷跡は深く刻み込まれる。
「……ロゼ……」
セリアは、気丈に立つ少女の名を呟いた。
革命軍は、アルストロイの犠牲のおかげで、魔導砲を左右に別れることで回避することが出来ていた。
今では大きな蚯蚓道を隔てて、こちら側と向こう側に約半々で屯している。
ローゼリエッタの指示に従い、蚯蚓道を横断しようとガンフが歩き出した時、傷心の少女に一つの声がかかった。
「ローゼリエッタ殿。少し良いだろうか?」
その声の主は、エルフの長老だ。
集まる者たちが二つに分かれ、その中央を歩き寄ってくる。
「……なんでしょうか?」
ローゼリエッタの返事に覇気はない。必死に笑おうとしているが、その表情からも感情は感じられない。
長老は、横たわるアルストロイにゆっくりと近づくと、しゃがんでその体に触れる。
それから一言弔いの言葉を投げかけ、立ち上がると、懐から一つの袋を取り出した。
長老の言動を見て、叫び声を上げたのは、ローゼリエッタらを集落に案内したエルフの戦士、カルヴァンであった。
「長老様!?何もそこまでしなくても!」
雨の中でもよく響く、大きな声だった。
当然彼は、一同の注目を集めることになる。
しんと静まる中、長老は震える声で尋ねた。
「カルヴァンよ。なぜ止める?」
「何故とは……それは、神に与えられし世界樹の種子ではありませんか!本来であれば、長老が自ら使う物!どうか、考え直してください!」
カルヴァンは真剣な眼差しでそう訴えた。
長老は、余りにも身勝手なカルヴァンを見て激怒する。
彼はこれまで生きてきた中で、これ程怒りを覚えたことはない。
常々微笑みを絶やさず、朗らかな物言いをしていた長老が、怒りを孕んだ声を上げる。
「戯言を抜かすな!この者の犠牲無くして、我らが生き残れたと思うのか!?何百年と生きる我々エルフの代わりに、二十年程度しか生きぬ幼子が命を失ったのだ!これを嘆かずして、これに報わずして、誰が気高き森人を名乗れる!?」
カルヴァンは、怒りを露わにする長老に驚愕した。
彼が生きた三百年。一度たりとも長老の怒声を聞いたことが無かったのだ。
驚愕のあまり膠着する戦士たちを尻目に、長老は各司祭に問いかける。
「司祭よ!異論はあるか!?」
「ありません、長老よ。若き戦士に祝福を」
すぐそばにいたファルターが、横たわるアルストロイに向かって胸に手を当て傅く。
「同意だ。勇敢な戦士に敬意を」
「御心のままに。迷える魂に慈悲の灯を」
スキニアスに続き、パルカネアも同様に傅く。
そして最後に、ゲルニッヒも習って傅き、四人の司祭が頭を垂れた。
「我らエルフを救い保うた、幼き子に寵愛を」
四人が跪くと、長老は包みを開き、一粒の種子をつまみ上げる。
それを、アルストロイの胸の上に落とした。
体に触れた種子は、瞬く間に根を伸ばし、アルストロイの身体に絡みつく。
その様子を、ローゼリエッタは黙ってみているしかなかった。
絡みついた根は更に膨張を初め、やがて地面に突き刺さる。
世界樹の種子は、見る見るうちに成長し、丁度ローゼリエッタと同程度の大きさの、小さな樹木となった。
薄っすらと輝く枝葉。その淡い光は、やがて一点に集まり一つの結晶を作り出す。
「……これは?」
その光は、どこか暖かく、懐かしさを感じる。
この疑問にはエルフの長老が答えた。
「それは貴女の兄の魂。大事にしてあげなさい。短いその命が費える時まで」
「兄さんの……」
ローゼリエッタはおずおずと手を差し伸べ、枝葉を掻き分けると、黄色い結晶をもぎ取る。
すると結晶は嬉しそうにその輝きを増し、暫くして光を湛える宝石に変わった。
その不思議な現象が終わると、先程まで青々しく茂っていた世界樹の種子が、突然枯れ始め、アルストロイの身体ごと消え去ってしまう。
四人の司祭は立ち上がると、長老と共にローゼリエッタに頭を下げ、その場を後にする。
ローゼリエッタは雨に打たれながら、黄色い宝石を大切そうに胸の前で抱きしめた。
エルフの軍勢は、数は然程多くはないが、誰もが精巧な鎧を身に着け、業物と言える武器を携えていた。
また種族柄か、雨でぬかるんだ森の中を、何事も無かったように駆け抜けるその姿を見て、革命軍の面々は、敵でなかったことを喜んだ。
エルフの戦士団を指揮する司祭スキニアスは、革命軍の中で佇まいが最も立派だと感じた男、ガンフに近寄り声をかける。
「よく無事だった。見たところ……被害どころか怪我人の類もなさそうだが」
周囲を見渡せば、木の洞に入って身を寄せ合う兵士の姿。
誰もが鳴り響く雷に腰を抜かし、安全と悟りつつも這い出てこれないようだ。
バルドリンガ軍が逃げたことを知るスキニアスは、ガタガタと震える人間を見ると揚々と笑って見せた。
「ははは!そんなに怖がるな!あの雷は、決して味方には落ちない。この雨もいずれ慣れるさ」
それを態度で表すように、彼は両手を広げ空を仰ぐ。
スキニアスは、努めて明るく振舞った。
例え戦闘に至らなくとも、どれだけ精神を磨耗するか知っている。
バルドリンガ軍は勿論のこと、敵か味方かも分からぬ、初めて体験する雷雨の存在が、革命軍を疲弊させたのは事実。恐れるなという方が無理なことだ。
だがスキニアスがそういった態度をとっていたにも関わらず、眼前にいるガンフの顔は優れなかった。
「……何かあったのか?」
スキニアスは、ガンフが雷雨に怯えてるわけではないと看破する。
そして、その痛々しい表情が何なのかを知っていた。争いの中で、よく見た事のある表情だ。
革命軍を介抱する戦士団。
その戦士団の後方から、鉄の人形と共に一人の少女が走りぬける。
同行していたもう一人の少女は、遥か後方に置き去りだ。
真っ赤なドレスに真っ赤な髪は降りしきる雨でずぶ濡れで、走る度に泥が跳ねドレスの裾を汚していく。
だが、少女にそれを気にかける余裕はなかった。
(嘘だ……嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!)
彼女の下に届けられた凶報。兄アルストロイの死に、ローゼリエッタは必死に願いながら走る。
少女が辿り着いたのは、立ち並ぶ樹木の中でも一番大きな樹の下だ。
そこにはセリアを初め、革命軍の主要人物とエルフの司祭たちが揃っていた。
皆が立ち並ぶ中心で、少女はその姿を見つける。
血の気の引いた白い顔。太い糸で縫合された首の傷で、頭が断ち切られたのだとわかる。
左腕は折れ曲がり、胸の心臓がある位置にも、剣で刺された傷が一つあった。
「嘘……嘘よ……眠っているんでしょう?兄さん!」
ローゼリエッタは、変わり果てた兄の腕に縋りつく。
堪え切れずに吹き出し、笑いながら起き上がって、優しく抱きしめてくれるのだと信じ。
絶えず指を通していた、傀儡人形を操る指輪を投げ捨てた妹は、冷たくなった兄の腕に触れる。
「に、いさん……」
振れた手にある筈の温もりが感じられない。瞑った目が開く様子はなく、妹の呼びかけに答える声も無い。
「いや……いやぁぁああ!!」
少女は横たわる兄に覆いかぶさった。
全身に冷たい感触が伝わり、残酷な真実を伝え続ける。
泣き叫ぶローゼリエッタ。その場の誰も、少女に声を掛けられなかった。
暫くの間、泣きじゃくったローゼリエッタは、目を手で拭うと徐に立ち上がった。
涙の跡は雨で流れ、真っ赤な瞳が一同を見渡す。
「失礼しました。直ぐにみんなを集めて。これからの事を話し合いましょう」
そこにいたのは兄の死を気丈に堪える一人の女。頭を一つ下げると、ガンフに向かって皆を集めるように指示を出した。
誰もが、少女の心を心配していた。
心にできた傷は、ちょっとやそっとで癒えることはない。むしろ許容範囲を超えた傷は、そのまま心を砕いてしまう。気丈に振舞えば振舞う程に、その傷跡は深く刻み込まれる。
「……ロゼ……」
セリアは、気丈に立つ少女の名を呟いた。
革命軍は、アルストロイの犠牲のおかげで、魔導砲を左右に別れることで回避することが出来ていた。
今では大きな蚯蚓道を隔てて、こちら側と向こう側に約半々で屯している。
ローゼリエッタの指示に従い、蚯蚓道を横断しようとガンフが歩き出した時、傷心の少女に一つの声がかかった。
「ローゼリエッタ殿。少し良いだろうか?」
その声の主は、エルフの長老だ。
集まる者たちが二つに分かれ、その中央を歩き寄ってくる。
「……なんでしょうか?」
ローゼリエッタの返事に覇気はない。必死に笑おうとしているが、その表情からも感情は感じられない。
長老は、横たわるアルストロイにゆっくりと近づくと、しゃがんでその体に触れる。
それから一言弔いの言葉を投げかけ、立ち上がると、懐から一つの袋を取り出した。
長老の言動を見て、叫び声を上げたのは、ローゼリエッタらを集落に案内したエルフの戦士、カルヴァンであった。
「長老様!?何もそこまでしなくても!」
雨の中でもよく響く、大きな声だった。
当然彼は、一同の注目を集めることになる。
しんと静まる中、長老は震える声で尋ねた。
「カルヴァンよ。なぜ止める?」
「何故とは……それは、神に与えられし世界樹の種子ではありませんか!本来であれば、長老が自ら使う物!どうか、考え直してください!」
カルヴァンは真剣な眼差しでそう訴えた。
長老は、余りにも身勝手なカルヴァンを見て激怒する。
彼はこれまで生きてきた中で、これ程怒りを覚えたことはない。
常々微笑みを絶やさず、朗らかな物言いをしていた長老が、怒りを孕んだ声を上げる。
「戯言を抜かすな!この者の犠牲無くして、我らが生き残れたと思うのか!?何百年と生きる我々エルフの代わりに、二十年程度しか生きぬ幼子が命を失ったのだ!これを嘆かずして、これに報わずして、誰が気高き森人を名乗れる!?」
カルヴァンは、怒りを露わにする長老に驚愕した。
彼が生きた三百年。一度たりとも長老の怒声を聞いたことが無かったのだ。
驚愕のあまり膠着する戦士たちを尻目に、長老は各司祭に問いかける。
「司祭よ!異論はあるか!?」
「ありません、長老よ。若き戦士に祝福を」
すぐそばにいたファルターが、横たわるアルストロイに向かって胸に手を当て傅く。
「同意だ。勇敢な戦士に敬意を」
「御心のままに。迷える魂に慈悲の灯を」
スキニアスに続き、パルカネアも同様に傅く。
そして最後に、ゲルニッヒも習って傅き、四人の司祭が頭を垂れた。
「我らエルフを救い保うた、幼き子に寵愛を」
四人が跪くと、長老は包みを開き、一粒の種子をつまみ上げる。
それを、アルストロイの胸の上に落とした。
体に触れた種子は、瞬く間に根を伸ばし、アルストロイの身体に絡みつく。
その様子を、ローゼリエッタは黙ってみているしかなかった。
絡みついた根は更に膨張を初め、やがて地面に突き刺さる。
世界樹の種子は、見る見るうちに成長し、丁度ローゼリエッタと同程度の大きさの、小さな樹木となった。
薄っすらと輝く枝葉。その淡い光は、やがて一点に集まり一つの結晶を作り出す。
「……これは?」
その光は、どこか暖かく、懐かしさを感じる。
この疑問にはエルフの長老が答えた。
「それは貴女の兄の魂。大事にしてあげなさい。短いその命が費える時まで」
「兄さんの……」
ローゼリエッタはおずおずと手を差し伸べ、枝葉を掻き分けると、黄色い結晶をもぎ取る。
すると結晶は嬉しそうにその輝きを増し、暫くして光を湛える宝石に変わった。
その不思議な現象が終わると、先程まで青々しく茂っていた世界樹の種子が、突然枯れ始め、アルストロイの身体ごと消え去ってしまう。
四人の司祭は立ち上がると、長老と共にローゼリエッタに頭を下げ、その場を後にする。
ローゼリエッタは雨に打たれながら、黄色い宝石を大切そうに胸の前で抱きしめた。
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