蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(BL)

桜花(sakura)

文字の大きさ
812 / 813

涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2 番外編1

しおりを挟む
   桜の家

 風side

 さくらの家  ケーキ&カフェ 『フリージア』職員の皆様へ

『施設に暮らす女の子の誕生日会を催すので、参加して頂けませんか?』

 招待状を頂いたんだ。もちろん、エイ、リョウ、心紀にぃ、倫にぃ、俺も喜んで参加する旨伝えたよ。

 園長さんから、事前にお願いしたい事がある。との事で。俺、さくらの家に出向いたの。 


 そこで依頼された事に、俺は嬉しくて、心が温かくなって…… 『喜んでお受け致します』って答えたんだ。

 一週間後。

 -さくらの家-

 今日は、2月14日バレンタインデー。 俺達5人はお祝いのケーキを携えてさくらの家にお邪魔しているんだけど…… 

 園長先生の挨拶の後、堅苦しい事は抜きって、各々好きな場所で(ソファー.絨毯の上.テーブル)過ごしてんだけど。


 そこで繰り広げられている光景が、面白すぎて俺は一人ツボに入ってた。


 エイのトコには。5歳の男の子のそうくん。エイにベッタリの颯くん。上座から見て右側のテーブル席にエイと仲良く並んで座ってね。エイがさ。いつも以上に優しい表情で……デレた顔で颯くんに、アーンしてケーキを食べさせてあげてるの。颯くんエイが気に入ったみたい。ずっとエイの顔を見つめてる。付き合いたてのカップルみたいだ(笑)


 テーブル席の上座から見て、左側の席のリョウのトコには。小学一年生の 7歳の女の子の 梨理りりちゃんと、小学三年生の  9歳 女の子の璃蘭りらちゃん。梨理ちゃんと璃蘭ちゃんに挟まれて両手に花のリョウ。すげぇ熱心に二人の人生相談?に乗ってんの。リョウの小悪魔的な微笑みで……ちっちゃな女の子達も花のように笑ってるねぇ。


 床に陣取った、心紀にぃのトコには。小学二年生の 8歳の男の子の悠里ゆうりくん。小学四年生の  10歳の男の子の一磨かずまくん。中学一年生の  13歳の 男の子の尊斗たけとくん。男子校の乗り(笑)。悠里くん、一磨くん、尊斗くん三人と同じワチャワチャおしゃべりしたり戯れたりと、騒ぎ過ぎて園長先生に怒られてるし(笑)


 ソファーで寛ぐ倫にぃのトコには。中学一年の 13歳の女の子の桃音もねちゃん。中学三年生の 14歳の女の子の 咲葵さきちゃん。高校一年生の 16歳女の子のちゃん百合ゆりちゃん。さすがだね倫にぃモテモテだね。桃音ちゃん、咲葵ちゃん、百合ちゃんと、優しくアドレスしてあげたりと。恋バナを繰り広げてる(笑)


 テーブルの上座。俺のトコには。本日の主役の4歳の女の子の 美桜みおちゃん。小麦粉アレルギーがあるからね。 ホットケーキミックスで、イチゴのショートケーキを作ってプレゼントしたんだけど。 花が綻ぶような 可愛らしい笑顔で喜んでくれたの。美桜ちゃんはチョッと内気さんらしいけど、 一口一口、アーンしてあげると『おいちい』って。


 ──

 -一週間前-


『私達は、ケーキ作りは不得手でして。子供達、一人ひとりに合ったケーキを作ってあげたいと…… この前子供達が、とても幸せそうにケーキを食べている姿を見て。 私達厨房スタッフはケーキが作れるようになりたいと思ったんです。作り方を教えて頂きありがとうございました』


 園長先生からのお願い『厨房スタッフさんに、ケーキの作りをお教え頂けませんか?』って。

 厨房スタッフさん達の、想いや夢を聞いて。俺達五人は『喜んでお手伝いさせて頂きます』って、お答えしたんだ。

 一週間、厨房スタッフさんが交代で研修に来られて。今日は、園の仕事もあるからね。厨房長さんだけフリージアに来て頂いて一緒にケーキ作りをしたんだ。


 ──
「子供達が『 もう一度、フリージアのケーキが食べたい!』って。滅多におねだりをしない子供達が、何回も何回も。その夢を叶えてあげたくて。皆さんありがとうございました」


 園長先生の言葉が嬉しかった。


 風「ありがとうございます。俺達も子供達が『美味しい!』って笑顔で食べてくれた事。とても嬉しくて幸せです」


『美味しい』

 こんなパティシエ冥利に尽きる言葉はないよね。


 美桜ちゃん、一生懸命に俺に『ね』『あのね』って、おしゃべりを聞かせてくれて。

(四歳……涼優花、風優花と同い年……)

 涙が、溢れて来そうで……

 美桜「いたいの? よしよし、いいこね」

 美桜ちゃんは、そんな俺の顔を心配そうに覗き込むと『いたいの? よしよし、いいこね』って、椅子の上に膝立して、頭を優しく撫でてくれたんだ。

 椅子の上で膝立は危ないからね。椅子に座らせてから。


 風「ありがとう。痛いの治ったよ」

 って。

 って微笑んで見せると美桜ちゃんは笑ってくれて。他の子供達も。

 その影で。

 エイ、リョウ、心紀にぃ、倫にぃが心配そうに、俺を見つめてたなんて気付きもしなかったんだ……









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

処理中です...