蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

エースの涙 2-2

 翌日 

野球部 部室

 心紀side


風「源本先輩、腕くらい自分で揉みますから」

倫「バカ!間違ったケアしてかえって悪化したらどうするんだ？風!…ゴメン…バカとか」

心紀「風ちゃん、倫先輩はご自分が通う整体の先生から正しいケアの仕方とか聞いてくれてるんだ。任せた方が良いよ」


風「源本先輩…ありがとうございます」

倫「イヤ…俺は、まだ高校生だし、自宅で出来る範囲のケアの仕方程度だよ」


英士「けど…オイラ達さ、スポーツトレーナーになるって決めた割には、 ほとんどその為の努力してなくね？御厨」

涼也「してないですよね。山乃さん。少しずつ本とかで、勉強始めてるけど…マッサージに通って話を聞くとかしてないですもん」


風「英士、涼也？充分してもらってるよ？時に、力が入らなくてボタン、ハメられない時とかに手伝ってもらったり…二人にはどうしても、気分が落ちた時に不機嫌な態度とか見せちゃって悪いと思ってるんだ。 そんな俺でも怒ったりせずに優しく接してもらって精神面で支えてもらって。感謝してるんだ」

心紀「風ちゃん…俺は、風ちゃんの話を聞く位しか出来ないけどさ、もっと頼ってよ。愚痴いっぱい聞くよ？」

風「ありがとう。冴多くん。俺は冴多くんの明るさに救われてんの。ありがとう…ってなんで涙が出るんだよっ」

  可哀想に風ちゃん… いくらさ、基本ポジティブな風ちゃんでも、急激な環境の変化とか。大好きだった野球が出来なくなったんだもん

そりゃ情緒不安定になるよね…

英士「風ちゃん… まだまだオイラ、頼りないかもしんないけど…頼ってよ」

涼也「風ちゃん… まだまだ俺、頼りないかもしんないけど…頼って下さい」

風「サンキュー…涼也、 英士は頼りなくなんかないよ。本当に良かった。英士と涼也、冴多くんに、源本先輩が…仲間がいてくれて… だから俺。たとえ違う形でもマネージャーとしてでも野球を続けたいっ 思ったんだもん」

英士「風ちゃん…」

涼也「風ちゃん…」

心紀「風ちゃん…」

倫「風…」

こんな嬉しい言葉はないよね？きっと、倫先輩も、山乃と、御厨も同じ気持ちだったと思うんだ 

これからも、それぞれの立場。方法で、風ちゃんを支える!って

改めて思ったんだ…