蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

秘密の館の秘密の住人 2-17

    風side

  風「なんか変…」

なんか変…どこじゃないよね… どう見たって


微妙に物が動いてる？


え？

その時感じた妙な違和感と…微妙な空気の変化…

風「そんな…」

僕は怖かった…でもっ

風「写真 …写真だけでもっ」

  英士&涼也&心紀&倫side

何だ… あれは…

  オイラは目の前で起きている事が現実に思えなくて

嘘…ですよね？

 私は… 余りの怖さに思考回路が止まってしまって

 何でっ…嘘だって言ってよ

  僕は…怖くて身体がガタガタ震えて

嘘に決まってる

  俺だけは 冷静にいなきゃと思っても 冷静でなんかじゃいられなくて

倫「英士っ!涼也っ!待てっ!危ない!!」

瞬間 、英士と涼也が風の家の庭先にある井戸に駆け出して行って、 頭から水を被ると二人して家の中へと 入って行ってしまったんだ

心紀「倫おいちゃん !どうしよう… 火… 火が上がってるっ!」

    木造の平屋建て。左側に台所と居間があって、扉を隔てた右側に風ちゃんと風音さんの寝室の造り

   寝室の方から火の手が上がってたんだ…

倫「だ、大丈夫だからなっ…ってお前達待てっ!」

そん時裏口から二人の男が出て来たんだ… 僕達に気付かななかったのか、慌てた様子で乗って来た馬に乗って駆け出して行ってしまって

「倫様っ! 心紀様こちらの馬車にお乗り下さいませっ!あやつらは、調べの付いてるアジトの方へ向かったと思われますっ!追っかけましょう!」

 文也だった。部下の者と一緒で

倫「分かった!その前に子供達を助けてくる!」

文也「…承知しました。倫様くれぐれもお気を付けて下さいませっ」

倫「ああ…こら待て心紀っ!お前達!子供達を助け出してから、この後のこと指示するから 待っててくれ!」

文也「はい!」

心紀まで井戸の水をか被ると家の中へ入って行ってしまって

俺は慌てて後を追ったんだ…


英士くんと、リョウから遅れて僕も家の中へ


心紀「風ちゃん!英士くん!リョウ!」

英士「心紀!」

  居間に入ると、風ちゃんを左右両脇から支えている英士くんと、リョウがいたんだ

英士「風が気を失ってる早く!」

涼也「風ちゃんを医者に見せなくちゃ!」

倫「英士!心紀!涼也!風!早く出るぞ!」
 

倫おいちゃんが来てくれて僕達は、 なんとか家の外へ出る事が出来たんだ…