蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

キミの声が聞きたくて2 恋人達編9

  風side

 リョウくんは俺に『不安なんか抱かせません』って。俺が不安な時に『大丈夫ですからね』って安心をくれるんだ

 俺を暗闇から救いだしてくれたんだもん。俺自身の問題なの…

    チュッ

 リョウくんにキスされて、身体中に甘い痺れが走る。けど次の瞬間にいたたまれない気持ちになっちゃうんだ

 俺はどうしたらいいの？

《固まってんじゃない!俺を満足させろよ》

 忘れたい声…

 リョウくん？俺、何したら良いの？

 
 涼也side

 フウちゃんの身体強張っちゃってる…可哀想に…

 …両手を胸の前で組んで。フウちゃんは恐怖心から目をギュって瞑ってしまってるんだ

 あの男がフウちゃんにした事が俺は許せなかったんだ

 一方的に、自分の快楽だけを優先した情事で、相手に深い心の傷を残したんです…罪は重い…

涼也「フウちゃん？目を開けられますか？」

 なるべくゆっくり、安心出来る声音でフウちゃんに話掛けますからね


 風side

リョウくんの優しい声…ゆっくり目を開ければリョウくんが微笑んでいて

涼也〔フウちゃん。ふたりで気持ち良くなりましょうね？〕

 リョウくんの唇の動きで、リョウくんの想いを知るの

涼也〔フウちゃんは、俺を気持ちよくできない。どうしたら？って考えてるでしょ？俺ね、一方的に快楽を求めるのなんて望んでませんからね。俺がフウちゃんを愛して、フウちゃんが気持ちよくなったら、俺も気持ちよくなれるんですからね？心配しないで、俺の愛撫を受けて下さい〕

 リョウくんの優しい言葉を。一字一句聞き漏らしたくなかった…

風「リョウくんはいつだって俺の想いを直ぐに察してくれるね」


   涼也side

  ようやく安心した表情を浮かべたフウちゃん

涼也〔フウちゃん怖くしません… 俺に委ねて？〕

 その瞬間 、俺の左の二の腕に遠慮がちに触れてはにかんだ様に微笑んだフウちゃん

 (フウちゃん… 微笑むのも、腕に軽く触れるのも反則ですってば…)

 俺は、フウちゃんの右手に、俺の右手を。恋人 繋ぎすると

涼也〔フウちゃんは小悪魔ですね。たまらない〕

 チュッ

フウちゃんの、プルンとした魅惑の唇にキスして

涼也〔フウちゃん一緒に愛し合いましょう？〕

風「リョウくん…」