蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ17

　涼也.英士side

　3人で語り合った、調理実習室

　これで、風センセと、少しは距離が縮まったかな？　

　そう思ったのに……

　それから少しして、風センセが


『しばらく桜王先生は、お休みされます』


　校長先生から直々に、お達しが


　英士「連絡先とか、教えて貰っておけば良かったね」

　涼也「今のご時世 教えて下さい。って、言って教えて貰える訳無いしね（学校に）」


　２ヶ月後


　２ヶ月 、学校お休みされて、久しぶりに風センセが学校に……


　涼也「風センセ…… 何があったんだろう？」

　英士「校長先生と、何を話されているんだろうね？」


　久しぶりに 再会した風センセは

　元々色白なのに…… 青白いと言うか顔色も悪いし……


　痩せてしまったのか、華奢な身体がさらに華奢になっちゃって……


　風センセ何があったんですか？　


　-校長室 応接室-

《退職願》

　風「２ヶ月間休みを頂いて、我が儘を聞いて頂いた上、籍を残して頂いたのに…… 本当に申し訳ないんですが退職させて下さい」

　風汰「とりあえず、お預かりしますね。返事はもう少し待って下さい。私は、桜王先生とずっと話をしたい。と思ってました。ここからは 、校長と、講師としてでは無く、プライベートな話を しましょうか？」

　風「校長先生？」


　風汰「私は、自分のした決断を後悔しました。 かつて、深く愛した女性に瓜二つで。名前にも『風』の字が。風音と、私の風汰の名前と同じ。『風』の字…… 20年間、 貴方の息子という存在を、知らぬまま。貴方に捧げるべき愛を捧げる事をしてこなかった 。愚かな父親…… 本当にごめんなさい」


　俺は、目の前の男性の話を、どこか他人事の様な感じで聞いていた

　この人が父親……

　けれど、自分が少なくとも、母親には望まれて生まれてきた事だけは分かった


　母親の話が正しかったのだと


　俺と、母の今を知るために、色々調べたり動いて下さった事は伝わって来たから


　風「お話は、分かりましたした。『母と、貴方に望まれて生まれまれて来た人間だ』と知る事が出来ただけで。俺は…… すみません。話を戻しますね。俺は、製菓調理専門学校の講師。としては、務まらない致命的欠陥が……ですから、退職させて下さい。お願いします」