蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

追憶のキミ30

  倫「心紀様が、風若様を立て。風若様も、心紀様を… お二方が文通にて繋がっている事。そして風若様の小姓の、涼也殿も私と同じ… 殆どの、それぞれの家臣は… 風若様をお守りしたいと考えているのです。しかし…」

心紀「私の母上、蘭の方の兄と、風の若君のお母上の櫻の方様のに、別れて仕えている二人の兄、伯父上達の権力争い… 姉妹である、櫻の方と、蘭の方は互いに相手を思いやっているというのに… 母上は泣いておられたのだ。櫻の方様が『風は、少しばかり体が弱いから、心紀様… 私に跡目を継がせる事も厭わない」』と仰られたと…」

倫「私の父と、そして涼也殿の父上も… 本音はどうあれ、計画に加担している事は間違い無いのです。先程まで心紀様の付きの伯父の、日向の守(ヒュウガノカミ)と、私の父が風若様を… と。話し合っていたのと同じ様に。風若様付きの伯父の、内大臣(ナイダイジン)と、涼也殿の父上は心紀様を… と。話合っていたと。涼也殿が…」

(出来ればそのような事はしたくないと… 私も、涼也殿も思っていて… 心紀様と風若様が文通にて心を通わせている様に。涼也殿と私も秘密裏に繋がっていて、情報をやり取りしていた)


*櫓とは、城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物である。日本では石垣や土塁の上に木造の建築を建てて、攻め手への攻撃と防御を有利に働かせた。多くの例は、通常の窓のほかに攻撃用の小規模な開口を複数箇所設けてある。櫓(やぐら)は元々「矢倉」と書かれ、弓矢や刀、甲(かぶと)などをしまう武器庫を意味し、見晴らしのよい高いところにつくられている

参考文献 Wikipedia他