蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

追憶のキミ25

 心紀side

心紀「風ちゃん!」

　俺は、離れた所から叫ぶ事しか出来なくて… けどっ。音声だけは残すんだって、必死で…

　俺は冷静に周りを見れなくて…

　でも、気付いたら源本センセが俺の方に来て

倫「冴多。音声残せて偉かったな」

　って、肩を抱いてくれたのが嬉しかったんだ…


　倫side

　俺の出来る事は… 必死に、携帯のカメラで、動画でヤツの行動を、撮影して

　御厨先生が、ヤツがお客様を押す瞬間、必死にヤツの腕を取り、自分の方引っ張って。そのおかげか… 結果ぶつかって、風くんは落ちてしまったけれど、お客様はなんとか階段に落ちるのを阻止する事が出来て

倫『冴多。音声残せて偉かったな』

　ショックを受けている、冴多を落ち着かせてあげる事…


　英士side
　
　風ちゃんが…

　防御の為作られた階段は。角度が半端なくて60何度とか？なんだよ

　そんな所から落ちたら、絶対ただじゃ済まないはず

　階段を… 数歩でも上へ登って

　オイラは少しでも、衝撃を和らげてあげたくて…
　
　(風ちゃんを受け止めるっ)

-ドサッ-
　
　(良かった…無事に受け止めることが出来た…)


涼也「風ちゃん!」

英士「風ちゃん!」

心紀「風ちゃん!」

倫「風くん!」

　
　涼也side

　良かった… 山乃さんが風ちゃんを無事受け止めてくれて…

俺と、冴多と、源本先生は、急いで階下に降りて 山乃さんと共に

　風ちゃんに必死に呼びかけて

見た所大きな怪我も無かった見たいだけど…
可哀想に… 風ちゃん気を失ってしまって…
　
　一般のお客様達が奴を捕まえて、救急車と、警察に連絡してくれて

俺達必死で、絶対にヤツの思う通りになんてさせない

　最悪の事態になんてさせないんだ!って

　とにかく必死で

　こんな時でも、どこか俺は違う事も考えちゃうってのが悪い癖で

　ヤツは、山乃さんを焚き付けて怒らせて、天守閣を去る様に仕向けたかったんだと思う…

山乃さんは、ヤツの策に乗って、怒りの余り階下に降りる…

　テイを装って…

　ヤツの行動を先読みしたんじゃないか？って風ちゃんに対する仕打ちを読んで…

　そして… 俺達がそれぞれ、自分のすべき事をするはずだ。って考えて

　そういう行動を取ったのだとしたら… すごい器の大きい人だ

　山乃さんも風ちゃんに惹かれてるんだよね…

　風ちゃん病院に搬送されたんだけど

涼也「風ちゃん… お願い… 目を覚まして…」