蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

エースの涙19

  ノックと共に入ってきたのは…

涼也.英士.心紀.倫｢今井先生｣

今井「なかなか、興味深い会話をしてたもんだから、入りそびれて。そこに私も加わって良いかな？」


　その瞬間

　桜王先輩さ、一筋の涙を綺麗な左の瞳からスーって… 俺、内心ド○○キしちゃって

　桜王先輩の涙に。オイラ、ド○○キしたんだ… けどその涙の理由って… 何ですか…


風「今井先生。わざわざすみません。どうぞ。そちらの椅子に…｣

今井｢桜王… お前って子は… いいから皆に任せて。お前は私と話をしようかね？」

風「はい(笑)｣

　今井先生の顔見た途端、涙が溢れて来た。 先生はいつも何も言わなくたって、俺の事分かってくれるような気がして…

今井｢桜王。お父さんの話だけど。二人とも不器用で。特にお父さんがね… 言葉の真意を伝えなかったから誤解がね、生じているんだよ｣

風「誤解？｣

今井「桜王。お父さんのお前に対する愛情は、大したもんだ。入学した時に新入生代表の挨拶に決まったのを、お父さんに伝えなかっただろう？お父さんは入学式に参加して、お前を見て凄く嬉しかったそうだ」

風「父はわざわざ。今井先生に何かを言いに来たんですか？」

涼也.英士(瞬間、桜王先輩の表情、凄い強張ってさ)

今井「いや、野球部に入部したお前の事を『どうぞよろしくお願いします』と言いに来て下さったんだよ『ずっと、私達親子は揉めていて。私はどうにも引くに引けなくなりまして。もう本当は、自分の道を見つけて、歩み出した風に、『頑張れ』って言ってあげたいんです。風の性格からして、悔しさをバネにして本当に何かしらの頂点を目指す筈ですが、その過程の努力を頑張れたら、その後の人生、辛い事が起きても… 風なら乗り越えられる!と。頑張って欲しいと。本当に私は不器用で… 直接本人に言ってあげれば良いものを…』そうおっしゃられたんだよ｣


風「父さん… ウッ」

今井「桜王… 悔しいよな… 泣きなさい…」

　
　桜王先輩は ベッドにうつ伏せになり泣いている…

　その姿を横目で見ながら、俺達も泣きながら…

　
　話があるとおっしゃられた、今井先生の話を聞いたんだけど