蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

夢でしか逢えない 6

  就業前の準備をしながら、と言っても… 伯父さんは、少し仕事を減らしたけど、昔からのお客様の中には、伯父さんの方に見てもらいたい人もいる訳で。それに加えて朝の掃除… ハッキリ言って下手くそな俺がやるよりも、自分達がやった方が綺麗になる!という理由からね？ベテランの歯科衛生士さん達がしてくれるしね(笑)

　全く… リョウの奴は…

リョウ『ゴメン! 俺習った通りにしてるんだよ？けどあんま綺麗になんなくて… あのさ俺、器具揃えるとかの方が得意だからさ…』

　とか、ナンとか… 天性の人懐こさでベテランの女性職員さん達をさ… 皆も、オイラとリョウの家近くて、小さい時から知ってるから気心も知れてるしで…

『もう!リョウくん、可愛いから許しちゃう!』

　まぁね。リョウの言う通り、互いに得意な方をしたりしてるからさ。良いんだけどね？それに、オイラの事も可愛がってくれて。働きやすいようにって心を配ってくれたり、オイラの治療の技術が上がるようにって、わざわざ予約取ってまでさ、俺のお客として… そういう方向で手伝ってくれて

英士｢ホント恵まれた環境で働けてさ、オイラとリョウ幸せだよね？｣

ってさ、話てんだよね



　… 前置き長くなっちゃった

　そんな感じで朝の支度してたんだけどね？

　
　ディスプレイの番号を、見た瞬間

　嘘だろう？朝からあのテンションで来られたくないぞ…

　俺と英士くんの幼馴染の、冴多心紀
からで…

　一瞬、そう思ったんだけどさ…

　私用の携帯にしか掛けてこない奴が、仕事の電話に…

　それも声のトーンだって、いつもより低いし…

リョウ｢何？ミサくん？どうしたの？何かあったの？｣

　俺、すげぇ心配になっちゃって

心紀『良かったよ。こんな時にリョウの毒舌聞かなくてすんで…』


(…オイこら!ミラクル冴多っ!折角人が心配してヤったのにっ!英士くん？笑ってんじゃねぇよっ!)