蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

色香を隠していても… 11

 涼也｢…ねぇ、エイくん。俺達バカみたいに呆けてる場合じゃないよね？風ちゃん行っちゃたじゃん!どうしよう？｣

英士｢神様は、いるよリョウ… 机の上見てみ？｣

　焦る俺とは裏腹に、落ち着いているエイくんの声に、机の上を見ると風ちゃんが電話しながらメモってた紙…

風ちゃん、焦ってたのかな？置き忘れるとか

涼也｢は、早く行こう!俺ミサくんに連絡する!｣

　珍しくテンパっているリョウ。オイラだって内心焦ってるけど、こんな時年上のオイラが落ち着かなきゃ。とか変なこと考えてた

英士｢オイラ、リンに連絡する!行こうリョウ!｣
　
　タクシー内にて

　タクシーの運ちゃんに、怪しまれ無いようにmailしてんの

from涼也toミサくん 《ミサくん。詳しい事は後!風ちゃん、ヤバイんだって! 凄い執念だよね。って言ってたの。脅されてんのかもしんない… だから…》

心紀〈分かった!個室には案内しないようにする!〉

泣いてる場合じゃないよね？風ちゃんを助けなきゃ

俺、高校卒業して、バーテンダーになる勉強して。今日オーナーが休みでお店を一人で任されたの

　机の上のメモに、俺が勤めている店の名前書いてあったって

　これを逃したら、もう二度と風ちゃんには…

英士《落ち着いてね？リン。風ちゃん、ミサの店に向かってるの。俺と涼也も行くから!なぁ、これって立派な脅迫罪だよね？》

倫〈風くんの言葉だけ聞いてたらそう聞こえるけど… 神様っていたんだね？絶対に助けようね!エイくん!〉

涙が止まらなかった。風くんに逢える…

　警察官になって、今年から刑事課に配属になった俺… 俺が警察官になったのって…

　脅迫… ソイツがしてるなら… 俺が必ず!

　これは偶然ではなく必然なんだ!…

Bar

｢いらっしゃいませ｣

　ドアを開けた瞬間、カウンターの中のバーテンダーを見た瞬間

　まさか…

心紀｢すみませんお客様。本日個室が空いて無くてカウンターでよろしいですか？｣

逃げたくなった…

ーカランー

　オレより遅れて入って来た人物… やっぱりだ…

　本間の奴、なんで個室のある店にしてくれなかったんだよっ!…Bar とかあり得ないだろ!

　これから話し合う事、彼には聞かれたく無かった…

ーカランー

　なんで…

風｢今日は厄日だ…｣

　思わず天を仰ぎ、呟いてた…

どうして？リョウと、エイシくん、ミサキ、リン

　14年ぶりの再会が… 今日なの？

　聞かれたくない事… 皆が揃う場面でって…


　ホントあり得ない…