蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

花(華)の屋敷10

 失礼なのは、重々承知していた

　しかし、フウ様と、エイシさんの配慮がありがたければありがたい程、何故という思いから部屋に来てしまったのだが

フウ『リン？良かった…』

リン｢フウさん？良かった… とは…｣

フウ｢リン… 互いを想うあまり、すれ違っていたという事だ。エイシのお陰でね｣

俯き加減で、微かに微笑み、何か得心したようにそう仰ったフウさん

　 (益々、分かんねぇ…)

リョウ｢エイシさん、分かったでしょう？貴方の想いは尊い。しかしその為に、御三方共擦れ違い傷付いている。それは貴方が望まない事では無いのですか？その想いを話す事は貴方の役目では無いのですか？｣

フウ｢エイシ、これまでの配慮本当に感謝している。この花屋敷で私を守ってくれた事。3年前に、私がここへ来てから一度たりとて客を取らせなかったのには意味があるのではないか？それはエイシのお父上の代からずっと… 今日こそ本当の事話して貰いたい。そしてリョウ様貴方も何か知っていらっしゃるのでしょう？教えて下さい。又、私に目を掛けて下さっている事、ありがたいと思っています｣

エイシ｢分かった… 私は、意固地になって、今迄、事の次第を伝えようとはしなかった… 許しておくれ。父上の想いを…｣

リョウ｢3年前？｣

フウ｢リョウ様どうしたのです？ちなみに、私とエイシが出会ったは1年前です。エイシが、父親から引き継いだ時に会ったのです｣


　もっと昔から知り合いかと思っていた… そうか… まだ日が浅かったんだ

良かった…

　フウ様は… なぜ私が驚いたか気づいてない様ですが、エイシ殿気づいた様ですねぇ？嫌そうな顔して私を睨んでいる(笑)

 ナンカ…　フウさんを巡ってエイシさんと、リョウ様は火花を…　フウさんは気が付いて無いけど…そんな事を、考えていたら

 フウ｢どうぞ、お待たせしました。お入り下さいお客様！リン…　そなたを心配して付いて来て下さったのだろう？そなたのお客様は。なのに鼻先で障子を閉めて…　入って貰いなさい！｣

 フウさん…自分の事には、疎いのに、他の者の事となると聡いお方だ)