蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

花(華)の屋敷 2

  エイシの部屋

フウ｢エイシ、頼んだ事に抜かりはないな？｣

エイシ｢あぁ、心配いらねぇ…｣

フウ｢なぁ、エイシ…｣

エイシ｢ダメだ！それだけは！｣

フウ｢…まだ何も… オヤジさんの代からエイシの代になったのだから… それに、私だけそんな我儘が…｣

エイシ｢オヤジ云々ではない、私もソコは譲れない！｣

フウ｢…ガンコ… 分かった。けど、私は覚悟は出来ているのだ｣

ーー

エイシ｢全く… あの御方は…｣


あり得ぬ事を…

　
　尊く美しい方を…

　華を汚すなど


エイシ｢フウ… 客をなんぞ… あってはならないのだ…｣


　ガタっ

エイシ｢誰だ？！」


　先程から感じる何者かの気配…

リョウ｢あの…」


　あぁ、迷い犬か…

　《猫では無い。目の前の男… 柴犬》

　だが、可愛いらしい風貌とは真逆の

　切れ者な雰囲気を感じる…


　この男の出現に何故か… 心ザワツキ

何か事が起こる前触れではないかと

　漠然と感じたのだ…


　フウ…