蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

Twin ray 11

寝室

リョウ｢とても綺麗な寝顔ですね… フウ王子… 私の母上から聞いた物語なのですが、耳元で話しますね？｣

フウレイ『18年前、私の二つ上の姉リンレイは、☆☆国の妃に選ばれました。若い王子と娘は互いに惹かれあった。と同時に、▲▲国の王子もリンレイを望んでいた。結婚して暫くは穏やかに… しかし魔の手はすぐそこに。リンレイは、産後の肥立ちがあまり良くなくて、亡くなりました… リンレイ自身が望ん事もあり、私が王子様の身の回りを見る事に。その時、私は◇◇国の王子様に嫁ぐ事が決まっていた。私はとても幸せな気分だった。半年後、▲▲の国の王子が、今度こそ私を… と言って来た。渡さなければ侵略すると。けれど、☆☆国の王子様は、▲▲国の王子の望む条件が、『一度も異性とのを交わりを持っ事た事の無い者』である事に目ををつけて…『私と情を通わせれば、その条件は満たされない事になり、嫁がなくてもよくなる』と。一夜を共にした私は、▲▲国に嫁がなくて良くなった事は、感謝申し上げました。けれどもう、◇◇国の王子様に嫁ぐ事とは出来ないと… ☆☆国の王子様に支える覚悟を… いえ… まだ一目もお会いした事のない方よりも、目の前の方に惹かれていると思っていたからこそ、一夜を共に過ごす事を了承したのかもしれません… しかし、王子様は泣きながら謝られ『フウレイを愛しているのも真実なら、リンレイを愛し続けるのも真実。貴女にはこの国で、世間の目から厳しい目を向けられるよりも、◇◇国の王子に嫁ぎ幸せな人生を送って頂きたい』あの方はご自分が、貴方のお父様に… そのお覚悟で真実をお伝えになり、どうか私を『受け入れて欲しい』と自ら、◇◇国に出向き頼んで下さいました。貴方のお父様も、懐の深い方です。私を今持って慈しんで下さって。私も心からお慕い申し上げています。本当に感謝しています』

リョウ｢フウ王子？なぜ泣いておられるのです？貴方という方は… 妃という立場になる所だったのですよ？そんな事になったら私は… 全く目の離せないお方だ｣
　
　ふと気づく… 泣いていらっしゃるフウ王子に…

　その涙は不謹慎ながら美しく見え… 大きく美しい瞳から流れる涙を唇で…