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私は望まれて生まれて来たのですか?

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   再会の後 リビング

 倫side

 風音「源本くん。月乃さん。風歌ちゃんをこれまで……こんなにも優しい女の子に……慈しんで育てて下さってありがとうございました。るなちゃんにも感謝の言葉しかありません……」

 風音……

 倫「風音……礼なんていいんだ……もう頭を下げなくて良いからな……それより……全く……俺の娘なのに、何で風歌とるなはあんなに真っ直ぐ育ったんだろうな? 二人は分かる?」

 月乃「私が育てたからに決まっているじゃない……ってのは冗談で。倫にそっくりよ。曲がった事が大嫌いで 嘘付けなくて……私は、何とかなるでしょってタイプだけど……仁《じん》さんが倫と同じ真っ直ぐな人だったから。ふうちゃんもるなも、真っ直ぐに育ったのかしらね?」

 倫「ああ、そうか……仁さんのお陰か……真っ直ぐ過ぎて、二人も時に苦しくなったりしてしまうんだろな……」

 ──

 風歌『風音さん、パパ。一つ確認しても良いですか?』

 泣きそうな表情……すがる様な……

 倫『いいよ。風歌』

 風音『何でも答えるわ。風歌ちゃん』

 目を瞑り、胸に両手を当てて大きく深呼吸して

 風歌『パパ……風音さんを今も愛していますか?』

 倫『ああ』

 風歌『風音さん……ママ……今もパパを愛していますか?』

 風音『ええ……』

 風歌『私は……望まれて生まれて来たのですか?』

 両手を……指を絡ませて組んで、目をギュって瞑って……るなも同じポーズ……

 答えなんかさ……分かるだろ? って思うんだけどね……

 倫『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったよ……風歌は、望まれて生まれて来たんだ……風歌と一緒にいてあげなくてゴメンな。愛しているよ……』

 風音『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったわ……風歌ちゃんは、望まれて生まれて来たの……風歌ちゃんと一緒にいてあげたかった……1日足りとも忘れた事等なかった……なんて勝手な事。って思うでしょうね……でも愛しているの……』

 スーッて、静かに涙を流すと

 風歌『私は、仁パパに、月乃ママ。倫パパ、風音ママに望まれて生まれて来た。愛されて育った……私のパパとママになってくれてありがとう……私もパパ達とママを達愛しています』

 るな『ママの娘になれて幸せです。パパの娘になれて幸せでした。倫パパ…… 私のパパになってくれてありがとう。私もパパ達、ママを愛しています』
 ──

 月乃side 

 思い出して泣いちゃうわよね……こんな嬉しい言葉言われちゃったら

 倫「どうしてくれるんだよ? 涙腺が壊れて涙が止まらないじゃないか……」

 元々涙もろいもんねぇ。倫は……

 風音「 本当にお二人には感謝しかないわ……るなちゃんも愛しくてたまらない」

 るな『風音さん! ふうちゃんのママなら私のママ。って思っても良いですか? 私とふうちゃんは姉妹なんです!』

 親バカって笑われてもいいわ! 私の娘ながら、本当に素直な良い子に育ったわよね? るなは


 風音「可愛い娘達を傷付けた人達は絶対に許さないわ……」

 倫「風歌と、るなをあの二人より愛しているんだ俺は……」

 風音ちゃんの言葉には共感出来るけど……

 倫のは……涼くんと、英士くんへの対抗心よね? 

 気持ちは分かるけどね……

 今迄、自分にだけ、相談してくれたり、助けを求めて来た娘達が……ね? 

 私だって……大切な愛しい娘達を守ってみせるわ……










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