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二人のパパ.二人のパパと二人のママ

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 その日の夜

 リモート中

 英士.涼也.るな「風歌 《ふう》ちゃん退院おめでとう!」

 風歌「ありがとう……」

『退院おめでとう会』を『リモート』でしようね。って話しは出てたんだけどね

 取り敢えず難題にメドが着いたから、開催したわけです

 英士「風歌ちゃん? 何かあった?」

 なんかね、悲しい? と惑い? 微妙な表情してんの……風歌ちゃん

 画面越しだとね……中々さ……何を思ってるんだろう? って察してあげる事が出来なくて 

 もどかしいよね……

 るな「涼くん、私とふうちゃんね。わざわざ自分の部屋に分かれて『リモート退院おめでとう会』に参加してるの。おかしいよね?」

 涼也「マジ? (笑)」

 俺はるなちゃんさすがだね! って思ったんだ
 ふうちゃんの様子を見て、突拍子も無い事を言ったんだって

 涼也「俺なんて気分出してさ。ウイスキーなんて用意しちゃったよ」

 るな「うふふ」

 英士「なんか……一緒とか微妙な気分なんだけど…… オイラもウイスキー 用意しちゃったよ」

 風歌.るな「アハハ」

 そう言うと、笑ってくれた風歌ちゃんとるなちゃん

 風歌「ごめんなさい 。折角、会を開いてくれたのに微妙な感じにしちゃって……あのね……パパにね、生みの親に……母親に逢ってみないか? って言われたの」

 英士「うん……」

 そっか…… 俺と御厨くんは、今回の件があって
 風歌ちゃんの母親が誰か知ったけど……

 風歌ちゃんは知らないんだもんね……

 風歌「中学の時にね、ママが話してくれて。さっきもパパがその時の事を説明してくれて…… 漠然と『いつか逢いたいな』って思ってた人に逢えるんだ……っていう期待と。けど逢いたく無い……って思いが交差して凄く複雑な気分になっちゃったの」

 涼也「分かるよ……ふうちゃん」

 ふうちゃんは、おばちゃんの事を思ってそう思ったんじゃないか……って

 英士「月乃さん……ママが好きなんだもん。悩むよね」

 るな「私も心の中にいるパパが大好きなの。けど、倫叔父さんがパパだったら……って思ったりしてた」

 涼也「うん……」

 るなちゃん……

 風歌「私には大好きなママがいるのに……心の中にもママがいるの」

 風歌ちゃん……

 るな「パパにね『守ってやる』『パパって呼んでくれ』って言われて嬉しくて。呼び捨てで呼んでくれるのが幸せで……ふうちゃんが、パパが私を呼び捨てするのは『私とるなちゃんは姉妹だもん』当たり前でしょ? ってニュアンスで言ってくれた時にね嬉しかった……」

 涼也.英士「うん……」

 風歌「私も中学卒業の時に、生みの母親の話を聞いた時、私にはママだけだもん……パパは亡くなったるなちゃんのパパだけって……同時にるなちゃんのママをママって呼んでいいの? って分からなくなって……高校の一年間はどう二人と接すれば良いか。って悩んだの……」

 英士.涼也「うん……」

 るな「その時にね『私にはパパが二人いて、ふうちゃんにはパパとママが二人ずついるなんて! 凄いと思わない?』ってふと思ったの」

 風歌「今日の朝、るなちゃんがそう言ってくれて……『そうか……私にはパパが二人。ママも二人いるんだ』って思ったらね。どこか割り切れ無くて心の中に刺さっていた棘が抜けて……なんて幸せなんだろうって……」

 英士.涼也 《……》

 英士「さすがっすね。るなちゃん。そんな風に思えるなんて……そんな言葉をパパさんが聞いたら」

 涼也「ふうちゃんもさすがっすね。パパさん、ママさんは大号泣するでしょうね……」

 そして

 るなちゃんのパパの仁さん……

 風歌ちゃんのママの風音さん……

 喜んで下さるよね……

 風歌「でも……少し不安だな……」

 うん。でも風歌ちゃん

 大丈夫だよ……

 少し……驚くだろうけどね……

























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