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遂に…対峙の時④

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 倫side

 倫「社長さん」

 社長「はい……」

 倫「貴方方は会社と介護施設側との関係を優先にして……娘達の話を聞かず、事実関係を調べる事無く、守る事もせずに、施設側と揉め事を起こさない様にと釘を差したんですよね?」

 社長「……申し訳ありませんでした」

 倫「……今、別室で頑張っている涼也くんの想いも伝えせて貰います」

 視界の隅で泣いている風歌とるな……
 何も分かってないんだ……この人達は……

 風音side

 努めて穏やかに話をしようとしているけど
 源本くんの激しい怒りを感じる

 風音「風歌ちゃん、るなちゃん。今まで必死に耐えてきた憤り……頑張ってぶちまけて偉かったわね」

 私だけは冷静に……

 倫『俺は冷静さを欠いたりして、風歌とるなに優しい言葉を掛けてやる余裕も無いかもしれない……風音が側に付いてあげて欲しい』

 話し合いの日に私にも来て欲しいと……
 助けを求めてくれた事が嬉しくて……

 冷静でいなきゃと思うけど……
 腹立たしくて仕方なくて

 この人達はここ迄の事態になっても
 分かって無いのね……

 倫「風歌が入浴介助中に溺れた時。るなが倒れた時。明らかに貴方方施設側が悪いのに認めようとしなかったのが悔しくて。涼也くんは、言い逃れ出来ない確固たる証拠を掴む為に逐一 言動を録音して残す事にして。私はTwitterで発信して。風歌と、るなは必死に日記に残して……それは皆さんも確認済みですよね?」

 社長.施設長「はい……」

 倫「半年前は警察が動かない事を良い事に『事実無根な事で、おかしな主張は止めて頂きたい』我々の訴えには耳を貸そうとしないで……『娘さんは、自分の身を守る為に我々の方に罪を被せ様とした』そう、我々が作り話をでっち上げたと言い放って」

 事実をねじ曲げて
 罪を被せ様としたのは
 どっちだよ! 

 涼也『他の職員達も種橋に右ならえで。皆でお年寄りに酷い態度に言動をしてさ赦せねんだよっ! 会社の……イヤ、俺達の意見なんて聞く耳を持たないでっ』

 倫「種橋さん……この方は特に二人を目の敵にしてますよね? ……涼也くんが原因として、勤め初めた時から『『ありえません』ってあの人に意見をし続けた事を心良く思ってないんだ。るなちゃんと、ふうちゃんの事を庇う言動をした時から感情的になってって……絶対自分のイライラを二人にぶつけてたんだ……』倫さん……ゴメンなさい』って謝られましたよ……謝る必要無いのに……」

 そんな個人的な理由の為に……

 倫 「あの日。風歌……娘が病院のベッドに横たわり眼を瞑る姿を見た時の私の気持ち分かりますか? ……愛しい娘を失う事があったら……怖くて堪らなかった……貴方方、施設側の矛盾した話を医療従事者の皆さんは疑問視して警察に説明したのに……娘は溺れた方を助けようとしたんだぞ? ……なのに……貴方方の愚かな証言を嘘を真実だと……警察は信じて……何故なんですかね? 正義はどこにあるんですか? るなが倒れた時も……表沙汰にする事無く隠蔽するつもりだったのでしょう?」

 涼也『ずっとずっと、るなちゃんや、ふうちゃんが理不尽な事で怒られたり、 何か言われたりするのを見ていて下さったんだよね』

 倫「入居者の方が声を上げて下さらなかったら……」

 英士『不正義が正義に負けるわけが無いんだ 。風歌ちゃん、絶対にオイラが、源本さんに、御厨くんに、るなちゃん、冴多先生も。風歌ちゃんの正義を証明してみせるから!』

 倫「 不正義が正義に負けるわけが無いと声をあげた私達が目障りだったのでしょう? 《これ以上Twitterとかにおかしな投稿を続けるならば、覚悟してもらう事になる。と施設から言われたから》施設長……貴方の施設の職員は、介護サービス会社から注意を受けた。と装って迄、娘を脅迫という許しがたい暴挙に出たんですよ? 『御厨くん、会社に何も言わずに勝手な行動しないように』社長さん……自社の職員を守る処か止めさせ様とした……」

 施設長.社長「申し訳ありませんでした」

 諸々の様々な理不尽から
 風歌とるなを守ってやる
 泣き寝入りなぞするものか! 
 と誓ったんだ

 倫「風歌は溺れたんだぞ! 一時期は、記憶障害を負ったんだ! るなは十二指腸潰瘍を患って! 来栖さんも……尊い命が失われたかもしれないんだ! あんた達にも家族が……子供がいるんだろ!? もし子供が同じ様な目に合っても 平気で日々を穏やかに過ごす事出来んのか!? 『そのような事実はありませんよ』『 原因はあなた達じゃないですか?』 嘘を付かれ隠蔽されようとしても 『はい分かりました』 そう納得して 諦められるのか!? 我が子の為に真実を知りたいと…… 相手の立場になって物を考えれば分かるはずだろ!?」

 感情的になるまいと……ダメだった……
 悔しくて涙が滲んだ

 可哀想に……ずっと泣いていた風歌とるな

 風音はこの部屋から
 一旦出した方が良いと判断してくれたのだろう

 迎えに来た鮎川先生と共に
 部屋を後にして……

 倫「施設長……施設の入居者を一番に考えて、介護内容のあり方を改善する事が大切だ。とは考えなかったんですか? これ迄提示して来た証拠を認めずに、隠蔽する事に躍起になって……社長……職員を守る事より、施設側との関係を優先して……証拠を揃えて戦うよりも……職員は犠牲になっても構わないという事ですか? 会社を利益を守る事に躍起になって……命より大切な事は無いんだ! ふざけるな!」

 ♪ 

(メール?)

 倫「失礼……」

 マナーモードにし忘れた上
 話合いの途中で……と思ったけど……

(イイヤ……)

 少しやさぐれた気分で開くと

 全く……

 倫「《お年寄り達に心から謝罪して、心を込めて介護をして頂きたいです。施設の職員に望む事です》娘達からの要望です……」

 施設長.社長『希望に沿うように致します』

 倫「娘達の要望としてお伝えしたまでです。この先どの様に改善されるのか見させて頂きます。その上でその先の事は判断させて頂きます」

 社長「分かりました」

 施設長「申し訳ありませんでした」

 口先だけの反省なら誰だって出来るんだ

 さて、涼也くんと山乃くん冴多先生達の
 話はどうなったかな? 

 全く…… 本当にお人好しのおバカさんだな
 風歌とるなは……けど

 人に伝える事が苦手で『話せなくなるかも』
 ……と

 自分達の想いを綴った日記を持参して……

 けど、ほとんど読む事無く頑張って想いの丈をぶちまけた風歌とるな

 倫「良く頑張ったな……」













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