上 下
67 / 133

遂に…対峙の時④

しおりを挟む
 倫side

 倫「社長さん」

 社長「はい……」

 倫「貴方方は会社と介護施設側との関係を優先にして……娘達の話を聞かず、事実関係を調べる事無く、守る事もせずに、施設側と揉め事を起こさない様にと釘を差したんですよね?」

 社長「……申し訳ありませんでした」

 倫「……今、別室で頑張っている涼也くんの想いも伝えせて貰います」

 視界の隅で泣いている風歌とるな……
 何も分かってないんだ……この人達は……

 風音side

 努めて穏やかに話をしようとしているけど
 源本くんの激しい怒りを感じる

 風音「風歌ちゃん、るなちゃん。今まで必死に耐えてきた憤り……頑張ってぶちまけて偉かったわね」

 私だけは冷静に……

 倫『俺は冷静さを欠いたりして、風歌とるなに優しい言葉を掛けてやる余裕も無いかもしれない……風音が側に付いてあげて欲しい』

 話し合いの日に私にも来て欲しいと……
 助けを求めてくれた事が嬉しくて……

 冷静でいなきゃと思うけど……
 腹立たしくて仕方なくて

 この人達はここ迄の事態になっても
 分かって無いのね……

 倫「風歌が入浴介助中に溺れた時。るなが倒れた時。明らかに貴方方施設側が悪いのに認めようとしなかったのが悔しくて。涼也くんは、言い逃れ出来ない確固たる証拠を掴む為に逐一 言動を録音して残す事にして。私はTwitterで発信して。風歌と、るなは必死に日記に残して……それは皆さんも確認済みですよね?」

 社長.施設長「はい……」

 倫「半年前は警察が動かない事を良い事に『事実無根な事で、おかしな主張は止めて頂きたい』我々の訴えには耳を貸そうとしないで……『娘さんは、自分の身を守る為に我々の方に罪を被せ様とした』そう、我々が作り話をでっち上げたと言い放って」

 事実をねじ曲げて
 罪を被せ様としたのは
 どっちだよ! 

 涼也『他の職員達も種橋に右ならえで。皆でお年寄りに酷い態度に言動をしてさ赦せねんだよっ! 会社の……イヤ、俺達の意見なんて聞く耳を持たないでっ』

 倫「種橋さん……この方は特に二人を目の敵にしてますよね? ……涼也くんが原因として、勤め初めた時から『『ありえません』ってあの人に意見をし続けた事を心良く思ってないんだ。るなちゃんと、ふうちゃんの事を庇う言動をした時から感情的になってって……絶対自分のイライラを二人にぶつけてたんだ……』倫さん……ゴメンなさい』って謝られましたよ……謝る必要無いのに……」

 そんな個人的な理由の為に……

 倫 「あの日。風歌……娘が病院のベッドに横たわり眼を瞑る姿を見た時の私の気持ち分かりますか? ……愛しい娘を失う事があったら……怖くて堪らなかった……貴方方、施設側の矛盾した話を医療従事者の皆さんは疑問視して警察に説明したのに……娘は溺れた方を助けようとしたんだぞ? ……なのに……貴方方の愚かな証言を嘘を真実だと……警察は信じて……何故なんですかね? 正義はどこにあるんですか? るなが倒れた時も……表沙汰にする事無く隠蔽するつもりだったのでしょう?」

 涼也『ずっとずっと、るなちゃんや、ふうちゃんが理不尽な事で怒られたり、 何か言われたりするのを見ていて下さったんだよね』

 倫「入居者の方が声を上げて下さらなかったら……」

 英士『不正義が正義に負けるわけが無いんだ 。風歌ちゃん、絶対にオイラが、源本さんに、御厨くんに、るなちゃん、冴多先生も。風歌ちゃんの正義を証明してみせるから!』

 倫「 不正義が正義に負けるわけが無いと声をあげた私達が目障りだったのでしょう? 《これ以上Twitterとかにおかしな投稿を続けるならば、覚悟してもらう事になる。と施設から言われたから》施設長……貴方の施設の職員は、介護サービス会社から注意を受けた。と装って迄、娘を脅迫という許しがたい暴挙に出たんですよ? 『御厨くん、会社に何も言わずに勝手な行動しないように』社長さん……自社の職員を守る処か止めさせ様とした……」

 施設長.社長「申し訳ありませんでした」

 諸々の様々な理不尽から
 風歌とるなを守ってやる
 泣き寝入りなぞするものか! 
 と誓ったんだ

 倫「風歌は溺れたんだぞ! 一時期は、記憶障害を負ったんだ! るなは十二指腸潰瘍を患って! 来栖さんも……尊い命が失われたかもしれないんだ! あんた達にも家族が……子供がいるんだろ!? もし子供が同じ様な目に合っても 平気で日々を穏やかに過ごす事出来んのか!? 『そのような事実はありませんよ』『 原因はあなた達じゃないですか?』 嘘を付かれ隠蔽されようとしても 『はい分かりました』 そう納得して 諦められるのか!? 我が子の為に真実を知りたいと…… 相手の立場になって物を考えれば分かるはずだろ!?」

 感情的になるまいと……ダメだった……
 悔しくて涙が滲んだ

 可哀想に……ずっと泣いていた風歌とるな

 風音はこの部屋から
 一旦出した方が良いと判断してくれたのだろう

 迎えに来た鮎川先生と共に
 部屋を後にして……

 倫「施設長……施設の入居者を一番に考えて、介護内容のあり方を改善する事が大切だ。とは考えなかったんですか? これ迄提示して来た証拠を認めずに、隠蔽する事に躍起になって……社長……職員を守る事より、施設側との関係を優先して……証拠を揃えて戦うよりも……職員は犠牲になっても構わないという事ですか? 会社を利益を守る事に躍起になって……命より大切な事は無いんだ! ふざけるな!」

 ♪ 

(メール?)

 倫「失礼……」

 マナーモードにし忘れた上
 話合いの途中で……と思ったけど……

(イイヤ……)

 少しやさぐれた気分で開くと

 全く……

 倫「《お年寄り達に心から謝罪して、心を込めて介護をして頂きたいです。施設の職員に望む事です》娘達からの要望です……」

 施設長.社長『希望に沿うように致します』

 倫「娘達の要望としてお伝えしたまでです。この先どの様に改善されるのか見させて頂きます。その上でその先の事は判断させて頂きます」

 社長「分かりました」

 施設長「申し訳ありませんでした」

 口先だけの反省なら誰だって出来るんだ

 さて、涼也くんと山乃くん冴多先生達の
 話はどうなったかな? 

 全く…… 本当にお人好しのおバカさんだな
 風歌とるなは……けど

 人に伝える事が苦手で『話せなくなるかも』
 ……と

 自分達の想いを綴った日記を持参して……

 けど、ほとんど読む事無く頑張って想いの丈をぶちまけた風歌とるな

 倫「良く頑張ったな……」













しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

Moonstone キミはキミだよ〈学園王子様は分かってくれたの〉~初恋と宝石~

桜花(sakura)
恋愛
 初恋と宝石シリーズ第2弾  私の初恋 恋愛物語 ゲームクリーエターを目指している彼×家庭の事情で従兄の家に暮らす彼女 二人とも、何かしら抱えて居て… 「キミはキミだよ…Moonstone純粋な愛を…貴女へ…今迄頑張ったね!俺が守るから泣かないで…大好きだよ!」  彼女達を溺愛する彼氏達

ぎゅっ。

桜花(sakura)
恋愛
愛おしいから ぎゅっ。 守りたい ぎゅっ。 助けて ぎゅっ。 抱きしめて ぎゅっ。 俺からキミを ぎゅっ。 私からアナタを ぎゅっ。 母から娘を ぎゅっ。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

Orange Topaz~初恋と宝石~

桜花(sakura)
恋愛
 切ない初恋 初恋と宝石シリーズ 再会した幼馴染みの親友の妹…綺麗になったね…ずっと俺が、キミを守るから…初恋…子供の頃一度だけ会った兄の親友、心の片隅に今も…チョッとイジワルだけど優しい彼と少し内気な彼女の恋 エリートサラリーマン×内向的な女の子 真実の愛.君の悲しみを一緒に背負ってあげる 希望、喜び勇気の石純粋な愛で永遠の愛をキミに… 彼と彼女の愛.彼と友達の友情.彼女と友達の友情.妹を溺愛する二人の兄(双子)の愛.兄's達を思う彼女の友達の初恋 宝石の様に心の綺麗な幼馴染みの女の子達3人と彼女姫達を溺愛し守る騎士達幼馴染み3人、6人の恋物語

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

処理中です...