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心がギュってなる悲しい告白だったんだ
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英士side
-トゥルルル……
出ねぇなぁ
ル……
風歌『はい』
出たっ
英士「こんばんは風歌ちゃん」
風歌『こんばんは山乃さん……』
英士「……」
風歌『……』
英士「……」
風歌『あ……え、英士さん……』
英士「はい良く出来ました」
ねえ、悲しそうな声
どうした?
何かあったの?
気になってしょうがないでしょうよ……
英士「風歌ちゃん? リモートで話しようか?」
顔をオイラに見せて風歌ちゃん……
風歌「はい……」
──
画面の中の風歌ちゃん……泣きそうな表情
英士「どうしたの? オイラに話てみる? 心が軽くなるかもよ?」
話ちゃって良いのかな? って顔してる
風歌『……私、るなちゃんのママが私のママだったら……って……』
英士「うん……」
心がギュってなる悲しい告白だったんだ
風歌「保育園に入るまでは本当のママとパパだって思ってた。近所の人か保育園の誰かの保護者か忘れちゃったけど『風歌ちゃんのママじゃないよ』って言われて……凄く悲しくて……』
英士「……し、んじらんない……」
言葉悪りぃけど…… バカかソイツっ
風歌『なんかね夢みたいな感じで覚えているの…… その人が家の玄関にいて謝ってて。るなちゃんのパパが『風歌は私達夫婦の娘です』って 凄い怖い顔してたの覚えてる ……いつも優しくて穏やかだったのに……』
本当に……こんなにも苦しめて……
嫌がらせや、いじめってさ
加害者にはその場で終わった事でも
受けた側は…… ずっと続く痛みなんだよ……
風歌ちゃんの心の中の悲しみを
軽くしてあげたいよ……
風歌『パパは週末に家に遊びに来て。私とるなちゃんを色んな所に連れてってくれて……『叔父さん』だと思っていたの……』
英士「うん……」
綺麗な大きな瞳に涙いっぱい溜めてさ……
可哀想過ぎるよ
風歌ちゃん……
こんな時に抱き締めてあげられないなんて……
風歌『るなちゃんのパパが、小学校2年生の時に病気で亡くなって悲しかった……ママは保険会社で働きながら女手一つで、私とるなちゃんを育ててくれて…… 中学校卒業する時にね。私が『養女』だって教えてくれたの……』
英士「……うん」
風歌『高校に入ってから一年間、ずっとあの日言われた事は本当だったんだ……って思ったらママと上手く話せなくなって……『叔父さん』がパパなんだ……って 受け入れられない自分がいて…… 週末会う事を私から辞めちゃって…… けど、 パパもママも悪くないのにそんなバカな事している自分が嫌になって……』
右目からスーって涙を流した風歌ちゃん
英士「『間違えてた』って反省して凄いね。今、パパと仲良しじゃん! ママとも今仲良しならさ。それでいいじゃん!」
大きな瞳をますます大きくしてオイラを見つめている風歌ちゃん
風歌『英士さん……ありがとう』
風歌ちゃん……
俺は心の中で風歌ちゃんを
ギュって しているよ……
-トゥルルル……
出ねぇなぁ
ル……
風歌『はい』
出たっ
英士「こんばんは風歌ちゃん」
風歌『こんばんは山乃さん……』
英士「……」
風歌『……』
英士「……」
風歌『あ……え、英士さん……』
英士「はい良く出来ました」
ねえ、悲しそうな声
どうした?
何かあったの?
気になってしょうがないでしょうよ……
英士「風歌ちゃん? リモートで話しようか?」
顔をオイラに見せて風歌ちゃん……
風歌「はい……」
──
画面の中の風歌ちゃん……泣きそうな表情
英士「どうしたの? オイラに話てみる? 心が軽くなるかもよ?」
話ちゃって良いのかな? って顔してる
風歌『……私、るなちゃんのママが私のママだったら……って……』
英士「うん……」
心がギュってなる悲しい告白だったんだ
風歌「保育園に入るまでは本当のママとパパだって思ってた。近所の人か保育園の誰かの保護者か忘れちゃったけど『風歌ちゃんのママじゃないよ』って言われて……凄く悲しくて……』
英士「……し、んじらんない……」
言葉悪りぃけど…… バカかソイツっ
風歌『なんかね夢みたいな感じで覚えているの…… その人が家の玄関にいて謝ってて。るなちゃんのパパが『風歌は私達夫婦の娘です』って 凄い怖い顔してたの覚えてる ……いつも優しくて穏やかだったのに……』
本当に……こんなにも苦しめて……
嫌がらせや、いじめってさ
加害者にはその場で終わった事でも
受けた側は…… ずっと続く痛みなんだよ……
風歌ちゃんの心の中の悲しみを
軽くしてあげたいよ……
風歌『パパは週末に家に遊びに来て。私とるなちゃんを色んな所に連れてってくれて……『叔父さん』だと思っていたの……』
英士「うん……」
綺麗な大きな瞳に涙いっぱい溜めてさ……
可哀想過ぎるよ
風歌ちゃん……
こんな時に抱き締めてあげられないなんて……
風歌『るなちゃんのパパが、小学校2年生の時に病気で亡くなって悲しかった……ママは保険会社で働きながら女手一つで、私とるなちゃんを育ててくれて…… 中学校卒業する時にね。私が『養女』だって教えてくれたの……』
英士「……うん」
風歌『高校に入ってから一年間、ずっとあの日言われた事は本当だったんだ……って思ったらママと上手く話せなくなって……『叔父さん』がパパなんだ……って 受け入れられない自分がいて…… 週末会う事を私から辞めちゃって…… けど、 パパもママも悪くないのにそんなバカな事している自分が嫌になって……』
右目からスーって涙を流した風歌ちゃん
英士「『間違えてた』って反省して凄いね。今、パパと仲良しじゃん! ママとも今仲良しならさ。それでいいじゃん!」
大きな瞳をますます大きくしてオイラを見つめている風歌ちゃん
風歌『英士さん……ありがとう』
風歌ちゃん……
俺は心の中で風歌ちゃんを
ギュって しているよ……
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