上 下
29 / 133

自分の愚かさに、自分が許せなかった…

しおりを挟む
 るなside

 涼也『俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ……』

(どういう事? リョウくん)

 涼也「どうしたらいいんでしょうね? 誰にでも優しくて。遠慮しぃで。自分の思いを後回しにしてでも、他の人事を優先に思って。時に人の心の痛み迄背負って泣く女の子は」

 それって……

 るな「ふうちゃんは優しいから……」

 涼也「確かにね」

 うん……

 涼也「同じタイプだね。二人は。あの日から二人して自分の感情を中々みせてくれなくなってさ。悪い事したよね」

 るな「リョウくんは悪くないじゃない……私が……」

 涼也「もう! 困った子だね。俺、嬉しかったのを覚えてるよ」

(迷惑……じゃなくて?)

 涼也「迷惑だったんじゃ……とか思っているでしょ?」

(リョウくん何で……)

 るな「リョウくん……何で何でも分かるの?」

 涼也「ね?」

 るな「リョウくん、何でも見え過ぎちゃうのって苦しくない?」

 涼也「るなちゃんは分かってくれるんだね……それはふうちゃんも」

(……リョウくんが話そうとしている事……胸がギュってなるよ……聞きたくないって思う自分がイヤ……)

 涼也「あの日から、お互いにお互いを思って触れない様にってしてきたよね」

 るな「何でふうちゃんに思いを伝えなかったの?」

 涼也「ふうちゃんの思いはどうなんだろう? の方が強かったんだ。本当に俺の思いもどこにあるか分からなかったし……るなちゃんは気が付いてない? ふうちゃんの変化に」

 るな「山乃英士さん?」

(『私の、弾いた曲を悲しい』って『紙芝居の挿し絵描いて下さるって』メールで紹介してくれた人?)

 涼也「俺が自信無くて動けなかったのってそういう事なんだよね」

 るな「リョウくん……大丈夫?」

 涼也「るなちゃん。相手を思う余りに遠慮して、自分の思いを伝える事を躊躇しちゃうるなちゃんをがさ、心配だった」

(ゴメンね……リョウくん)

 涼也「あの日ふうちゃんを助けられなかった時に後悔したのに。るなちゃんがさ、精神的に追い詰められていたのに気遣う事しないで、アイツらの言葉とかを録音する事を優先して……種橋達に思いをブツケタ後に倒れたるなちゃんを見て自分の愚かさに、自分が許せなかった……」














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

興味はないので、さっさと離婚してくださいね?

hana
恋愛
伯爵令嬢のエレノアは、第二王子オーフェンと結婚を果たした。 しかしオーフェンが男爵令嬢のリリアと関係を持ったことで、事態は急変する。 魔法が使えるリリアの方が正妃に相応しいと判断したオーフェンは、エレノアに冷たい言葉を放ったのだ。 「君はもういらない、リリアに正妃の座を譲ってくれ」

「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。  しかも、定番の悪役令嬢。 いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。  ですから婚約者の王子様。 私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。

婚約破棄は決定事項です

Na20
恋愛
リリアナ・ルーシェントはルーシェント公爵家の娘だ。 八歳の時に王太子であるシェザート殿下との婚約が結ばれたが、この婚約は娘を王妃にしたい父と、国一番の富豪である公爵家からの持参金を目当てにした国王の利害が一致した政略結婚であった。王妃になどなりたくなかったが、貴族の娘に生まれたからには仕方ないと婚約を受け入れたが、シェザート殿下は勝手に決められた婚約に納得していないようで、私のことを婚約者と認めようとはしなかった。 その後もエスコートも贈り物も一切なし、婚約者と認めないと言いながらも婚約者だからと仕事を押し付けられ、しまいには浮気をしていた。 このままでは間違いなく未来は真っ暗だと気づいた私は、なんとかして婚約破棄する方法を探すもなかなか見つからない。 時間が刻一刻と迫るなか、悩んでいた私の元に一枚のチラシが舞い込んできて―――? ※設定ゆるふわ、ご都合主義です ※恋愛要素は薄めです

最後の恋って、なに?~Happy wedding?~

氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた――― ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。 それは同棲の話が出ていた矢先だった。 凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。 ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。 実は彼、厄介な事に大の女嫌いで―― 元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。

石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。 雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。 一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。 ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。 その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。 愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

初恋の幼馴染に再会しましたが、嫌われてしまったようなので、恋心を魔法で封印しようと思います【完結】

皇 翼
恋愛
「昔からそうだ。……お前を見ているとイライラする。俺はそんなお前が……嫌いだ」 幼馴染で私の初恋の彼――ゼルク=ディートヘルムから放たれたその言葉。元々彼から好かれているなんていう希望は捨てていたはずなのに、自分は彼の隣に居続けることが出来ないと分かっていた筈なのに、その言葉にこれ以上ない程の衝撃を受けている自分がいることに驚いた。 「な、によ……それ」 声が自然と震えるのが分かる。目頭も火が出そうなくらいに熱くて、今にも泣き出してしまいそうだ。でも絶対に泣きたくなんてない。それは私の意地もあるし、なによりもここで泣いたら、自分が今まで貫いてきたものが崩れてしまいそうで……。だから言ってしまった。 「私だって貴方なんて、――――嫌いよ。大っ嫌い」 ****** 以前この作品を書いていましたが、更新しない内に展開が自分で納得できなくなったため、大幅に内容を変えています。 タイトルの回収までは時間がかかります。

浮気したあなたたちのことなんて、もう知りません。私は幸せになりますけどね。

月橋りら
恋愛
公爵令嬢セシリアは、婚約者である王太子と妹が浮気している現場に立ち会ってしまう。 妹は、悪びれもしない。 セシリアは見事婚約破棄を成功させ、祖国を出て隣国アスレリカにやってくるが…。 「あなたは、一体誰なんですか?」 浮気された令嬢が、様々な試練を乗り越えながら、やがて愛され幸せになるまでの物語。 *こちらの小説は、カクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。  連載追いつきました!

同居離婚はじめました

仲村來夢
恋愛
大好きだった夫の優斗と離婚した。それなのに、世間体を保つためにあたし達はまだ一緒にいる。このことは、親にさえ内緒。 なりゆきで一夜を過ごした職場の後輩の佐伯悠登に「離婚して俺と再婚してくれ」と猛アタックされて…!? 二人の「ゆうと」に悩まされ、更に職場のイケメン上司にも迫られてしまった未央の恋の行方は… 性描写はありますが、R指定を付けるほど多くはありません。性描写があるところは※を付けています。

処理中です...