12 / 133
それぞれの戦い④~涼也~
しおりを挟む
涼也『オイ! 何やってんだよ! ふざけんな! 』
なんでこんな事になったんだよ? ふうちゃんが何したってんだよ……
市の職員達に対する憤り、怒り
悲しい悔しい
けど……何よりも、何で俺はふうちゃんを助けらんなかったんだよっ……
自分自身への怒りが、 一番強く渦巻いたんだ……
──
風歌『世の中の為になる仕事に就きたいな。介護の仕事をしたいわ』
るな『頑張って働いて来たお年寄りに、感謝を込めてお世話してしあげたいな』
すげぇな。ふうちゃんも、るなちゃんも。 高校生になったばっかだってのにさ、きちんと将来の事考えてんだ
二人より、一つ上の俺だけどまだ将来の事を決めかねてるってのにな……
世の中と、人の為になる仕事か…… 俺が、 福祉関係の仕事に就きたいと思った瞬間だった
るな『私、 運動神経あまり良くないから、運転免許取るの怖いしな』
風歌『私も。家の近くで。バスで 30分以内の介護施設に、 就職出来たらな』
そっか、一足先に就職する俺が、ふうちゃんと、るなちゃんの 希望に叶った所に就職すればいいのか……
3人で、この専門学校にしよう。 出来ればこの会社に入れたら良いよね?
色々話し合って、希望通りの専門学校に入って。大手で、名前も知られている介護サービス会社だから……決めた
俺は就職した介護サービス会社が、業務委託を受け負う市立の養護老人ホームにて働く事になった
直ぐに思い描いていた介護との、余りの違いに……いや仕事内容とかじゃなくて
市の職員と、介護サービス会社の職員の立場の違い。とか。 施設内で当たり前に行われている事の
余りの悲惨な惨状に
俺はショックを受けたんだ
-
涼也『あれ、新川《しんかわ》さんどこか行くんですか?』
『子供にご飯を作らなければならないから帰らなきゃなんだよ』
涼也『 そっかもう夕方だもんね』
認知症のお年寄りにとって、施設内の廊下を歩き回るにはきちんと意味があるんだ
例えば 一日中歩いているおばあさんはさ
『子供にご飯を作らなければならない』
おじいさんは
『仕事に行かなければならない』
黄昏時と言われる夕方になれば
『子供を迎えに行かなければならない』
『夕飯を作らなければならない』
『家に帰らなければならない』
その人その人の深い理由があるんだ
涼也『新川さんは凄いね。 朝から晩まで働いて大変なのにさ。子供さんのご飯を毎日きちんと手作りしてさ』
『それが親と言うもんだよ』
俺は、新川さん。入居者のおばあさんと一緒に歩きながら、ちょっとでも気持ちが他に向くキッカケは無いかな? って探りながら……
『御厨くん、○○ちゃんは一時間も歩いてるの。『家に帰る』しか頭に無いし。もう車椅子に乗せて!』
涼也 《……》
あり得ないだろう? お年寄りに向かって"ちゃん"呼びとかさ……
車椅子に乗せて=車椅子の後ろに紐を付けて廊下の手すりに……
『拘束』
お腹にベルトを巻いて…… 車椅子から立ち上がれない様に……
なぜそのような事をされるのか分からないお年寄り達にとっては、恐怖でしかないよな
大声で叫んだり泣いたり
職員の都合を優先させるってマジあり得ないぜ
ショックだった。その行為に慣れてはいけないんだ。その様な、施設ここだけだよな? ……初めに働いた所が、たまたまそういう施設であったと信じたいよ
大多数の施設が、その様な事をしていないと言い聞かせて……
慣れる事……受け入れる事なんて……納得が出来なかった……
俺は人への優しさを忘れない! その様な人間でいようと固く誓って……介護の仕事にやりがいはある。俺は、お年寄りが大好きだから……
なんでこんな事になったんだよ? ふうちゃんが何したってんだよ……
市の職員達に対する憤り、怒り
悲しい悔しい
けど……何よりも、何で俺はふうちゃんを助けらんなかったんだよっ……
自分自身への怒りが、 一番強く渦巻いたんだ……
──
風歌『世の中の為になる仕事に就きたいな。介護の仕事をしたいわ』
るな『頑張って働いて来たお年寄りに、感謝を込めてお世話してしあげたいな』
すげぇな。ふうちゃんも、るなちゃんも。 高校生になったばっかだってのにさ、きちんと将来の事考えてんだ
二人より、一つ上の俺だけどまだ将来の事を決めかねてるってのにな……
世の中と、人の為になる仕事か…… 俺が、 福祉関係の仕事に就きたいと思った瞬間だった
るな『私、 運動神経あまり良くないから、運転免許取るの怖いしな』
風歌『私も。家の近くで。バスで 30分以内の介護施設に、 就職出来たらな』
そっか、一足先に就職する俺が、ふうちゃんと、るなちゃんの 希望に叶った所に就職すればいいのか……
3人で、この専門学校にしよう。 出来ればこの会社に入れたら良いよね?
色々話し合って、希望通りの専門学校に入って。大手で、名前も知られている介護サービス会社だから……決めた
俺は就職した介護サービス会社が、業務委託を受け負う市立の養護老人ホームにて働く事になった
直ぐに思い描いていた介護との、余りの違いに……いや仕事内容とかじゃなくて
市の職員と、介護サービス会社の職員の立場の違い。とか。 施設内で当たり前に行われている事の
余りの悲惨な惨状に
俺はショックを受けたんだ
-
涼也『あれ、新川《しんかわ》さんどこか行くんですか?』
『子供にご飯を作らなければならないから帰らなきゃなんだよ』
涼也『 そっかもう夕方だもんね』
認知症のお年寄りにとって、施設内の廊下を歩き回るにはきちんと意味があるんだ
例えば 一日中歩いているおばあさんはさ
『子供にご飯を作らなければならない』
おじいさんは
『仕事に行かなければならない』
黄昏時と言われる夕方になれば
『子供を迎えに行かなければならない』
『夕飯を作らなければならない』
『家に帰らなければならない』
その人その人の深い理由があるんだ
涼也『新川さんは凄いね。 朝から晩まで働いて大変なのにさ。子供さんのご飯を毎日きちんと手作りしてさ』
『それが親と言うもんだよ』
俺は、新川さん。入居者のおばあさんと一緒に歩きながら、ちょっとでも気持ちが他に向くキッカケは無いかな? って探りながら……
『御厨くん、○○ちゃんは一時間も歩いてるの。『家に帰る』しか頭に無いし。もう車椅子に乗せて!』
涼也 《……》
あり得ないだろう? お年寄りに向かって"ちゃん"呼びとかさ……
車椅子に乗せて=車椅子の後ろに紐を付けて廊下の手すりに……
『拘束』
お腹にベルトを巻いて…… 車椅子から立ち上がれない様に……
なぜそのような事をされるのか分からないお年寄り達にとっては、恐怖でしかないよな
大声で叫んだり泣いたり
職員の都合を優先させるってマジあり得ないぜ
ショックだった。その行為に慣れてはいけないんだ。その様な、施設ここだけだよな? ……初めに働いた所が、たまたまそういう施設であったと信じたいよ
大多数の施設が、その様な事をしていないと言い聞かせて……
慣れる事……受け入れる事なんて……納得が出来なかった……
俺は人への優しさを忘れない! その様な人間でいようと固く誓って……介護の仕事にやりがいはある。俺は、お年寄りが大好きだから……
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
幼馴染みを優先する婚約者にはうんざりだ
クレハ
恋愛
ユウナには婚約者であるジュードがいるが、ジュードはいつも幼馴染みであるアリアを優先している。
体の弱いアリアが体調を崩したからという理由でデートをすっぽかされたことは数えきれない。それに不満を漏らそうものなら逆に怒られるという理不尽さ。
家が決めたこの婚約だったが、結婚してもこんな日常が繰り返されてしまうのかと不安を感じてきた頃、隣国に留学していた兄が帰ってきた。
それによりユウナの運命は変わっていく。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
幼馴染の婚約者に浮気された伯爵令嬢は、ずっと君が好きだったという王太子殿下と期間限定の婚約をする。
束原ミヤコ
恋愛
伯爵令嬢リーシャは結婚式を直前に控えたある日、婚約者である公爵家長男のクリストファーが、リーシャの友人のシルキーと浮気をしている場面に遭遇してしまう。
その場で浮気を糾弾したリーシャは、クリストファーから婚約の解消を告げられる。
悲しみにくれてやけになって酒場に駆け込んだリーシャは、男たちに絡まれてしまう。
酒場にいた仮面をつけた男性──黒騎士ゼスと呼ばれている有名な冒険者にリーシャは助けられる。
それからしばらくして、誰とも結婚しないで仕官先を探そうと奔走していたリーシャの元に、王家から手紙が届く。
それは、王太子殿下の侍女にならないかという誘いの手紙だった。
城に出向いたリーシャを出迎えてくれたのは、黒騎士ゼス。
黒騎士ゼスの正体は、王太子ゼフィラスであり、彼は言う。
一年前に街で見かけた時から、リーシャのことが好きだったのだと。
もう誰も好きにならないと決めたリーシャにゼフィラスは持ちかける。
「婚約者のふりをしてみないか。もしリーシャが一年以内に俺を好きにならなければ、諦める」と。
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
どうせ去るなら爪痕を。
ぽんぽこ狸
恋愛
実家が没落してしまい、婚約者の屋敷で生活の面倒を見てもらっているエミーリエは、日の当たらない角部屋から義妹に当たる無邪気な少女ロッテを見つめていた。
彼女は婚約者エトヴィンの歳の離れた兄妹で、末っ子の彼女は家族から溺愛されていた。
ロッテが自信を持てるようにと、ロッテ以上の技術を持っているものをエミーリエは禁止されている。なので彼女が興味のない仕事だけに精を出す日々が続いている。
そしていつか結婚して自分が子供を持つ日を夢に見ていた。
跡継ぎを産むことが出来れば、自分もきっとこの家の一員として尊重してもらえる。そう考えていた。
しかし儚くその夢は崩れて、婚約破棄を言い渡され、愛人としてならばこの屋敷にいることだけは許してやるとエトヴィンに宣言されてしまう。
希望が持てなくなったエミーリエは、この場所を去ることを決意するが長年、いろいろなものを奪われてきたからにはその爪痕を残して去ろうと考えたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる