Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石~Ⅵ

桜花(sakura)

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繋がりし母と子の絆

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  「お父上様は……お母上様の願い『楓禾姫と、湖紗若を……大人の都合に巻き込みたく無い』『外喜殿に……子供達が成人してから……』その約束を守るべく『外喜 繋がりし母と子の絆毒牙から守りつつ、力を付けさせて。得意になっている奴より、取り戻そう?』お二人の想いを守るべく『幸せの国』を『瑠璃ノ島』をお造りになり、お母上様を守っておられた。そして、鈴兄上様と、湖紗若様、私を稜弥様のお父上様初め、朝比奈家の皆様が護衛面で守って下さり。詠史殿のお父上様の育てられたお庭番達も守って下さっていた」



 楓菜の方は、普段は穏やかそうに見えて、爽と話をしている様子から聡い。と分かる楓禾姫と。幼い割に落ち着いていて。周りの様子の機微を敏感に感じ取っている湖紗若を見つめていた。

『楓菜姫様。楓禾姫と湖紗若は貴女様が守って下さったから無事ですよ。楓菜姫様、この島にて静養して体調を整えて、いつの日か再会を致しましょう』

(いつも、島にくるたびに励ましてくれた人……?)

 覚えていたいのに……言われた事や、忘れたくない事が霞のように薄れて行くのが怖くて。

 ──



『楓菜姫様! 『楓禾』はどうでしょう?』

『ふうか?』

『『様々な事に恵まれて周りの人を和ませる事が出来るような人』『色彩豊かな実りある人生』を生きて欲しいと願いを込めたのですが』

 これまで、爽と名乗る男性が語ってくれる話に映像として浮かぶ事があっても、中々自分の記憶として形付けられなくて悲しい思いをしていた楓菜姫だったけど。

『名前は、みさ ですの?』

『 『繊細な感性を持ち気品ある人』 『 心豊かに広い心で人を優しく包み込むよう人』になって欲しいと願い名付けました』


 今、その瞳の奥、記憶として蘇って来たのは……ふと、自分を心配そうに見つめる湖紗若に気付いた。

 いつの間にか、自分の隣に寄り添うように座り。優しい瞳で『大丈夫?』と労るように……

「湖紗若……なんて愛らしいの」


 楓菜の方の呟きに、皆一斉に……

「 楓菜の方?」

 驚き過ぎて固まってしまった爽の隣にて、楓禾姫はみるみる大きな瞳に涙を貯めて。

「楓禾姫……綺麗になって……」

 同じく、楓菜の方を見つめていた湖紗若の大きく、綺麗な瞳にも涙が溢れ……


「お、おははうえしゃま!」

 瞬間、その場にいた、楓禾姫、爽、鈴、稜弥、詠史、なずな、楓希の方、陽、凛実の方、早月も。

 溢れる涙が止まらなくなって。


「おははうえしゃま! おははうえしゃま ね?」

『わたしの おははうえ さま ですよね?』


 楓菜の方に抱き付いて、確かめるように泣く湖紗若に、皆で『そうだよ』『そうですよ』と……


「湖紗若……逢いたかったわ……楓禾姫……良く顔を見せて頂戴……」

 楓禾姫は、必死に涙を堪えながら楓菜の方の傍へ。しかし、抱き付いた瞬間、大号泣して。爽は、抱き合い、涙する三人の元へ行き抱きしめると…家族四人、涙に暮れたのであった。














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