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瑠璃色の海
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目の前に広がる鮮やかな美しい青色の海。
瑠璃色の海。
「フウひめ さま キレイね!」
「本当に……」
楓禾姫は、湖紗若と手を繋ぎ、眼前に広がる美しく瑠璃色に輝く海を見つめながら。
「泣きたくなる美しさね」
心は幸せで泣いているのにナゼ?
楓禾姫は、視線を右側に。反物を敷物にして白い砂浜に敷いて座る女性に目を向けて。
三十代半ば……イヤ、二十代にも見える、美しき女性。
瑠璃色の海を見つめている。後ろには、女性を見守るように。守るように。五十代前半位の女性が控えて立っていた……
──
-稜禾詠ノ国-
その朝、楓禾姫と湖紗若が揃って桜桃城より姿を消したにも関わらず、大騒ぎにならず、一見して"変わらぬ朝"を迎えていた。
なぜなら、楓禾姫よりの手紙を枕元にて見つけた。稜弥、詠史、鈴。なずな。凛実の方、楓希の方、陽が、状況を判断出来ず、大騒ぎする気力もない、茫然自失に陥っていたから。
爽の部屋に来るように使いが来て、集まった顔ぶれを見た時にようやく事の重大さに(心の中で)慌てふためいてた。
のだが。
「私が、楓禾姫と湖紗若の願いを認めたのです」
爽の告白に、皆、安堵して。
「 爽。楓禾姫と湖紗若は、かの約束の地にいるのですね?」
「はい。お義母上様」
稜禾詠ノ国 の『公』としての爽ではなく『私』としての爽として、答えた爽に、陽は。瞳を潤ませ、確認した楓希の方の背中を優しくさすりながら。
「かの地で、そなたの……目指した物が実を結び、楓禾姫と湖紗若は幸せになれると……すると誓うのだな」
「はい。お義父上様」
「殿様。私に、楓禾姫と湖紗若の願いに応える為の考える時を下さいませんか?」
爽は、楓禾姫と湖紗若の決断を尊重してあげたかった。と、同時にもう一人の大切な息子の鈴の気持ちも、尊重し後悔をするような決断をしては欲しくなかった。
「鈴……あぁ、良く考えて……」
(そうだよな。鈴にだけ責務を負わすなど……決断遺憾によっては私も……)
「爽兄上、私の存在をお忘れか? 私は、爽兄上の想いを受け止めて、私の役割を生きて来た。爽兄上の望む生き方をして頂きたい」
「勇……」
爽の、一瞬の心の揺れを見逃さなかった勇。
勇がいたからこそ、桜家はここまで無事に来れたといっても過言ではなく……爽は、勇には感謝しかなくて。
「爽。私と陽は、稜禾詠ノ国を。心から愛する人物が治める事が大切と思っています。 皆で、様々な意見を出し合い、一番良い方法を見つけましょう」
楓希の方の言葉に、深く頷く陽。
稜禾詠ノ国の未来の為なら、古きものに捕らわれる事なく、新しき事も受け入れて行こうとする。楓希の方の覚悟や想いに。爽は、 自分の最後の勤めをきちんと果たそうと思うのだった。
楓禾姫と、湖紗若を想い涙しているなずなを慰めながら、どこか悲しげな表情の、凛実の方。 爽は、 自分の思いをきっちりと伝えねばと思った。
そして……
「私達に、これからの事を、さりげなく示唆していなくなった楓禾姫様に」
「楓禾姫の期待には応えたい所ですが。私達のこれからは、決まっておりますよね」
──
「綺麗ですね」
楓禾姫は、砂浜に敷物を敷いて座り、刺し子を始めた女性の近くに寄ると。そう、声をを掛けて。女性の手元を見つめる。
「さくらの ハナです。フウひめさま キレイね!」
その美しい作品に感嘆の声を上げる湖紗若。
湖紗若の言葉に、女性がピクッ 肩を揺らして、楓禾姫と湖紗若をその綺麗な大きな瞳で見つめて来て。
楓禾姫も、女性をを見つめ返し。綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を瞳に浮かべて。湖紗若も楓禾姫を見て、何かを確信したように。女性を見つめると、綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を浮かべて。
その様子を見つめていた女性の近くに控えていた、女性の瞳にも涙が溢れていた……
瑠璃色の海。
「フウひめ さま キレイね!」
「本当に……」
楓禾姫は、湖紗若と手を繋ぎ、眼前に広がる美しく瑠璃色に輝く海を見つめながら。
「泣きたくなる美しさね」
心は幸せで泣いているのにナゼ?
楓禾姫は、視線を右側に。反物を敷物にして白い砂浜に敷いて座る女性に目を向けて。
三十代半ば……イヤ、二十代にも見える、美しき女性。
瑠璃色の海を見つめている。後ろには、女性を見守るように。守るように。五十代前半位の女性が控えて立っていた……
──
-稜禾詠ノ国-
その朝、楓禾姫と湖紗若が揃って桜桃城より姿を消したにも関わらず、大騒ぎにならず、一見して"変わらぬ朝"を迎えていた。
なぜなら、楓禾姫よりの手紙を枕元にて見つけた。稜弥、詠史、鈴。なずな。凛実の方、楓希の方、陽が、状況を判断出来ず、大騒ぎする気力もない、茫然自失に陥っていたから。
爽の部屋に来るように使いが来て、集まった顔ぶれを見た時にようやく事の重大さに(心の中で)慌てふためいてた。
のだが。
「私が、楓禾姫と湖紗若の願いを認めたのです」
爽の告白に、皆、安堵して。
「 爽。楓禾姫と湖紗若は、かの約束の地にいるのですね?」
「はい。お義母上様」
稜禾詠ノ国 の『公』としての爽ではなく『私』としての爽として、答えた爽に、陽は。瞳を潤ませ、確認した楓希の方の背中を優しくさすりながら。
「かの地で、そなたの……目指した物が実を結び、楓禾姫と湖紗若は幸せになれると……すると誓うのだな」
「はい。お義父上様」
「殿様。私に、楓禾姫と湖紗若の願いに応える為の考える時を下さいませんか?」
爽は、楓禾姫と湖紗若の決断を尊重してあげたかった。と、同時にもう一人の大切な息子の鈴の気持ちも、尊重し後悔をするような決断をしては欲しくなかった。
「鈴……あぁ、良く考えて……」
(そうだよな。鈴にだけ責務を負わすなど……決断遺憾によっては私も……)
「爽兄上、私の存在をお忘れか? 私は、爽兄上の想いを受け止めて、私の役割を生きて来た。爽兄上の望む生き方をして頂きたい」
「勇……」
爽の、一瞬の心の揺れを見逃さなかった勇。
勇がいたからこそ、桜家はここまで無事に来れたといっても過言ではなく……爽は、勇には感謝しかなくて。
「爽。私と陽は、稜禾詠ノ国を。心から愛する人物が治める事が大切と思っています。 皆で、様々な意見を出し合い、一番良い方法を見つけましょう」
楓希の方の言葉に、深く頷く陽。
稜禾詠ノ国の未来の為なら、古きものに捕らわれる事なく、新しき事も受け入れて行こうとする。楓希の方の覚悟や想いに。爽は、 自分の最後の勤めをきちんと果たそうと思うのだった。
楓禾姫と、湖紗若を想い涙しているなずなを慰めながら、どこか悲しげな表情の、凛実の方。 爽は、 自分の思いをきっちりと伝えねばと思った。
そして……
「私達に、これからの事を、さりげなく示唆していなくなった楓禾姫様に」
「楓禾姫の期待には応えたい所ですが。私達のこれからは、決まっておりますよね」
──
「綺麗ですね」
楓禾姫は、砂浜に敷物を敷いて座り、刺し子を始めた女性の近くに寄ると。そう、声をを掛けて。女性の手元を見つめる。
「さくらの ハナです。フウひめさま キレイね!」
その美しい作品に感嘆の声を上げる湖紗若。
湖紗若の言葉に、女性がピクッ 肩を揺らして、楓禾姫と湖紗若をその綺麗な大きな瞳で見つめて来て。
楓禾姫も、女性をを見つめ返し。綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を瞳に浮かべて。湖紗若も楓禾姫を見て、何かを確信したように。女性を見つめると、綺麗な大きな瞳に、みるみる涙を浮かべて。
その様子を見つめていた女性の近くに控えていた、女性の瞳にも涙が溢れていた……
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