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何勝手に決めてんの?~苺~1

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   ソファーに横になって動けないけれど、リョウくんの声と泣いてる声は微かだけど聞こえて

 なんて愚かなことしたんだろう?って…

 男の人が人前で泣くって嫌なんじゃないかな?って

 努力とか、人の見てない所で頑張るリョウくん。涙だって見せたく無かっただろうに…

 ゴメンね…



 ー病室ー

 リョウくん泣き出しそうな…

 けれど微かに微笑んで、安堵と後悔の入り混じったような表情で

 私のベッドの前に椅子の背もたれを自分の体の前にし、椅子に逆に跨って座って

 背もたれの上の部分に腕を乗せて、その上にアゴを乗せて…


 ダラーっしてるけど凄く緊張感が…



 処置室で松岡先生に、今回の事の顛末を聞かれて…

松岡「気持ちは分かるけどね…ヤマトタケルにはお灸を据えないと…」

 冗談ぽく軽い感じて私には言ったけれども、ヤマトにぃタケルにぃの下りのところでは、松岡先生の目がちょっと真剣になったから…

 私もそれだけは

あの時何故、そういう気持ちになったか

 思い出して…先生が説教してくれるんならって…


 けど、もう一度軽く説教されて病室に送り込まれたんだけど…

 (そうだよね)


 決して簡単な事じゃないから、軽い感じで言ってるけれど

松岡『何かあったらどうするつもりだったんだっ?』

 …その言葉には、

 それがあるんだ…

って思ったの

 

 リョウくんが何も言ってくれなくて、じっと私を見つめてるから

 涙が出そうになったけど

 泣いてる場合じゃないんだって


のん「ごめんなさい…」


 その瞬間、リョウくんは立ち上がって私のベッドに上がって来て

私を強く抱きしめると



リョウ「何勝手に決めてんの?」


  って…



 




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