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「マミは真っ直ぐな女の子なの 」
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「アキちゃん……糸さんの孫の陽良くんは、 朝、財布が見つからなくて 。イライラしながら、散々探し回った挙句。見つけた下駄箱の上の財布を 、すでに、自分できちんと回収したのに……」
「おばあちゃんの、糸さんを送ってくれたマミちゃんを見た瞬間 、続行中だったイライラを 。受験や、なんやかやのイライラを。 マミちゃんのせいにして、ブツけて。憂さを晴らそうと したんだよな」
ナミから、連絡を受けて 。心配してマミの家に駆けつけてきた 愛朱実と朔弥がそう言うと。
「糸さんは 、今の記憶は中々繋ぎ止めておけないけれど 、その瞬間だけは 『陽良くんの方が間違ってるよ』って 。朝方に、その姿を見ていた糸さんが陽良くを諭してくれたんだ」
拓眞が答え。
「マミが山際さんの家を飛び出す前に、糸さんが陽良くんに言った言葉を。 残念ながらマミに 届くことはなくて……陽良くんは泣きながら、ご両親に本当のことを話してくれたから……電話で直接陽良くんのご両親から連絡があったのよ。散々謝られたわ」
(いくら謝ってもらっても。 マミの心を傷つけたことは…… もう一生消えないのよ……)
ナミは本当に悔しかった。
「先輩の種橋さん? マミちゃんの会社に連絡したんですよね? 会社は何て 言ってきたんですか? てか、連絡ありましたか?」
拓眞も、許せないと。悔しくて。
その感情の他に、マミが可哀想で仕方なくて。
「『きちんと事の次第を調べてから、改めてお話しさせて頂きます 』まるで他人ごとのような連絡が来たわ……」
『「陽良の嘘で 。マミさんは何もしていない』と、連絡が来たからと『後日 、謝罪に行きますから』って。山際さんから、連絡があったよ』
ってナミから聞いた瞬間 。
真冬の寒空の下。吹雪の中にいたマミは膝から崩れ落ちて……
心配だから。
とリビングに布団を敷いて。マミを寝かせてから。 『 話を しましょう』 と言ったナミ。
マミはら 少し微熱が出始めていた。
「こんな時ですからね。多分 大丈夫だと思うけど。 家に用意してある抗原検査のキットで調べて 。かかりつけ医の小林先生に PCR 検査もお願いしてみるわ」
「おばちゃん、大丈夫 。用心はした方がいいから、検査はするとして 。マミは何もしていないんだもん 。物事は 良い方向に戻るよ」
「愛朱実ちゃん。ありがとう。 拓眞くん 、雪の中 。お願い。探して来てって、無理を言ってごめんなさい。中庭くんもマミを心配して来てくれて、本当にありがとう」
「おばちゃん 、すぐ離れるから。ちょっと、ぎゅっ。てさせて」
愛朱実はそう言って、ナミをぎゅって抱きしめて。 離れた後。
「どうして ? マミばっか 、辛い思いするのよっ」
堪えきれずに、泣き出してしまった愛朱実を。
「岡ちゃん……」
今度は朔弥が、ぎゅっ。て抱きしめて。
「マミは、真っ直ぐな女の子なの 。なんでか勝手に『してもいないことを。マミがしたって』いつも言われちゃうの。何でよ? マミは優しいから、私のことだって助けてくれて ……悔しいよっ」
いつも強気な女の子だって、思ってた愛朱実が、ポロポロ泣き出してしまって。
拓眞も、朔弥も。少なからずビックリしてしまっていた。
そんな中、朔弥は。
(俺が守ってあげたい)
って。
その時に、
(強く意識したんだよな)
って。
後に。振り返ると、この時だったって。 思い返すことになるのだった。
「おばあちゃんの、糸さんを送ってくれたマミちゃんを見た瞬間 、続行中だったイライラを 。受験や、なんやかやのイライラを。 マミちゃんのせいにして、ブツけて。憂さを晴らそうと したんだよな」
ナミから、連絡を受けて 。心配してマミの家に駆けつけてきた 愛朱実と朔弥がそう言うと。
「糸さんは 、今の記憶は中々繋ぎ止めておけないけれど 、その瞬間だけは 『陽良くんの方が間違ってるよ』って 。朝方に、その姿を見ていた糸さんが陽良くを諭してくれたんだ」
拓眞が答え。
「マミが山際さんの家を飛び出す前に、糸さんが陽良くんに言った言葉を。 残念ながらマミに 届くことはなくて……陽良くんは泣きながら、ご両親に本当のことを話してくれたから……電話で直接陽良くんのご両親から連絡があったのよ。散々謝られたわ」
(いくら謝ってもらっても。 マミの心を傷つけたことは…… もう一生消えないのよ……)
ナミは本当に悔しかった。
「先輩の種橋さん? マミちゃんの会社に連絡したんですよね? 会社は何て 言ってきたんですか? てか、連絡ありましたか?」
拓眞も、許せないと。悔しくて。
その感情の他に、マミが可哀想で仕方なくて。
「『きちんと事の次第を調べてから、改めてお話しさせて頂きます 』まるで他人ごとのような連絡が来たわ……」
『「陽良の嘘で 。マミさんは何もしていない』と、連絡が来たからと『後日 、謝罪に行きますから』って。山際さんから、連絡があったよ』
ってナミから聞いた瞬間 。
真冬の寒空の下。吹雪の中にいたマミは膝から崩れ落ちて……
心配だから。
とリビングに布団を敷いて。マミを寝かせてから。 『 話を しましょう』 と言ったナミ。
マミはら 少し微熱が出始めていた。
「こんな時ですからね。多分 大丈夫だと思うけど。 家に用意してある抗原検査のキットで調べて 。かかりつけ医の小林先生に PCR 検査もお願いしてみるわ」
「おばちゃん、大丈夫 。用心はした方がいいから、検査はするとして 。マミは何もしていないんだもん 。物事は 良い方向に戻るよ」
「愛朱実ちゃん。ありがとう。 拓眞くん 、雪の中 。お願い。探して来てって、無理を言ってごめんなさい。中庭くんもマミを心配して来てくれて、本当にありがとう」
「おばちゃん 、すぐ離れるから。ちょっと、ぎゅっ。てさせて」
愛朱実はそう言って、ナミをぎゅって抱きしめて。 離れた後。
「どうして ? マミばっか 、辛い思いするのよっ」
堪えきれずに、泣き出してしまった愛朱実を。
「岡ちゃん……」
今度は朔弥が、ぎゅっ。て抱きしめて。
「マミは、真っ直ぐな女の子なの 。なんでか勝手に『してもいないことを。マミがしたって』いつも言われちゃうの。何でよ? マミは優しいから、私のことだって助けてくれて ……悔しいよっ」
いつも強気な女の子だって、思ってた愛朱実が、ポロポロ泣き出してしまって。
拓眞も、朔弥も。少なからずビックリしてしまっていた。
そんな中、朔弥は。
(俺が守ってあげたい)
って。
その時に、
(強く意識したんだよな)
って。
後に。振り返ると、この時だったって。 思い返すことになるのだった。
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