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あまり疲れや眠気を感じなかった俺は、購入した鞘にナイフを納めた後、古い布を引き裂いて腰に吊るせるように加工して装備した。スラックスだからちょっとだけ場違い感はあるけど、シャツとローブ、ブーツも併せてダンジョン探索を生業とする冒険者っぽくなったと思う。
ナイフもなんだかんだ嬉しそうに柄から生やした触手をウネウネさせている。住み心地いいのかな?
気持ち悪い心臓はよく焼いて食う以外の選択肢が思いつかなかったからまた紙袋に入れて収納に入れた。悪魔さんはどうしてこんなのを俺に渡したんだろ......
「......んー、わかんねぇ」
湧水で洗濯をしながら考えたけど、俺の頭じゃ終わるまでの間に正解へと辿り着けなかったから思考を放棄した。次にババアと悪魔さんに会ったらその時に聞こう。
魔法の火で洗濯物を乾かし終わった匠はそれら収納にしまい、忘れ物がないかを念入りに確認した後、次の階層へ進む為に階段を降りていった。
◆◇原初ノ迷宮第八十一層◇◆
「寒っ!! こうくるかぁ......」
階段を降りた先にあったのは、ギギ〇ブラが天井を這ってきそうな感じの如何にもな氷の洞窟だった。
「一旦退避っ」
階段を急いで駆け上がり、装備を変更。ホットなドリンクが無ければスタミナが死ぬ寒さに対抗するには、装備の力に頼るしかない。よくやるよね、雪山にホットドリンク忘れていくの。
某狩りゲーでのミスを思い出しながら着替え、再び氷の洞窟へ踏み込んで行った。
「......嘘だろ」
全く寒くなかった。耐寒珠が全部位に仕込まれているかのように全く寒くない不思議。中位鑑定を物ともしない魔改造されたヒート〇ックすげぇ!!!
買っておいてよかった。ババアが意図して店のラインナップに並べておいてくれたのか、適当に選んで買ってきたのを並べておいたのか知らないけど、これはマジでババアのファインプレイ。ありがとうババア。
それに――
「流石ワー〇マンの安全長靴......耐水性も問題なさそうでいて滑り止めもすげぇ効いてて氷の洞窟でもちゃんと踏ん張れる。これも再生機能付いてたらいいのに......頑丈らしいけど足への被弾には注意しないとなぁ」
流石日本が誇る肉体労働者の味方企業。ちょっと魔改造されてるけどダンジョンでもしっかり機能してるよ!! これは他のも期待できそうですわ。
「それにしても......うん」
洞窟の先にあった大部屋はまさかのドーム型で天井の無い不思議な空間だった。そして数えるのがアホらしくなるほどの人影が見える。
でもまぁ氷属性や寒い所にいる敵って基本的に熱に弱いはず。という事はアレ、最悪ヒヨコを放てば終わりだから気が楽だった。
「ボーナスステージか此処は......」
思わずそう呟いてしまった。
最初のエンカウントで出てきたのは、アイスボーンという動く氷の骨の群れを見て確信した。此処は寒さ対策さえ出来ていれば楽勝、と。
「「「「「ケヒャヒャヒャヒャヒャァ」」」」」
どっからそんな声出してんねんというツッコミは野暮だろう。不思議生物には理論は通じない。
そんな事よりも殴りがいのありそうなのが出てきてくれて嬉しいよ。今こそアレを試す時でしょう......
「アハーハハハハハハハッ!! 火〇ッッ!!」
袖を肘まで捲って、とりあえず手首まで勢いよく燃やす。後は殴るだけの簡単な技。本家のようには飛ばせなくて結局物理だけど、一度やってみたかっただけなので今はコレで充分。
頭蓋骨にめり込む火の拳。面白いぐらいに簡単に陥没したり貫通していく。
「フハハハハハハハっ」
一通り火の拳を満喫した後は骨の顔面を鷲掴みにして振り回し、即席武器や防具として有効活用させてもらっている。アイスボーンの振るう氷の剣や槍は骨の盾で防ぎ、骨で殴る。龐煖みたいな事が出来ている。楽しい。
漫画やゲームみたいなムーブが出来るとテンションがブチ上がっちゃうのは日本人なら誰しもが通る道だと思っている。
「アハハハハハハハハハハッッ!!」
武器の耐久値が無くなって壊れちゃったのでナイフを抜き、伸ばさせた触手を束ねた一本触手をラリアットの要領で横薙ぎに振り抜く。わらわら湧いてくるアイスボーンが薙ぎ倒されていく様子を見て圧倒的な暴力の快感に酔いしれる。
「オラァッ!!!!」
振り上げ、叩き付け、振り回し。たった三つの動きだけで無双ゲーのように敵を屠っていく匠を見て、アイスボーンの群れは恐れ慄く。
不意打ちは避けられ、近接では味方を盾や武器として使いながら圧倒し薙ぎ倒してくる。敵側からすれば悪夢そのもののような存在であった。
「燃えろ」
炎の球を作り、投げつける。
雑に投げた球でも狙ったかのように頭部に吸い込まれていき、頭部貫通して突き抜けていく。当たったアイスボーンの後方にいたアイスボーンにも次々当たり、凡そ十体を死球で破壊した後勢いを無くした炎の球は爆発。消費MPは2とローコスト、属性の相性云々もあるが連続死球と爆発で二十体強は殺せる凶悪な技だった。
「これ使えるじゃん。っしゃ! どんどんいくぞ!」
作っては投げ、作っては投げ、ちょっと間をあけてドカンドカン。散らばる様々な部位の氷混じりの骨。
球数が結構嵩んだイニング並の30球を投げ、触手バットを振り回し、ふと気付けばアイスボーンの残りはあと僅かになっていた。
「やっぱり、有限だよなぁ......」
祭りの終わりにもの哀しさを覚えながら残った数少ないアイスボーンの殲滅を淡々と行っていく。
決して弱くはなかった。寧ろ普通の強者でも弱点属性を持っていても一パーティ分現れれば手古摺るような相手。そんなのが千を優に超える数が居ても楽々と殲滅出来るようになっていた匠。彼が周りで比較できる相手が全て人外を超える強さを持っている相手しか居ない為、自身の戦力の現在地点が曖昧で未だに自分の強さがどれ位か把握出来ていなかった。
『レベルが9上がりました』
「......楽しかったけど終わっちゃった、か。コイツら難易度の割に美味しいかも。血は増やせんけど。
はぁ、あーあ、どれ位強くなればあのクソ鎧を圧倒出来るのかなぁ......肉塊をぶち殺せる位になるのは何時になる事やら」
戦いながら自分の成長を感じることが出来て嬉しくなる反面、絶対に殺すべき敵の遠さもわかるようになって悔しい。
「あー、でも100階層以上はあるから、一旦この階層で止まってレベル上げておこう」
遠い所に居る敵に追いつけるよう、ここで戦闘のスキルを上げる覚悟を決めた。幸い、寒さにも耐性があって気持ちよく過ごせる道具もある。
どう成長出来るか楽しみだ――
◆◆◆◆◆
リポップを待って二回目のアイスボーン戦。
今回も危なげなく殲滅。被弾は五。初回よりも十分ほど早く殲滅する事が出来て満足そうに次に備えた。
8レベルアップ。
三回目のアイスボーン戦。
RTAを焦った所為で被弾を四回増え、タイムは二回目よりも三分程オーバーしてしまった。不甲斐ない結果に凹む。
8レベルアップ。
四回目のアイスボーン戦。
RTA欲を捨てて堅実に立ち回った。被弾は零。タイムは三回目よりも二分早い結果になるもストレスが溜まった。
7レベルアップ。
そして迎えた五回目のアイスボーン戦――
今回は堅実に立ち回りつつ本能に従って暴れるをコンセプトに挑んだ五戦目、現れたアイスボーンは一体だった。バカみたいにデカいヤツが。
「お、おぉっとぉ......」
これは想定外とばかりにあほ面を晒した匠。だったが即座に気を取り直して鑑定を仕掛けた。
──────────────────────────────
氷武者髑髏
レベル:114
アイスボーンの怨念が寄り集まって現界した餓者髑髏亜種
──────────────────────────────
また三桁レベル。こうなってくるとそろそろ俺も三桁レベルになれるのかな? この段階で三桁に乗るか、次の進化の後三桁に乗るか......嗚呼、楽しみだなぁ。
「さて殺るか」
それに......まさか日本の妖怪チックなヤツが出てくるとは思ってもみなかった。ババアと悪魔さんが日本文化を嗜み始めた影響か、俺が侵入した影響かはわからないけど、ちょっとワクワクしている。
「オラァッ!!」
先手必勝と、かなり距離の離れている相手に向け、MP5を使ったボウリング玉サイズの炎球を氷胸元を抉るイメージでぶん投げた。
「フンッ!!」
そこから間髪入れずに駆け出し、全力で跳躍して氷武者髑髏の頭よりも高く跳ぶ。
眼下では氷武者髑髏が炎球を打ち落とそうといつの間にかその手に握っていた太刀を振り上げているド迫力の光景があった。
「ハハッ」
ヤツの間合いに入った炎球目掛けて振り下ろされる太刀。恐るべき剣速が変化前の炎球を容易に斬り裂く。
しかし、ただでやられないのが匠の炎魔法。これは完全に匠も無意識であったが、ヒヨコ発動のイメージが強く反映されているので、最後には爆発するのだ。
アイスボーン戦での爆発もその影響である。
斬った炎球が不自然に煌めき、直後爆発を起こした。
閃光と轟音が部屋を覆う直前、骨と氷で出来たその全身に甲冑を纏うのが見えた。
「クソッ......やられたわ」
あれだと爆発でのダメージは期待できないなと思いながら空中で爆風を食らい、変に体勢が崩れた不格好な空中姿勢のまま氷武者髑髏が居た場所へと向かっていった。
─────────────────────────────
吉持ㅤ匠
人化悪魔
職業:暴狂血
Lv:38→83
HP:100%
MP:100%
物攻:300
物防:1
魔攻:200
魔防:100
敏捷:290
幸運:30
残SP:12→147
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残534.7L
不死血鳥
部位魔化
魔法操作
血流操作
漏れ出す混沌
上位隠蔽
中位鑑定
中位収納
中位修復
空間認識
殺戮
風神那海
状態異常耐性Lv10
壊拳術Lv5
鈍器(統)Lv8
上級棒術Lv4
小剣術Lv7
歩法Lv9
崩打
強呪耐性Lv5
石化耐性Lv4
病気耐性Lv4
熱傷耐性Lv8
耐圧Lv3
解体・解剖
回避Lv10
溶解耐性Lv6
洗濯Lv3
アウナスの呪縛
装備:
壊骨砕神
悪魔骨のヌンチャク
肉触手ナイフ
貫通寸鉄
火山鼠革ローブ
再生獣希少種革のスラックス
再生獣革のブーツ
貫突虫のガントレット
聖銀の手甲
鋼鉄虫のグリーブ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍
迷宮鋼の棘針×2
魔法袋・小
ババアの加護ㅤ残高17000
──────────────────────────────
ナイフもなんだかんだ嬉しそうに柄から生やした触手をウネウネさせている。住み心地いいのかな?
気持ち悪い心臓はよく焼いて食う以外の選択肢が思いつかなかったからまた紙袋に入れて収納に入れた。悪魔さんはどうしてこんなのを俺に渡したんだろ......
「......んー、わかんねぇ」
湧水で洗濯をしながら考えたけど、俺の頭じゃ終わるまでの間に正解へと辿り着けなかったから思考を放棄した。次にババアと悪魔さんに会ったらその時に聞こう。
魔法の火で洗濯物を乾かし終わった匠はそれら収納にしまい、忘れ物がないかを念入りに確認した後、次の階層へ進む為に階段を降りていった。
◆◇原初ノ迷宮第八十一層◇◆
「寒っ!! こうくるかぁ......」
階段を降りた先にあったのは、ギギ〇ブラが天井を這ってきそうな感じの如何にもな氷の洞窟だった。
「一旦退避っ」
階段を急いで駆け上がり、装備を変更。ホットなドリンクが無ければスタミナが死ぬ寒さに対抗するには、装備の力に頼るしかない。よくやるよね、雪山にホットドリンク忘れていくの。
某狩りゲーでのミスを思い出しながら着替え、再び氷の洞窟へ踏み込んで行った。
「......嘘だろ」
全く寒くなかった。耐寒珠が全部位に仕込まれているかのように全く寒くない不思議。中位鑑定を物ともしない魔改造されたヒート〇ックすげぇ!!!
買っておいてよかった。ババアが意図して店のラインナップに並べておいてくれたのか、適当に選んで買ってきたのを並べておいたのか知らないけど、これはマジでババアのファインプレイ。ありがとうババア。
それに――
「流石ワー〇マンの安全長靴......耐水性も問題なさそうでいて滑り止めもすげぇ効いてて氷の洞窟でもちゃんと踏ん張れる。これも再生機能付いてたらいいのに......頑丈らしいけど足への被弾には注意しないとなぁ」
流石日本が誇る肉体労働者の味方企業。ちょっと魔改造されてるけどダンジョンでもしっかり機能してるよ!! これは他のも期待できそうですわ。
「それにしても......うん」
洞窟の先にあった大部屋はまさかのドーム型で天井の無い不思議な空間だった。そして数えるのがアホらしくなるほどの人影が見える。
でもまぁ氷属性や寒い所にいる敵って基本的に熱に弱いはず。という事はアレ、最悪ヒヨコを放てば終わりだから気が楽だった。
「ボーナスステージか此処は......」
思わずそう呟いてしまった。
最初のエンカウントで出てきたのは、アイスボーンという動く氷の骨の群れを見て確信した。此処は寒さ対策さえ出来ていれば楽勝、と。
「「「「「ケヒャヒャヒャヒャヒャァ」」」」」
どっからそんな声出してんねんというツッコミは野暮だろう。不思議生物には理論は通じない。
そんな事よりも殴りがいのありそうなのが出てきてくれて嬉しいよ。今こそアレを試す時でしょう......
「アハーハハハハハハハッ!! 火〇ッッ!!」
袖を肘まで捲って、とりあえず手首まで勢いよく燃やす。後は殴るだけの簡単な技。本家のようには飛ばせなくて結局物理だけど、一度やってみたかっただけなので今はコレで充分。
頭蓋骨にめり込む火の拳。面白いぐらいに簡単に陥没したり貫通していく。
「フハハハハハハハっ」
一通り火の拳を満喫した後は骨の顔面を鷲掴みにして振り回し、即席武器や防具として有効活用させてもらっている。アイスボーンの振るう氷の剣や槍は骨の盾で防ぎ、骨で殴る。龐煖みたいな事が出来ている。楽しい。
漫画やゲームみたいなムーブが出来るとテンションがブチ上がっちゃうのは日本人なら誰しもが通る道だと思っている。
「アハハハハハハハハハハッッ!!」
武器の耐久値が無くなって壊れちゃったのでナイフを抜き、伸ばさせた触手を束ねた一本触手をラリアットの要領で横薙ぎに振り抜く。わらわら湧いてくるアイスボーンが薙ぎ倒されていく様子を見て圧倒的な暴力の快感に酔いしれる。
「オラァッ!!!!」
振り上げ、叩き付け、振り回し。たった三つの動きだけで無双ゲーのように敵を屠っていく匠を見て、アイスボーンの群れは恐れ慄く。
不意打ちは避けられ、近接では味方を盾や武器として使いながら圧倒し薙ぎ倒してくる。敵側からすれば悪夢そのもののような存在であった。
「燃えろ」
炎の球を作り、投げつける。
雑に投げた球でも狙ったかのように頭部に吸い込まれていき、頭部貫通して突き抜けていく。当たったアイスボーンの後方にいたアイスボーンにも次々当たり、凡そ十体を死球で破壊した後勢いを無くした炎の球は爆発。消費MPは2とローコスト、属性の相性云々もあるが連続死球と爆発で二十体強は殺せる凶悪な技だった。
「これ使えるじゃん。っしゃ! どんどんいくぞ!」
作っては投げ、作っては投げ、ちょっと間をあけてドカンドカン。散らばる様々な部位の氷混じりの骨。
球数が結構嵩んだイニング並の30球を投げ、触手バットを振り回し、ふと気付けばアイスボーンの残りはあと僅かになっていた。
「やっぱり、有限だよなぁ......」
祭りの終わりにもの哀しさを覚えながら残った数少ないアイスボーンの殲滅を淡々と行っていく。
決して弱くはなかった。寧ろ普通の強者でも弱点属性を持っていても一パーティ分現れれば手古摺るような相手。そんなのが千を優に超える数が居ても楽々と殲滅出来るようになっていた匠。彼が周りで比較できる相手が全て人外を超える強さを持っている相手しか居ない為、自身の戦力の現在地点が曖昧で未だに自分の強さがどれ位か把握出来ていなかった。
『レベルが9上がりました』
「......楽しかったけど終わっちゃった、か。コイツら難易度の割に美味しいかも。血は増やせんけど。
はぁ、あーあ、どれ位強くなればあのクソ鎧を圧倒出来るのかなぁ......肉塊をぶち殺せる位になるのは何時になる事やら」
戦いながら自分の成長を感じることが出来て嬉しくなる反面、絶対に殺すべき敵の遠さもわかるようになって悔しい。
「あー、でも100階層以上はあるから、一旦この階層で止まってレベル上げておこう」
遠い所に居る敵に追いつけるよう、ここで戦闘のスキルを上げる覚悟を決めた。幸い、寒さにも耐性があって気持ちよく過ごせる道具もある。
どう成長出来るか楽しみだ――
◆◆◆◆◆
リポップを待って二回目のアイスボーン戦。
今回も危なげなく殲滅。被弾は五。初回よりも十分ほど早く殲滅する事が出来て満足そうに次に備えた。
8レベルアップ。
三回目のアイスボーン戦。
RTAを焦った所為で被弾を四回増え、タイムは二回目よりも三分程オーバーしてしまった。不甲斐ない結果に凹む。
8レベルアップ。
四回目のアイスボーン戦。
RTA欲を捨てて堅実に立ち回った。被弾は零。タイムは三回目よりも二分早い結果になるもストレスが溜まった。
7レベルアップ。
そして迎えた五回目のアイスボーン戦――
今回は堅実に立ち回りつつ本能に従って暴れるをコンセプトに挑んだ五戦目、現れたアイスボーンは一体だった。バカみたいにデカいヤツが。
「お、おぉっとぉ......」
これは想定外とばかりにあほ面を晒した匠。だったが即座に気を取り直して鑑定を仕掛けた。
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氷武者髑髏
レベル:114
アイスボーンの怨念が寄り集まって現界した餓者髑髏亜種
──────────────────────────────
また三桁レベル。こうなってくるとそろそろ俺も三桁レベルになれるのかな? この段階で三桁に乗るか、次の進化の後三桁に乗るか......嗚呼、楽しみだなぁ。
「さて殺るか」
それに......まさか日本の妖怪チックなヤツが出てくるとは思ってもみなかった。ババアと悪魔さんが日本文化を嗜み始めた影響か、俺が侵入した影響かはわからないけど、ちょっとワクワクしている。
「オラァッ!!」
先手必勝と、かなり距離の離れている相手に向け、MP5を使ったボウリング玉サイズの炎球を氷胸元を抉るイメージでぶん投げた。
「フンッ!!」
そこから間髪入れずに駆け出し、全力で跳躍して氷武者髑髏の頭よりも高く跳ぶ。
眼下では氷武者髑髏が炎球を打ち落とそうといつの間にかその手に握っていた太刀を振り上げているド迫力の光景があった。
「ハハッ」
ヤツの間合いに入った炎球目掛けて振り下ろされる太刀。恐るべき剣速が変化前の炎球を容易に斬り裂く。
しかし、ただでやられないのが匠の炎魔法。これは完全に匠も無意識であったが、ヒヨコ発動のイメージが強く反映されているので、最後には爆発するのだ。
アイスボーン戦での爆発もその影響である。
斬った炎球が不自然に煌めき、直後爆発を起こした。
閃光と轟音が部屋を覆う直前、骨と氷で出来たその全身に甲冑を纏うのが見えた。
「クソッ......やられたわ」
あれだと爆発でのダメージは期待できないなと思いながら空中で爆風を食らい、変に体勢が崩れた不格好な空中姿勢のまま氷武者髑髏が居た場所へと向かっていった。
─────────────────────────────
吉持ㅤ匠
人化悪魔
職業:暴狂血
Lv:38→83
HP:100%
MP:100%
物攻:300
物防:1
魔攻:200
魔防:100
敏捷:290
幸運:30
残SP:12→147
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残534.7L
不死血鳥
部位魔化
魔法操作
血流操作
漏れ出す混沌
上位隠蔽
中位鑑定
中位収納
中位修復
空間認識
殺戮
風神那海
状態異常耐性Lv10
壊拳術Lv5
鈍器(統)Lv8
上級棒術Lv4
小剣術Lv7
歩法Lv9
崩打
強呪耐性Lv5
石化耐性Lv4
病気耐性Lv4
熱傷耐性Lv8
耐圧Lv3
解体・解剖
回避Lv10
溶解耐性Lv6
洗濯Lv3
アウナスの呪縛
装備:
壊骨砕神
悪魔骨のヌンチャク
肉触手ナイフ
貫通寸鉄
火山鼠革ローブ
再生獣希少種革のスラックス
再生獣革のブーツ
貫突虫のガントレット
聖銀の手甲
鋼鉄虫のグリーブ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍
迷宮鋼の棘針×2
魔法袋・小
ババアの加護ㅤ残高17000
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