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置き土産
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荒れ狂う腕の隙間を縫って本体のゾンビに肉薄していく。リーチの長い武器を持った敵の弱点は零距離と聞いた事があったから、何の疑いもなく攻め入っていった。
こういう場合、敵さんも何かしらの対抗策を持っているのがセオリーだが、果たしてどうなる事か......
よく見ると最初にブッ潰した方の手が若干リーチが短い。解呪した方はまだ元の長さだ......
「コイツ......呪い消費で再生......なら......ハッ!!」
ラリアット気味に放たれた腕の攻撃を屈んで避け、漸く辿り着いた無防備な胴体。勿論強呪の厄介さを知っている匠は油断はしていない。
イレギュラーな事態が何時起こっても対応出来るように、集中力は極限まで高められていた。
「悪霊退散ッッ!!」
ゾンビには普通の殴打よりも炎が効くと信じて、炎を纏わせた金砕棒を安直な掛け声と共に袈裟斬りに振り下ろした。
大型トラックのタイヤを殴るような感触と腐肉にめり込んでいく不思議な感触が金砕棒から手に伝わり、腐肉の焼ける臭いが鼻に届く。怨念集合体らしくサラウンドでゾンビの汚い叫び声が聞こえ、ゾンビの身体からは黒い靄が湯気のように湧き出ていた。
「悪霊退散の効果があったのマジ驚きだわ。てかあんなヒョロくて脆そうな見た目の癖に身体は超硬いとかどんな嫌がらせだよ――畜生ッ」
セルフSMをするドMように、長い腕を鞭の如く自身の身体に叩き付けてくるのを避けて距離を取らされる。解呪の余りを浴びた方の腕はそのまま身体に巻き付いていき、身体と同化した。
『『『『『GIIIIIIIIIIIIIA』』』』』
「チィッ」
腕を吸収して第二形態になったロングアームレギオンゾンビ。
片腕だけ異常発達した追跡者といった風貌。やばそうな雰囲気しかしないソレが動いた。腕に全振りしていたリソースを身体能力へ振り直したらしく、動きはとても早かった。
「オルァッ!! ......ン゛ォッ!!」
普通に筋肉質な片方の腕でのショートフックを金砕棒でパリィし、続け様に繰り出されたハイキックをスウェーで躱す。頭以外の全てから黒い靄が湧いているので掠るのすら許されない。
「行動パターンが全部変わったのに加えて、長い方の腕を使ってこないとか......頭おかしくなりそ......」
長い腕の攻撃をケアしながら、遠近感の狂った呪い付き体術メインの追跡者ボディへの対応を強いられる。
「クソがッッ」
完全に避けなきゃいけない非常に神経を使う作業を行う中、どうしても避けきれない......掠ってしまう攻撃が来てしまった。
「......もうどうにでもなれ!!!」
相手の振り切ったストレートの後、そのまま身体を回転させて長い腕の方を使った肘打ちに、魔化させた膝の棘を合わせる。
肘に棘が刺さった瞬間、棘に金砕棒をぶち当てて破壊して離脱した。呪いが侵食する前に、と急いで行ったのが良かったのか膝は呪いに侵される事なく離脱する事ができた。
「......おっと。これが大丈夫ならやりようはいくらでもあるなぁ」
バチバチのインファイトゴリ押しで呪いVS脳筋デスマッチを覚悟していた匠にとって、この一瞬のやり取りで得た情報は値千金となった。
「ふぅぅぅぅぅ......フンッ!!」
大きく深呼吸した後、匠は尻尾を生やしてから再び追跡者の懐へと飛び込んだ。スピードを零から百へ強引にもっていった脹脛から嫌な音がしたが、いつもの事なので匠は気にせず、手にした燃え盛る金砕棒で長い方の腕をどんどん叩いていく。
『『『『『『AAAAAAAAAAAH』』』』』』
「アハハハハハハハハハハッ」
追跡者も負けじと長い腕を盾にしながら蹴りや拳を浴びせてくる。その呪い付き攻撃を尻尾でガードしていく。呪いが溜まって根元まで黒く染まってきたら尻尾を引きちぎって追跡者にぶん投げて新しいのを生やす。手が足りなく感じて来たので生えたのを速攻でちぎって空いてる手に装備。変則三刀流じゃ!!
ちぎった尻尾をビタンビタン叩きつけて新しい尻尾でビタンビタン。金砕棒でもビタンビタン。
結構ポップな感じで言ってるけど、もっとヤバい音がしてるのに加えて匠も実はかなり余裕が無い。でもそれすらも楽しくて、匠の蚩いは止まらない。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
息継ぎ無しでゴリッゴリに攻める。
とりあえず壊せば呪いが減る。集合体の凝り固まった執拗い怨念や呪いも、何れ祓えるんだ。
残りMP的に、生やせるのは後六本、ギリギリまで無理して使えば......七本。
「アハハハハハハハハハハッ!! 大分体積減ってきたなテメェ!!! この調子で削り殺してやるからな!!!」
胴体部分は最初ほど硬さは無くなり、もう追跡者と呼べないサイズになってきていた。ここが、踏ん張りどころと見て歯を食いしばって回転数を上げていく。
『『『『『『GUROOOOOOOOOOO』』』』』』
ロングアームレギオンゾンビも此処が正念場と見たか、覚悟を決めた表情で匠に相対する。
『『『『『『GUBAAAAAAAAAA』』』』』』
ロングアームレギオンゾンビの長い方の腕が膨れ上がっていく。匠はそれを見て警戒を強めたが、何かしら盤面をひっくり返す策を弄そうとしても、もう仕切り直す元気は無かった。なのでこのままゴリ押しで通す決意と、最寄りのトイレまであと五分は掛かる場所で不意に訪れた急な便意からキマる覚悟のようなモノを心に、より一層攻撃は苛烈さを増していった。
残り少ない尻尾リスポーンの内の五回分を一気に使って尻尾鞭を作成。太すぎて掴めなかったから握力のゴリ押しでギュッッッッッと握ったら五本分の尻尾は纏まってくれた......何故か尻尾の棘棘が握ったらブワッと一気に開いて怒ったナルガ〇ルガさんの尻尾ビターンよりも凶悪なビターンが出来るようになったのは怪我の功名ってヤツだろう。握った所の棘もブワッとして手がズタズタになったし。ちくしょう。
「オラァッ!! 死ねッッッッ!! 大人しく死ねよ!! 未練がましい動く死体がッッッ!!」
手に食いこんで離れないのでそのまま叩きつける。ロングアームレギオンゾンビの膨らみ続ける腕ごと、何度も何度も何度も何度も。
「アハハハハハハハハハハッ!! 死ね!! 死ね!! 死ねェェェェエ!!」
何度目かの打擲で棘鞭がロングアームレギオンゾンビの長い腕に突き刺さり深く深く食い込み離れなくなった。かなりの重さが棘鞭から伝わってきたがそれに構わず振り上げて振り下ろすのを繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し......何度も何度も機械のように、それだけを行う。
血管や筋肉は何度もブチ切れては繋がり、感覚が消えては戻り消えては戻り。内出血を繰り返した腕は魔化していないのに変色し、紫ベースの黒色になっていたがそれも無視。只管無心でビタンビタンを続ける事、幾星霜――
《レベルが9上がりました》
レベルアップのアナウンスが入り、漸くこのクソみたいな戦闘が終わった事を知った。
「............やっと終わったかぁ......なんか手が気持ち悪いことになってるから切り落としとかないと」
棘を握っていた左腕はもう、肩近辺まで魔化した時よりも魔な雰囲気になっていて、一目でもう手遅れですと視覚に訴えていた。正直かなり怖かったので火を纏わせた金砕棒で悪霊退散して切り離した。
「......ふぅ、自切に慣れた自分に複雑な気持ちになるわぁ」
まぁいつもの事なのだが、改めて思ってみると割と正気の沙汰ではな......いかと思ってみたけど今更別にって気持ちになったので気にするのを止めた。
「そんな事よりも......」
チラと異常事態が起きている箇所に目を向ける。
「うん......手が、生えてこない」
割とマジでどこら辺まで削ればいいのか、それともう一つ、今気付いたガチで洒落にならないモノ。
「............」
無言で駆け出した。本当に気付くのが遅かった。
棘鞭に残っていたドロップの腕が、限界まで膨らんでいた事を見逃していた。
耳が炸裂音を拾う。
とりあえず限界まで足掻いた自分を褒めよう。
全てがスローになる感覚の中、後ろを見なくてもゾワゾワしたモノが背後まで押し寄せてきているのがわかる。
「アハハ......クソみたいな置き土産遺しやがって......レベル表記の無かった強呪耐性にレベルが生えて育ったんだし......きっとこの後も何とかなるよねェ......」
魔法袋を身体の中心に抱き抱えて丸まり、そのまま真っ黒な怨念と呪いに飲み込まれた。
─────────────────────────────
吉持ㅤ匠
人化悪魔
職業:暴狂血
Lv:15→24
HP:100%
MP:100%
物攻:300
物防:1
魔攻:200
魔防:60
敏捷:250
幸運:30
残SP:23→50
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残622.8L
不死血鳥
部位魔化
魔法操作
血流操作
上位隠蔽
中位鑑定
中位収納
中位修復
空間認識
殺戮
状態異常耐性Lv9
壊拳術Lv4
鈍器(統)Lv7
上級棒術Lv4
小剣術Lv7
投擲Lv8
歩法Lv8
強打
強呪耐性Lv5
石化耐性Lv4
病気耐性Lv4
熱傷耐性Lv6
耐圧Lv3
解体・解剖
回避Lv10
溶解耐性Lv6
洗濯Lv3
アウナスの呪縛
装備:
壊骨砕神
悪魔骨のヌンチャク
肉触手ナイフ
貫通寸鉄
火山鼠革ローブ
再生獣革のブーツ
貫突虫のガントレット
聖銀の手甲
鋼鉄虫のグリーブ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍
迷宮鋼の棘針×2
魔法袋・小
ババアの加護ㅤ残高17000
──────────────────────────────
こういう場合、敵さんも何かしらの対抗策を持っているのがセオリーだが、果たしてどうなる事か......
よく見ると最初にブッ潰した方の手が若干リーチが短い。解呪した方はまだ元の長さだ......
「コイツ......呪い消費で再生......なら......ハッ!!」
ラリアット気味に放たれた腕の攻撃を屈んで避け、漸く辿り着いた無防備な胴体。勿論強呪の厄介さを知っている匠は油断はしていない。
イレギュラーな事態が何時起こっても対応出来るように、集中力は極限まで高められていた。
「悪霊退散ッッ!!」
ゾンビには普通の殴打よりも炎が効くと信じて、炎を纏わせた金砕棒を安直な掛け声と共に袈裟斬りに振り下ろした。
大型トラックのタイヤを殴るような感触と腐肉にめり込んでいく不思議な感触が金砕棒から手に伝わり、腐肉の焼ける臭いが鼻に届く。怨念集合体らしくサラウンドでゾンビの汚い叫び声が聞こえ、ゾンビの身体からは黒い靄が湯気のように湧き出ていた。
「悪霊退散の効果があったのマジ驚きだわ。てかあんなヒョロくて脆そうな見た目の癖に身体は超硬いとかどんな嫌がらせだよ――畜生ッ」
セルフSMをするドMように、長い腕を鞭の如く自身の身体に叩き付けてくるのを避けて距離を取らされる。解呪の余りを浴びた方の腕はそのまま身体に巻き付いていき、身体と同化した。
『『『『『GIIIIIIIIIIIIIA』』』』』
「チィッ」
腕を吸収して第二形態になったロングアームレギオンゾンビ。
片腕だけ異常発達した追跡者といった風貌。やばそうな雰囲気しかしないソレが動いた。腕に全振りしていたリソースを身体能力へ振り直したらしく、動きはとても早かった。
「オルァッ!! ......ン゛ォッ!!」
普通に筋肉質な片方の腕でのショートフックを金砕棒でパリィし、続け様に繰り出されたハイキックをスウェーで躱す。頭以外の全てから黒い靄が湧いているので掠るのすら許されない。
「行動パターンが全部変わったのに加えて、長い方の腕を使ってこないとか......頭おかしくなりそ......」
長い腕の攻撃をケアしながら、遠近感の狂った呪い付き体術メインの追跡者ボディへの対応を強いられる。
「クソがッッ」
完全に避けなきゃいけない非常に神経を使う作業を行う中、どうしても避けきれない......掠ってしまう攻撃が来てしまった。
「......もうどうにでもなれ!!!」
相手の振り切ったストレートの後、そのまま身体を回転させて長い腕の方を使った肘打ちに、魔化させた膝の棘を合わせる。
肘に棘が刺さった瞬間、棘に金砕棒をぶち当てて破壊して離脱した。呪いが侵食する前に、と急いで行ったのが良かったのか膝は呪いに侵される事なく離脱する事ができた。
「......おっと。これが大丈夫ならやりようはいくらでもあるなぁ」
バチバチのインファイトゴリ押しで呪いVS脳筋デスマッチを覚悟していた匠にとって、この一瞬のやり取りで得た情報は値千金となった。
「ふぅぅぅぅぅ......フンッ!!」
大きく深呼吸した後、匠は尻尾を生やしてから再び追跡者の懐へと飛び込んだ。スピードを零から百へ強引にもっていった脹脛から嫌な音がしたが、いつもの事なので匠は気にせず、手にした燃え盛る金砕棒で長い方の腕をどんどん叩いていく。
『『『『『『AAAAAAAAAAAH』』』』』』
「アハハハハハハハハハハッ」
追跡者も負けじと長い腕を盾にしながら蹴りや拳を浴びせてくる。その呪い付き攻撃を尻尾でガードしていく。呪いが溜まって根元まで黒く染まってきたら尻尾を引きちぎって追跡者にぶん投げて新しいのを生やす。手が足りなく感じて来たので生えたのを速攻でちぎって空いてる手に装備。変則三刀流じゃ!!
ちぎった尻尾をビタンビタン叩きつけて新しい尻尾でビタンビタン。金砕棒でもビタンビタン。
結構ポップな感じで言ってるけど、もっとヤバい音がしてるのに加えて匠も実はかなり余裕が無い。でもそれすらも楽しくて、匠の蚩いは止まらない。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
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とりあえず壊せば呪いが減る。集合体の凝り固まった執拗い怨念や呪いも、何れ祓えるんだ。
残りMP的に、生やせるのは後六本、ギリギリまで無理して使えば......七本。
「アハハハハハハハハハハッ!! 大分体積減ってきたなテメェ!!! この調子で削り殺してやるからな!!!」
胴体部分は最初ほど硬さは無くなり、もう追跡者と呼べないサイズになってきていた。ここが、踏ん張りどころと見て歯を食いしばって回転数を上げていく。
『『『『『『GUROOOOOOOOOOO』』』』』』
ロングアームレギオンゾンビも此処が正念場と見たか、覚悟を決めた表情で匠に相対する。
『『『『『『GUBAAAAAAAAAA』』』』』』
ロングアームレギオンゾンビの長い方の腕が膨れ上がっていく。匠はそれを見て警戒を強めたが、何かしら盤面をひっくり返す策を弄そうとしても、もう仕切り直す元気は無かった。なのでこのままゴリ押しで通す決意と、最寄りのトイレまであと五分は掛かる場所で不意に訪れた急な便意からキマる覚悟のようなモノを心に、より一層攻撃は苛烈さを増していった。
残り少ない尻尾リスポーンの内の五回分を一気に使って尻尾鞭を作成。太すぎて掴めなかったから握力のゴリ押しでギュッッッッッと握ったら五本分の尻尾は纏まってくれた......何故か尻尾の棘棘が握ったらブワッと一気に開いて怒ったナルガ〇ルガさんの尻尾ビターンよりも凶悪なビターンが出来るようになったのは怪我の功名ってヤツだろう。握った所の棘もブワッとして手がズタズタになったし。ちくしょう。
「オラァッ!! 死ねッッッッ!! 大人しく死ねよ!! 未練がましい動く死体がッッッ!!」
手に食いこんで離れないのでそのまま叩きつける。ロングアームレギオンゾンビの膨らみ続ける腕ごと、何度も何度も何度も何度も。
「アハハハハハハハハハハッ!! 死ね!! 死ね!! 死ねェェェェエ!!」
何度目かの打擲で棘鞭がロングアームレギオンゾンビの長い腕に突き刺さり深く深く食い込み離れなくなった。かなりの重さが棘鞭から伝わってきたがそれに構わず振り上げて振り下ろすのを繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し......何度も何度も機械のように、それだけを行う。
血管や筋肉は何度もブチ切れては繋がり、感覚が消えては戻り消えては戻り。内出血を繰り返した腕は魔化していないのに変色し、紫ベースの黒色になっていたがそれも無視。只管無心でビタンビタンを続ける事、幾星霜――
《レベルが9上がりました》
レベルアップのアナウンスが入り、漸くこのクソみたいな戦闘が終わった事を知った。
「............やっと終わったかぁ......なんか手が気持ち悪いことになってるから切り落としとかないと」
棘を握っていた左腕はもう、肩近辺まで魔化した時よりも魔な雰囲気になっていて、一目でもう手遅れですと視覚に訴えていた。正直かなり怖かったので火を纏わせた金砕棒で悪霊退散して切り離した。
「......ふぅ、自切に慣れた自分に複雑な気持ちになるわぁ」
まぁいつもの事なのだが、改めて思ってみると割と正気の沙汰ではな......いかと思ってみたけど今更別にって気持ちになったので気にするのを止めた。
「そんな事よりも......」
チラと異常事態が起きている箇所に目を向ける。
「うん......手が、生えてこない」
割とマジでどこら辺まで削ればいいのか、それともう一つ、今気付いたガチで洒落にならないモノ。
「............」
無言で駆け出した。本当に気付くのが遅かった。
棘鞭に残っていたドロップの腕が、限界まで膨らんでいた事を見逃していた。
耳が炸裂音を拾う。
とりあえず限界まで足掻いた自分を褒めよう。
全てがスローになる感覚の中、後ろを見なくてもゾワゾワしたモノが背後まで押し寄せてきているのがわかる。
「アハハ......クソみたいな置き土産遺しやがって......レベル表記の無かった強呪耐性にレベルが生えて育ったんだし......きっとこの後も何とかなるよねェ......」
魔法袋を身体の中心に抱き抱えて丸まり、そのまま真っ黒な怨念と呪いに飲み込まれた。
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吉持ㅤ匠
人化悪魔
職業:暴狂血
Lv:15→24
HP:100%
MP:100%
物攻:300
物防:1
魔攻:200
魔防:60
敏捷:250
幸運:30
残SP:23→50
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残622.8L
不死血鳥
部位魔化
魔法操作
血流操作
上位隠蔽
中位鑑定
中位収納
中位修復
空間認識
殺戮
状態異常耐性Lv9
壊拳術Lv4
鈍器(統)Lv7
上級棒術Lv4
小剣術Lv7
投擲Lv8
歩法Lv8
強打
強呪耐性Lv5
石化耐性Lv4
病気耐性Lv4
熱傷耐性Lv6
耐圧Lv3
解体・解剖
回避Lv10
溶解耐性Lv6
洗濯Lv3
アウナスの呪縛
装備:
壊骨砕神
悪魔骨のヌンチャク
肉触手ナイフ
貫通寸鉄
火山鼠革ローブ
再生獣革のブーツ
貫突虫のガントレット
聖銀の手甲
鋼鉄虫のグリーブ
魔鉱のブレスレット
剛腕鬼の金棒
圧縮鋼の短槍
迷宮鋼の棘針×2
魔法袋・小
ババアの加護ㅤ残高17000
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