28 / 146
進む
しおりを挟む
どれくらい眠ったのか、やはりそれはわからなかったけど、目が覚めたので急いで出発の準備を整える。
空腹感は感じていたが、殺してからずっと放置していたのでトロル肉は食べる気にならない。ゲロが側にあったのもあるけど......
血液の残量がリミットいっぱいまで回復しているのを確認し、予備武器として木の棍棒を一つ拾って歩き出す。
「今後の目標......それを考えておいた方が良さそうだね。何も考えていないと今度こそ殺されてしまう......」
一人で進んでいる影響からなのか、普通に暮らしていた頃よりも増えた独り言を呟きながら歩いていく。
「まず考えないといけないのは血液の貯蓄を減らさないように立ち回る事......次に、空間把握のスキルでやれる事を完璧に理解する事かな......後は戦闘関連の技量の上昇に食肉ナイフの扱い方......」
......ブツブツと自問自答しながら進んでいく。しかし次のフロアに辿り着く前にコレといった結論は出ず、タイムアップとなり次のフロアに到着してしまう。
「......うーん、難しい......突き詰めていけば、被弾を極力減らす事、広い視野を持って効率的に敵を倒していく事、体捌きや武器の扱いに慣れる事......結局慣れるしかない......か」
結局の所は戦闘に慣れる事でしか、抱えた問題を解決できないと結論が出てしまった。
自分自身で試行錯誤しながら、最適な動きを見つけていくしかない......と。
――現代日本に於いて武道経験者や格闘技経験者、そういう訓練を受けた者以外では、戦闘という行為自体を未経験のまま生涯を終える者が圧倒的に多い。
ましてや命の懸かった戦闘となると余計に数が減る。
そんな者が大多数を占める中、いきなり暴力がすぐ隣にあるような世界になればどうなるか......
暴力に適応できる者
その場その場で機転を利かせながら、どうにかして生き延びようとする者
恐怖から動けなくなりすぐ死んでしまう者
他者を犠牲にしてでも生き残ろうとする者
他者から奪ったり、騙しながら生きる者
リーダーシップを取って多数の人間を生かそうと奔走する者
甘い汁だけを啜い、吸い尽くすと転々と自身の居場所を変えていく蝙蝠のような者
力ある者に媚び諂い、自身の庇護を求める者
挙げればキリがないが、育った環境や自身の才能、置かれた環境によってどのように適応していくかは千差万別。殆どの人が自らの力では戦おう、立ち向かおうとは思わないはずだ。
ㅤ数は力、個の力は所詮個の力でしかなく、最終的には数の暴力に屈する。カリスマ性を持つ個にぶら下がり、威を借りて威張り散らすだけの寄生が過半数を占めるだろう。
だがそうならない者もいる。世界中の人間の中で一番早く人外の化け物との命の取り合いにその身を投じた人物が、これまでよりも覚悟を持って深く深く戦闘にその身を捧げていく事になる。
これにより、生まれてくる時代を間違え世の中に適合出来ず、生涯お披露目する機会が無かったであろう生命のやり取りへの適性、戦闘への適性が花開いていく事となる......
視界が開けた先に居たモンスターはナイトトロルの群れ、先程戦闘になった三体よりも数が多く、一体だけだが体が大きく引き締まっている個体も見える。
そして、レベルも先程のモノよりも少しだけ上がっていた。
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:68
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:69
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:68
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトメアトロル
レベル:75
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:69
──────────────────────────────
群れの中で一際目立つ存在を確認すれば、やはりその存在感に嘘偽りは無く、なかなか厄介そうな名前をしていた。
「ナイトメアと言うと、悪夢......か。あの消える動きに加えて精神異常系の攻撃を仕掛けてくるのかな......アハハ、もしそうだとしたら凄い厄介だな。眠らせてくるのなら余計に厄介......と言うか死ぬ......
幸い全状態異常耐性がLv3なのが救いだけど、それもどれくらい効果があるのか」
ダメなら死ぬ、でも挑まなければ何れこの階層で餓死に近い状態になって死ぬ。
......アイツらと戦うのなら、油断している今しかない......
安全圏からナイトメアトロルに木の棍棒を全力で投げつけてぶち当てるしかなさそう。
そのままクリーンヒットして倒せれば最良、痛手を与えられれば御の字、避けられたら逃げ出して先程の部屋て牙を研ぐ......
失敗したのなら木の棍棒を拾いに戻ればいいし、失うものはない。気楽に、だけどナイトメアトロルを殺す気でこの策を試そう。
覚悟が決まったので物攻にステを振ると棍棒を手に取り、今出せる全力を以て棍棒を投擲した。
──────────────────────────────
吉持ㅤ匠
Lv:55
HP:100%
MP:100%
物攻:40→44
物防:1
魔攻:10
魔防:1
敏捷:50
幸運:10
残SP:4→0
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残7.0L
不死血鳥
状態異常耐性Lv3
拳闘Lv4
鈍器Lv5
簡易鑑定
空間把握Lv3
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
布のシャツ
丈夫なズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
丈夫なリュック
鱗皮のナイフホルダー
ババァの店の会員証ㅤ残高135
─────────────────────────────
空腹感は感じていたが、殺してからずっと放置していたのでトロル肉は食べる気にならない。ゲロが側にあったのもあるけど......
血液の残量がリミットいっぱいまで回復しているのを確認し、予備武器として木の棍棒を一つ拾って歩き出す。
「今後の目標......それを考えておいた方が良さそうだね。何も考えていないと今度こそ殺されてしまう......」
一人で進んでいる影響からなのか、普通に暮らしていた頃よりも増えた独り言を呟きながら歩いていく。
「まず考えないといけないのは血液の貯蓄を減らさないように立ち回る事......次に、空間把握のスキルでやれる事を完璧に理解する事かな......後は戦闘関連の技量の上昇に食肉ナイフの扱い方......」
......ブツブツと自問自答しながら進んでいく。しかし次のフロアに辿り着く前にコレといった結論は出ず、タイムアップとなり次のフロアに到着してしまう。
「......うーん、難しい......突き詰めていけば、被弾を極力減らす事、広い視野を持って効率的に敵を倒していく事、体捌きや武器の扱いに慣れる事......結局慣れるしかない......か」
結局の所は戦闘に慣れる事でしか、抱えた問題を解決できないと結論が出てしまった。
自分自身で試行錯誤しながら、最適な動きを見つけていくしかない......と。
――現代日本に於いて武道経験者や格闘技経験者、そういう訓練を受けた者以外では、戦闘という行為自体を未経験のまま生涯を終える者が圧倒的に多い。
ましてや命の懸かった戦闘となると余計に数が減る。
そんな者が大多数を占める中、いきなり暴力がすぐ隣にあるような世界になればどうなるか......
暴力に適応できる者
その場その場で機転を利かせながら、どうにかして生き延びようとする者
恐怖から動けなくなりすぐ死んでしまう者
他者を犠牲にしてでも生き残ろうとする者
他者から奪ったり、騙しながら生きる者
リーダーシップを取って多数の人間を生かそうと奔走する者
甘い汁だけを啜い、吸い尽くすと転々と自身の居場所を変えていく蝙蝠のような者
力ある者に媚び諂い、自身の庇護を求める者
挙げればキリがないが、育った環境や自身の才能、置かれた環境によってどのように適応していくかは千差万別。殆どの人が自らの力では戦おう、立ち向かおうとは思わないはずだ。
ㅤ数は力、個の力は所詮個の力でしかなく、最終的には数の暴力に屈する。カリスマ性を持つ個にぶら下がり、威を借りて威張り散らすだけの寄生が過半数を占めるだろう。
だがそうならない者もいる。世界中の人間の中で一番早く人外の化け物との命の取り合いにその身を投じた人物が、これまでよりも覚悟を持って深く深く戦闘にその身を捧げていく事になる。
これにより、生まれてくる時代を間違え世の中に適合出来ず、生涯お披露目する機会が無かったであろう生命のやり取りへの適性、戦闘への適性が花開いていく事となる......
視界が開けた先に居たモンスターはナイトトロルの群れ、先程戦闘になった三体よりも数が多く、一体だけだが体が大きく引き締まっている個体も見える。
そして、レベルも先程のモノよりも少しだけ上がっていた。
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:68
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:69
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:68
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトメアトロル
レベル:75
──────────────────────────────
──────────────────────────────
ナイトトロル
レベル:69
──────────────────────────────
群れの中で一際目立つ存在を確認すれば、やはりその存在感に嘘偽りは無く、なかなか厄介そうな名前をしていた。
「ナイトメアと言うと、悪夢......か。あの消える動きに加えて精神異常系の攻撃を仕掛けてくるのかな......アハハ、もしそうだとしたら凄い厄介だな。眠らせてくるのなら余計に厄介......と言うか死ぬ......
幸い全状態異常耐性がLv3なのが救いだけど、それもどれくらい効果があるのか」
ダメなら死ぬ、でも挑まなければ何れこの階層で餓死に近い状態になって死ぬ。
......アイツらと戦うのなら、油断している今しかない......
安全圏からナイトメアトロルに木の棍棒を全力で投げつけてぶち当てるしかなさそう。
そのままクリーンヒットして倒せれば最良、痛手を与えられれば御の字、避けられたら逃げ出して先程の部屋て牙を研ぐ......
失敗したのなら木の棍棒を拾いに戻ればいいし、失うものはない。気楽に、だけどナイトメアトロルを殺す気でこの策を試そう。
覚悟が決まったので物攻にステを振ると棍棒を手に取り、今出せる全力を以て棍棒を投擲した。
──────────────────────────────
吉持ㅤ匠
Lv:55
HP:100%
MP:100%
物攻:40→44
物防:1
魔攻:10
魔防:1
敏捷:50
幸運:10
残SP:4→0
魔法適性:炎
スキル:
ステータスチェック
血液貯蓄ㅤ残7.0L
不死血鳥
状態異常耐性Lv3
拳闘Lv4
鈍器Lv5
簡易鑑定
空間把握Lv3
■■■■■■
装備:
魔鉄の金砕棒
肉食ナイフ
布のシャツ
丈夫なズボン
再生獣革のブーツ
魔鉱のブレスレット
丈夫なリュック
鱗皮のナイフホルダー
ババァの店の会員証ㅤ残高135
─────────────────────────────
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる