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第54話 文化祭2 8
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3組の教室に戻ると、なかなかの人の入りだった。特にルーレットは盛り上がっており、人集りになっている。逆に、バカラとテキサスホールデムは少し人気がないようだ。
クラスの子に状況を聞いていたら、川波君に手招きされた。涼夏と絢音はディーラーの準備があるので一人で行くと、川波君が難しそうな顔で言った。
「意見を聞きたいんだけど、ルーレットだけ人気がすごい。そこで、急遽ルーレットをもう一つ買いに行って、レイアウトを作ろうって案がある」
「赤字になるでしょ」
「ここまでの2時間の人の入りと落とした額で推移したら、赤字は大丈夫そう」
「誰が買いに行くの? せっかくの文化祭なのに。レイアウトはいつ作るの?」
「レイアウトは文化祭が終わってから。買いに行くのは、定期券が効くメンバーが夕方からなら買ってきてもいいって言ってるし、自転車も借りれる」
意見を聞くと言いながら、単に私に賛同してほしいだけのようだ。ただ、お金のことだし、一部のメンバーの意見だけで決めるわけにはいかない。もちろん、全員の意見を聞いてもまとまらないのはわかっている。
「買いに行くのが夕方からで、レイアウトも終わってから作るなら、まだ午前中の今決める必要はないと思う。夕方、収支を見てから決めよう。それより今は、他のゲームの魅力をアピールする方が先だと思う」
「なるほど、冷静な意見だ」
川波君が納得したようにそう言ったが、表情は微妙に不満そうだった。たぶん、この1時間くらい大変だったのだろう。私はその状況を知らずに理想だけを語っている。情報量の違いによる熱量の差はありそうだ。
11時になると、涼夏がバカラのテーブルに、絢音がクラップスのテーブルについた。その前に、涼夏がルーレットにたむろしていた同級生を何人か引っ張っていく。可愛さの武器を最大限使ってもらおう。
私は広田さんと宣伝担当なので、今年も段ボールで作った宣伝ボードを首からぶら下げて外に出た。一般開放されてから1時間、今年もよく賑わっていて、他校の制服も多い。委員会の対外的な活動の成果だろう。
誰も彼もOKにすると、少なからずガラの悪いのも来てトラブルもあると言うが、そこは委員会と先生が対処している。そのデメリットのために活気と交流というメリットを捨てるわけにはいかない。ユナ高の文化祭は、誰にでも開かれているところが良いのだ。
「明るいカジノやってまーす。2年3組でーす」
気のない声をかけながらしばらく歩くと、広田さんがそう言えばと雑談を始めた。
「最近川波君とどう? さっき喋ってたよね」
「ルーレットを買うかどうかっていう、実行委員的な話をしただけだよ。そっちこそ、岩崎君とどう? そろそろ付き合い始める頃じゃない?」
広田さんが恋愛トークを始めるのは、経験的に想定済みだ。広田さんと岩崎君の関係とか、心の底から興味がないが、自分の話をあれこれ聞かれるよりずっといい。
広田さんは聞かれるのを待っていたのか、何やら大袈裟に唸って首を振った。
「何か、よくわかんなくなってきて。向こうが私に気がなさすぎて、若干冷めてきた。こういうのを友達って言うのかなって」
それは想定外の展開だ。てっきり二人はいつかくっつくものと思っていたが、冷めることもあるらしい。絢音ではないが、恋愛は難しい。
「誰か気になってる人とかいるの?」
「んー、久保田君とか、4組の児玉君とか。あと、準備でよく喋った笹部君もちょっと気になってる。伏兵感あるよね」
「伏兵過ぎて面白い」
元々笹部君は外見は悪くない。あまり髪型とかに気を遣っていないが、元の作りはハンサムな方で、喋り方や仕草もそこまでオタクというわけではない。まさに奈都の男子バージョンといった感じで、好きな女子は好きだろう。
それにしても、糸織もそうだが、喋ると好きになるというのはあるようだ。そういう意味では私が男子と喋ることに、涼夏と絢音が警戒するのもわからないでもない。まったく無用な心配だが。
「野阪さんは気になってる人とかいないの?」
「いないね。涼夏と絢音と遊ぶより楽しいことが、この世界に存在するとは思えない」
「恋愛はもっと楽しいかも?」
「十分満足してる今を手放してまで挑戦するに値しないね」
若干言い方が冷たくなってしまったが、そろそろ私が本当に男女の恋愛に興味がないことに気が付いて欲しい。
もっとも、恋愛体質の人が恋愛のない生活を想像できないのはわからないでもない。私とて、菜食主義の人に、お肉美味しいのにと思ったりするので、それと同じだろう。
広田さんはやれやれと首を振った。
「涼夏と野阪さんっていう奇跡的な美人二人が、二人で楽しく遊んでるのは、男子にとって大きな損失だね」
「男子のステータスになる気はないね」
「そういう意味じゃなかったけど、そう聞こえたならごめんね。単に涼夏や野阪さんの恋愛話が聞きたいだけ。面白そうだから」
「涼夏と私の恋愛話」
「そうじゃない」
広田さんが冷静に手を振った。最近挨拶と同じ感覚でキスしているので忘れていたが、それは友達同士でする一般的な行為ではない。広田さんをはじめ、みんな私と涼夏を単なる友達同士としか考えていないが、実際にはそうではない。
もちろん、そんな話をする気はないので、もう一度広田さんにバトンを戻した。
「もし広田さんが他の男子と付き合い出したら、長井さんは取られるわ、広田さんはいなくなるわ、ちょっと岩崎君に同情する」
「私はどうでもいいでしょ。向こうが私に興味ないんだから、彼氏作っても寂しがられる筋合いはない」
「友達としては普通に好きなんじゃない? 広田さんに彼氏が出来たら、今の付き合いが出来なくなる。それは岩崎君的には嫌なんじゃないかな」
「わかるけど、それってキープってことでしょ? はっきりして欲しいんだけど」
もどかしそうに広田さんが言った。難しい話になってきた。
わたし的には男女の友情は普通にあると思っているし、岩崎君が広田さんをキープしているとも思わない。実際、岩崎君は長井さんと付き合いたがっていたし、そうしたからと言って、広田さんと疎遠にするつもりはなかっただろう。
しかし、彼氏や彼女にとって、異性の友達が厄介なのもまた事実だ。私ももし川波君が糸織と付き合うことになったら、川波君とは距離を置こうと思っている。江塚君が涼夏にしたように、向こうから勝手に距離を置いてくれたら嬉しいが、そればかりはなってみないとわからない。
「もう広田さんから告白したらいいんじゃない? まだ一応好きな気持ちは残ってるんでしょ?」
「どうだろう。わかんない。成功する気がしないし、親しい男の子がいなくなるのは嫌だから、彼氏が出来るまでこのままかな」
私の建設的な意見に、広田さんがまったく悪びれずに笑った。それこそキープではないかと思ったが、これくらいの勝手は女子にはありがちだ。男子もそうかは知らない。
最後に、この話は涼夏と絢音にもしていいか確認すると、是非二人の意見も欲しいと言われた。
自分たちのシフトが終わり、バンドに向かう絢音と別れた後、早速涼夏に話してみると、涼夏も驚いたように眉を上げた。
「優希が岩崎君に飽きるとか、ちょっと考えなかったな」
「涼夏は私に飽きないでね」
「自分でも驚くほど飽きてない。帰宅部の抜群の安定感」
涼夏がいたずらっぽく微笑みながら、明るい瞳で私を見た。澄んだ可愛さ。私の方も、涼夏の性格はもちろん、この可愛さにもまったく飽きていない。
「意見なぁ。驚くほど何もないぞ?」
涼夏が困惑気味に言った。思わず噴いて、しばらく笑ってから首を振った。
「私もない。あの子、どうしたってすべての女子は恋愛が好きだって思ってる。異性のね!」
「まあ、同性でも異性でも付き合いの本質は同じだろうから、参考に出来そうなところは取り入れたいな」
「涼夏に飽きられないように努力する」
「頑張ってくれたまえ」
偉そうにそう言って、この話は終わりだと言うように手を広げた。
涼夏の方では私に飽きられる心配をしていないのか気にはなったが、飽きることはないからわざわざ聞く必要もないだろう。
涼夏がまだ全然終わっていない謎解きの冊子をヒラヒラさせながら、続きをやろうと促した。絢音からも進めておいていいと言われている。
絢音のステージまで、まだ少し時間がある。カジノの話を聞きながら、二人で冊子に描かれた謎の土星マークを探すことにしよう。
クラスの子に状況を聞いていたら、川波君に手招きされた。涼夏と絢音はディーラーの準備があるので一人で行くと、川波君が難しそうな顔で言った。
「意見を聞きたいんだけど、ルーレットだけ人気がすごい。そこで、急遽ルーレットをもう一つ買いに行って、レイアウトを作ろうって案がある」
「赤字になるでしょ」
「ここまでの2時間の人の入りと落とした額で推移したら、赤字は大丈夫そう」
「誰が買いに行くの? せっかくの文化祭なのに。レイアウトはいつ作るの?」
「レイアウトは文化祭が終わってから。買いに行くのは、定期券が効くメンバーが夕方からなら買ってきてもいいって言ってるし、自転車も借りれる」
意見を聞くと言いながら、単に私に賛同してほしいだけのようだ。ただ、お金のことだし、一部のメンバーの意見だけで決めるわけにはいかない。もちろん、全員の意見を聞いてもまとまらないのはわかっている。
「買いに行くのが夕方からで、レイアウトも終わってから作るなら、まだ午前中の今決める必要はないと思う。夕方、収支を見てから決めよう。それより今は、他のゲームの魅力をアピールする方が先だと思う」
「なるほど、冷静な意見だ」
川波君が納得したようにそう言ったが、表情は微妙に不満そうだった。たぶん、この1時間くらい大変だったのだろう。私はその状況を知らずに理想だけを語っている。情報量の違いによる熱量の差はありそうだ。
11時になると、涼夏がバカラのテーブルに、絢音がクラップスのテーブルについた。その前に、涼夏がルーレットにたむろしていた同級生を何人か引っ張っていく。可愛さの武器を最大限使ってもらおう。
私は広田さんと宣伝担当なので、今年も段ボールで作った宣伝ボードを首からぶら下げて外に出た。一般開放されてから1時間、今年もよく賑わっていて、他校の制服も多い。委員会の対外的な活動の成果だろう。
誰も彼もOKにすると、少なからずガラの悪いのも来てトラブルもあると言うが、そこは委員会と先生が対処している。そのデメリットのために活気と交流というメリットを捨てるわけにはいかない。ユナ高の文化祭は、誰にでも開かれているところが良いのだ。
「明るいカジノやってまーす。2年3組でーす」
気のない声をかけながらしばらく歩くと、広田さんがそう言えばと雑談を始めた。
「最近川波君とどう? さっき喋ってたよね」
「ルーレットを買うかどうかっていう、実行委員的な話をしただけだよ。そっちこそ、岩崎君とどう? そろそろ付き合い始める頃じゃない?」
広田さんが恋愛トークを始めるのは、経験的に想定済みだ。広田さんと岩崎君の関係とか、心の底から興味がないが、自分の話をあれこれ聞かれるよりずっといい。
広田さんは聞かれるのを待っていたのか、何やら大袈裟に唸って首を振った。
「何か、よくわかんなくなってきて。向こうが私に気がなさすぎて、若干冷めてきた。こういうのを友達って言うのかなって」
それは想定外の展開だ。てっきり二人はいつかくっつくものと思っていたが、冷めることもあるらしい。絢音ではないが、恋愛は難しい。
「誰か気になってる人とかいるの?」
「んー、久保田君とか、4組の児玉君とか。あと、準備でよく喋った笹部君もちょっと気になってる。伏兵感あるよね」
「伏兵過ぎて面白い」
元々笹部君は外見は悪くない。あまり髪型とかに気を遣っていないが、元の作りはハンサムな方で、喋り方や仕草もそこまでオタクというわけではない。まさに奈都の男子バージョンといった感じで、好きな女子は好きだろう。
それにしても、糸織もそうだが、喋ると好きになるというのはあるようだ。そういう意味では私が男子と喋ることに、涼夏と絢音が警戒するのもわからないでもない。まったく無用な心配だが。
「野阪さんは気になってる人とかいないの?」
「いないね。涼夏と絢音と遊ぶより楽しいことが、この世界に存在するとは思えない」
「恋愛はもっと楽しいかも?」
「十分満足してる今を手放してまで挑戦するに値しないね」
若干言い方が冷たくなってしまったが、そろそろ私が本当に男女の恋愛に興味がないことに気が付いて欲しい。
もっとも、恋愛体質の人が恋愛のない生活を想像できないのはわからないでもない。私とて、菜食主義の人に、お肉美味しいのにと思ったりするので、それと同じだろう。
広田さんはやれやれと首を振った。
「涼夏と野阪さんっていう奇跡的な美人二人が、二人で楽しく遊んでるのは、男子にとって大きな損失だね」
「男子のステータスになる気はないね」
「そういう意味じゃなかったけど、そう聞こえたならごめんね。単に涼夏や野阪さんの恋愛話が聞きたいだけ。面白そうだから」
「涼夏と私の恋愛話」
「そうじゃない」
広田さんが冷静に手を振った。最近挨拶と同じ感覚でキスしているので忘れていたが、それは友達同士でする一般的な行為ではない。広田さんをはじめ、みんな私と涼夏を単なる友達同士としか考えていないが、実際にはそうではない。
もちろん、そんな話をする気はないので、もう一度広田さんにバトンを戻した。
「もし広田さんが他の男子と付き合い出したら、長井さんは取られるわ、広田さんはいなくなるわ、ちょっと岩崎君に同情する」
「私はどうでもいいでしょ。向こうが私に興味ないんだから、彼氏作っても寂しがられる筋合いはない」
「友達としては普通に好きなんじゃない? 広田さんに彼氏が出来たら、今の付き合いが出来なくなる。それは岩崎君的には嫌なんじゃないかな」
「わかるけど、それってキープってことでしょ? はっきりして欲しいんだけど」
もどかしそうに広田さんが言った。難しい話になってきた。
わたし的には男女の友情は普通にあると思っているし、岩崎君が広田さんをキープしているとも思わない。実際、岩崎君は長井さんと付き合いたがっていたし、そうしたからと言って、広田さんと疎遠にするつもりはなかっただろう。
しかし、彼氏や彼女にとって、異性の友達が厄介なのもまた事実だ。私ももし川波君が糸織と付き合うことになったら、川波君とは距離を置こうと思っている。江塚君が涼夏にしたように、向こうから勝手に距離を置いてくれたら嬉しいが、そればかりはなってみないとわからない。
「もう広田さんから告白したらいいんじゃない? まだ一応好きな気持ちは残ってるんでしょ?」
「どうだろう。わかんない。成功する気がしないし、親しい男の子がいなくなるのは嫌だから、彼氏が出来るまでこのままかな」
私の建設的な意見に、広田さんがまったく悪びれずに笑った。それこそキープではないかと思ったが、これくらいの勝手は女子にはありがちだ。男子もそうかは知らない。
最後に、この話は涼夏と絢音にもしていいか確認すると、是非二人の意見も欲しいと言われた。
自分たちのシフトが終わり、バンドに向かう絢音と別れた後、早速涼夏に話してみると、涼夏も驚いたように眉を上げた。
「優希が岩崎君に飽きるとか、ちょっと考えなかったな」
「涼夏は私に飽きないでね」
「自分でも驚くほど飽きてない。帰宅部の抜群の安定感」
涼夏がいたずらっぽく微笑みながら、明るい瞳で私を見た。澄んだ可愛さ。私の方も、涼夏の性格はもちろん、この可愛さにもまったく飽きていない。
「意見なぁ。驚くほど何もないぞ?」
涼夏が困惑気味に言った。思わず噴いて、しばらく笑ってから首を振った。
「私もない。あの子、どうしたってすべての女子は恋愛が好きだって思ってる。異性のね!」
「まあ、同性でも異性でも付き合いの本質は同じだろうから、参考に出来そうなところは取り入れたいな」
「涼夏に飽きられないように努力する」
「頑張ってくれたまえ」
偉そうにそう言って、この話は終わりだと言うように手を広げた。
涼夏の方では私に飽きられる心配をしていないのか気にはなったが、飽きることはないからわざわざ聞く必要もないだろう。
涼夏がまだ全然終わっていない謎解きの冊子をヒラヒラさせながら、続きをやろうと促した。絢音からも進めておいていいと言われている。
絢音のステージまで、まだ少し時間がある。カジノの話を聞きながら、二人で冊子に描かれた謎の土星マークを探すことにしよう。
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