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レベル35 性職者カナミ 非処女 淫祭服 鈍く光るイヤリング 亀頭の杖 ステ:薄情 暗所恐怖症 状態異常:ピンク髪 淫紋 金45000JEM

ザザリアーク邪教会編②「性職者として」

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 オータムカンバスからはるか南、うっそうと茂る森林地帯を馬車に揺られること二十分。
 急にぽっかりと道が開けてきたところに現れた、白色の壁にエンジの屋根をした大きな建物。
 教会が独自の三角形の外観をしていると言うのは、いつの時代も変わらないらしい。

「着きましたよ。さ、手を引いてあげましょう」
「ありがとうございます、司教様っ」

 馬車を降り天を仰ぐと、空はすっきりと晴れ渡っているにもかかわらず、なぜかこの教会の周りだけがどんよりとした暗い瘴気に包み込まれていた。

(でも、不思議とイヤな感じはしないわ。むしろ、心地よい……。この瘴気をあたしのナカにもっと浸透させたいって思っちゃう……)

 教会の放つまがまがしいオーラに魅了されていくカナミを横目で見ながら、リボーンは口元を緩ませる。

「今からあなたはここで性職者として働いてもらいます」
「ところで司教様。他の信者さんたちはどこにいるのでしょう?」

 遠方から多くの信者を抱えていると言う話ではあったが、教会の周りにはひとっこひとり、さらには馬車を操っていたお付きの信者たちもいつの間にか姿を消していた。

「丁度、が始まったのでしょう。教会の中に入れば分かると思いますよ」
「儀式……」

 ああ、なんて高尚な響きなんだろう。
 ひとり感慨に浸っていたのも束の間、リボーンが先導し観音開きの重厚な扉を開けば、そこには思わず目を疑う光景が広がっていた。

(な、なにこれっ……)

 なんと、祭服をまとった男女数十人が、ひたすら貪るようなセックスに励んでいるではないか。
 甘ったるい女性の嬌声と、獣のような力強い男性の咆哮が紡ぐ淫らな調律。
 そのせいで、教会内はむせかえる匂いとサウナのような熱気で充満している。

「これがザザリアーク教会の朝の儀式。参拝に来た信者同士が神の面前でセックスをして、その神聖な行為を余すことなく報告するのです」
「セックスを神に報告? な、なんて甘美な……」
「儀式は朝昼晩の一日三回。より高みを目指したいと言う誉れ高き信者は、その倍をこなすのですよ」
「倍……。それじゃあ一日中、神の前でセックスするってことになるじゃないですか……ステキ……」
「ふふふ。カナミ、あなたにはまず、新人性職者としての洗礼を受けて頂きます」
「洗礼? それって、昨夜言っていたミサ、のことですか?」
「はい。ミサは夕刻、私を含め特別な力を持った側近の複数で行います。かなりの体力と精神力を使うものですから、それまでゆっくりと身体を休めておいてください」

 教会の隣には、信者用の宿舎が併設されているようだ。
 また、その宿舎にはグレードがあり、お布施の額が多いほど設備の整った良い部屋が提供される仕組みらしい。

「え……? こんな広くてキレイな部屋があたしに……?」

 しかし、カナミはどういうわけか新参者にもかかわらず、リボーンと同じ区域の幹部専用ルームに通された。
 メデオラの宿なんかと比べ物にならないくらいの素晴らしい環境に、思わず息をのむ。

「気にせずお使い下さい。私は、あなたの中に秘めたる力を買っているのです。ま、個人的に気に入っている――とも言えなくもないですが」
「し、司教様。それって……」
「おっと私としたことが失言でしたね。司教たるもの、常に平等でなくてはなりません」
「ぁっ……」
「とにかく、後でまた迎えに来ますよ。それでは」
 
 リボーンによる遠回しの好意に胸が高鳴ったカナミは、溢れる気持ちを抑えきれずに蠢く亀頭の杖に手を伸ばす。
 そしてベッドに横たわり、休んでいろと言われたにもかかわらず、ただひたすら司教を想って激しいオナニーを繰り広げてしまうのであった――。

 ◇◆◇

 カナミの身を案じながら登校した俺は、クラス内がいつも以上にざわついていることに気が付いた。

(……)

 皆がこぞって話している内容は、カナミが行方不明になったと言うもの。
 無理もない。もう丸三日以上も無断欠席しているのだ。
 カナミのご両親が警察への捜索願いを出したことも引き金となり、やれ家族間のトラブルなど、家出など、はたまた男と駆け落ちなど好き勝手に妄想を働かせている。
 だが、残念ながらそのどれもが間違いだ。

 当然、親しい間柄である俺にも警察からの聴取が及んだ。
 しかし――。

「いえ。俺は何も知りません」

 と無機質に答えるしかできなかった。
 だって、馬鹿正直にゲームの世界に取り込まれてしまったなんて言っても誰が信じてくれるだろう?
 それなら、この真実は俺だけの中にしまっておいた方がはるかに気持ちが楽だ。だから、嘘をついた。

 そして夕方。
 まったく身に入らない授業を終え、俺は飽きもせずにざわつき続ける生徒たちを横目にそそくさと帰宅した。
 カナミは無事だろうか。自分が見ていない間にひどい目にあっていないか。ただそれだけを胸に。

(でも……)

 彼女がすでに無事でないと言うことも、ひどい目にあっていると言うこともまた、俺だけが知る真実なのだ――。
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